京都産業大学 vs 天理大学

大学ラグビー
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天理大学陣10m-22m、京都産業大学ボールのScrumです。

2本組み直しの末、3本目に天理大学がアーリーエンゲージの反則を取られました。

1本目から天理大学が極端に間合いを詰めてセットしており、京都産業大学の重さに対して対策をしています。

自分達よりも重たい相手と組む場合、間合いが遠いとヒットするまで距離が出来るため、ヒットした瞬間の圧力が高くなります。

その瞬間耐えられたら良いのですが、耐え切れない場合は、ヒットの勢いそのままに持って行かれる可能性が高いです。

30kg近く差があるため、天理大学の対策としては凄く良いです。

ヒットスピードも良く、良い感触でした。

ただ、ヒット後は京都産業大学が優勢でした。

先程お伝えした通り、全体の対策はバッチリでした。

個々で見ると、天理大学 1番岡田選手103kgに対して、京都産業大学 3番川口選手が129kgと26kgの差があります。

そこにロック・フランカーの差が加わるため、分解して考えると、少し差が大きかった印象です。

そのため、1本目は天理大学の良いヒットの後、京都産業大学3番側が一歩前に出る形にりました。

それに引っ張られる形で、天理大学のScrumが内側に流れたため、組み直しです。

組み直し2本目は、良いヒットで天理大学が前に出るも、Scrumが安定せずに崩れています。

天理大学 3番松野選手がコンパクトにセットした上に間合いも詰めてくるため、京都産業大学 1番曽根選手としてはやり辛かったのかなと考えます。

逆に、今度は京都産業大学が1番側に引っ張られる形で内側に流れています。

ただ、天理大学も良いヒットで前に出る際に、少し外側に足が流れています。

そのため、前への推進力が小さくなります。

そして、セットアップの段階で半歩後ろにいた1番 岡田選手側が全体についていけず、崩されました。

組み直し3本目は、2本目同様に天理大学が良いヒットしています。

ただ、2本目以上にScrum全体が外側へ流れてしまい、3番松野選手がアーリーエンゲージの反則を取られました。

天理大学は、バインド時でも圧力を掛けられており、良い形で組み合えていました。

対して京都産業大学もヒットこそ受けましたが、組み合った後はバック5がコンパクトに纏まってフロントローを押しています。

フロントローの勝負で見れば天理大学優勢でした。

2nd Effortで京都産業大学が勝っていたため、押し切れずに自分達の形が崩れてしまったのかなと考えます。

1st Scrumからこれだけ書けるぐらい、内容の濃いScrumでした。

ハーフライン付近、天理大学ボールのScrumです。

これぞ、京都産業大学だと思わせるぐらい素晴らしいScrumでした。

組み合った後、10m押しながらT.Oしてペナルティを獲得しました。

春はScrumで圧倒していましたが、秋は上手く噛み合わないシーンが多かった印象です。

それが、最終節にしてようやく噛み合ったのかなと感じました。

バック5は全員真っ直ぐ前を向いており、この形が1番しっくりきます。

組み合った後の伸びも凄く良く、無理やり感がありません。

これが毎Scrumで出来ると、より試合展開が有利に進められたのかなと感じました。

対して天理大学は、京都産業大学の重さに対して低さで対抗しようと意識していた点は良かったです。

ただ、No.8の動きを見ても分かる通り、ヒットの段階で押される事が分かるぐらい圧倒されています。

セットアップの低さに拘る、前半のScrumと比べて物凄く窮屈で違和感を覚える体勢でした。

画面手前側、1番 岡田選手の足の位置を見ても膝の位置が足の位置よりも内側にある事が分かります。

その上、膝の角度が鋭角である事からお尻が後ろにあり、重心が自チーム側に残っている事が分かります。

物凄く良い低さでセット出来ており、その点は素晴らしいです。

この低さで組める選手は殆どおらず、更に磨きをかけて欲しいですね。

ただ、自身の低さに拘るあまり、Scrum全体を考える点が抜けています。

一見、低さがある天理大学優勢に見えますが、その体勢から前に出れないと、今回の京都産業大学のように押し切られる形となります。

岡田選手は、あの低さでセットしても前に出られる足の位置・膝の角度を研究して欲しいです。

3番側としては、あの低さで組んでくる相手に対抗しようとすると、必ずセットアップが崩れます。

それぐらい良い姿勢なので、良い塩梅を見つけて欲しいです。

組み合った後に余力があった京都産業大学とセットアップで最大限余力を使い果たした天理大学の明暗が分かれるScrumでした。

引き続きScrum Love Clubでは、読者の皆さんがScrumをもっと理解して、ラグビー観戦がもっと楽しくなるように発信していきます。

また良かったら拡散をお願いします。

本日もご覧頂きありがとうございました。

また次の記事でお会いしましょう。

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