明治大学 vs 早稲田大学

大学ラグビー
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本日のテーマ

本日は、関東大学ラグビー春季大会 明治大学vs早稲田大学の試合を解説していきます。

伝統の明治大学-早稲田大学の試合でした。

今回は、セットピースから圧力を掛け続けた早稲田大学に軍配が上がりました。

セットアップに拘っている事が分かるScrumで、今シーズンの期待が高まります。

逆に、明治大学は自分達の形がまだ不明瞭な印象です。

秋シーズンまでに、重戦車軍団復活を期待しています。

それでは、試合結果・1st Scrum・Best Scrumを見ていきましょう。

試合結果

明治大学 26vs36 早稲田大学

明治大学 320kg / 824kg

早稲田大学 328kg / 802kg

1st Scrum 2:41~

気になる1st Scrumは2:41~です。

早稲田大学陣ゴール前5m付近、明治大学ボールのScrumです。

組み合った後、早稲田大学がプレッシャーを掛けてボールアウトとなりました。

早稲田大学も明治大学も低く8人がまとまる良いセットアップでしたね。

それぞれのセットアップを詳しく見ていきましょう。

明治大学はHO 西野選手が右足を置いてからから左足を下げる形で低くセット、そこに両PRがくる形です。

肩を出して胸のラインを真っ直ぐにする事を意識しているのか、バインドしてから勢いよく肩を抜いています。

バック5は、ロックが先行して頭を入れた後、フランカー及びNo.8がセットしています。

その際、6番利川選手は1番檜山選手に対して鋭角に、7番福田選手は3番倉島選手に対して真っ直ぐセットしています。

Scrumの構造上、1番が外側に割れやすいので理に適っているセットアップでした。

対する早稲田大学もHO 佐藤選手がセットしてから両PRがセット、バック5も6番田中選手が1番杉本選手に対して鋭角にセットしています。

違いはセットアップの低さでした。

早稲田大学はHO佐藤選手が股関節を割りながら低くなりセットしています。

股関節を割ることで、足の位置を変えずにその場で低くなる事が出来ます。

昨シーズン以前も導入されていたはずですが、上手く股関節を使えてない印象です。

オフシーズンのトレーニング、そしてJr.ジャパン合宿に呼ばれた事が良い影響を生んでいます。

日本代表合宿にも呼ばれているため、更なる成長を期待しています。

また、早稲田大学はクラウチの前段階から低くセットしているため、自分達が置きたい位置に頭を置けています。

余談ですが、管理人も現役時代にクラウチの前段階から低くセットした事があり、その時はレフリーから注意を受けました。

気になったので競技規則を確認したところ、今回の早稲田大学のようにクラウチの前段階から低くする事は問題ありませんでした。

このクラウチの前段階から低く鋭くセットアップは個人的に物凄く好きで、指導する際に取り入れようと考えています。

全体的に肩一個分低くセット出来た早稲田大学に対して、明治大学は組み辛そうな印象です。

重戦車軍団と呼ばれるほどなので、Scrumには相当拘っています。

ただ、自分達の良い形でセット出来ず、フロントロー同士で首の取り合いをして何とか体勢を整えています。

バインドする際も、両PRの足を下げただけの早稲田大学に対して、明治大学はHOとNo.8以外全員足を動かしています。

バインドの段階でセットアップが崩れると、肩がズレる/密着度が弱くなるなどデメリットばかりです。

今回のヒットは、セットアップでセットまで良い準備を継続できた早稲田大学に軍配が上がりました。

今季PO優勝を飾ったBL東京を彷彿させるまとまりあるヒットで、明治大学に圧力を掛けていきました。

ヒットしてから2歩程前に出られており、完璧に組み勝っている状況です。

自陣ゴール前相手ボールなので無理は出来ませんが、良いプレッシャーを掛けられました。

春の仕上がりは素晴らしいですね。

帝京大学戦のScrumに期待が掛かります。

明治大学は重さで勝る状況、一人一人の姿勢は素晴らしかったのですが、8人で組む部分でバラツキが見られました。

そこが修正出来れば互角以上に組み合える実力を持っています。

秋以降期待しています。

Best Scrum 34:41~

気になるBest Scrumは34:41~です。

明治大学陣10-22m、早稲田大学ボールのScrumです。

1本目はお互いの間合いが合わず組み直しとなりました。

1st Scrumと同様に自分達の形で組めない明治大学がバインドの段階で前に詰める形となりました。

Scrumで圧力を受ける中、何か改善したい気持ちが先行してしまいました。

劣勢の中でも、自分達の基盤は崩さずに改善出来ると良かったですね。

組み直しの前のコミュニケーションの部分でも、判定に不服な雰囲気や自分達のScrumに余裕が無い様子が伝わってきます。

対する早稲田大学は自分達の形を崩さずにセットアップ出来ており、余裕が見られます。

組み直しで顔を上げた際も、HO 佐藤選手は終始笑顔でした。

今回に限らず、静岡BR 日野選手のように毎回のScrumを楽しみながら組んでいましたね。

その映像からも自分達のScrumに自信を持って臨んでいる事が伺えます。

ポイントをズラしての2本目は、ヒットで優位に立った早稲田大学が3番亀山選手を主導に前に出て、イリーガルホイールの反則を獲得しました。

セットアップはお互い低くセット出来ていました。

ただ、ヒットのタイミングで明治大学側がフロントロー→バック4→No.8の順番で動いているのに対して、早稲田大学は8人が固まった状態でヒットしています。

1st Scrumと比べるとバタつきは少ないですが、やはり明治大学側のバック5がバインド後に足の位置を動かしています。

外から見ていると、些細な事のように感じるかも知れません。

ですが、Scrumは1センチのズレが1mの勝敗を左右します。

今回微動だにしなかった早稲田大学が優勢だったのも、自分達のScrum・間合いを8人が理解した上で最適な位置に足を置けているからです。

良い位置に足を置いてヒットする、その上で前に出られる余地が生まれたら姿勢を立て直すために足を詰める。

Scrumを突き詰めたらこれほど単純な話になります。

それを早稲田大学は体現しようとしています。

組み合った後、フロントローが扇の形に分裂してしまいましたが、全員相手よりも下の位置を確保できています。

そのため、下から上に突き上げるような形で圧力を掛けて前に出られる余裕がありました。

1番杉本選手・HO佐藤選手が3番亀山選手に寄る形で前に出る事で、自分達が正対した状態を保っています。

3番主導、管理人が好みな押し方です。

とても綺麗な形で押し切れたScrumでした。

終わりに

本日は、関東大学ラグビー春季大会 明治大学vs早稲田大学の試合を解説しました。

ようやく Scrum Love Clubの大学ラグビーが開幕しました。

今季は関東、関西の面白そうな試合を中心に更新していきます。

読者の皆さんがScrumをもっと理解して、ラグビー観戦がもっと楽しくなるように発信していきます。

また良かったら拡散をお願いします。

本日もご覧頂きありがとうございました。

また次の記事でお会いしましょう。

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