本日のテーマ
本日は、2024年度 関西大学春季トーナメント大会5位/6位決定戦 立命館大学 vs 関西大学の試合を解説していきます。
先制点を関西大学が取るも、前半の後半から立命館大学ペースで試合が進みました。
関西大学は途中シンビンで1人欠く状況もあったため、苦しい試合展開でしたね。
コンタクトの部分は互角でした。
大学時代お世話になった佐藤さんが監督されているので、秋の飛躍に期待しています。
それでは、試合結果・1st Scrum・Best Scrumを見ていきましょう。
試合結果
立命館大学 33-13 関西大学
立命館大学 309kg / 810kg
関西大学 310kg / 800kg
1st Scrum 0:50~
気になる1st Scrumは0:50~です。
関西大学陣22m内、関西大学ボールのScrumです。
1本目はお互いの間合いが合わず組み直しとなりました。
とりあえず物凄く間合いが遠かったです。
立命館大学はレフリーが示した位置に合わせず、自分達が置きたい場所に足を置いています。
関西大学は最初合わせたのですが、その後後ろに1歩下げています。
流石にこの間合いでは組めないですね。
両チーム特徴あるセットアップをしており、物凄くワクワクしてたので悲しかったです。
2本目は組み合った後に崩れましたが、 Scrumからボールが外に出ていたため、特段反則なくボールアウトとなりました。
セットアップから見ていきましょう。
立命館大学はJAPANのようなセットアップでした。
HOがセットした位置に、PRが両足を揃えてセットしています。
その後、HOがPRをバインドしてから足を後ろに下げて姿勢を整えています。
このセットアップだと、フロントローの胸のラインが一直線に揃うため、点ではなく面で相手に圧力を掛ける事が出来ます。
いかにFW8人が密着してまとまりあるScrumを形成出来るかが鍵です。
だから、フロントローの胸のラインが揃っていると圧力を掛けやすいです。
ロック陣は組み合ってから両膝を地面に付けた状態で頭を入れています。
ここら辺はオーソドックスな形であり、5番の肩が上にある事から3番を主軸に Scrumをコントロールしたい事が分かります。
6番側のみ角度をつけてセットしている事も3番側に圧力を寄せたい裏付けと言えます。
立命館大学のセットアップについて、外側ではなく軸足(内側の足)を動かしている点にまだ疑問点が残ります。
軸足は Scrumの根幹を成す部分であり、そこがブレると Scrum全体が弱くなります。
ただ、外側の足を動かさないからこそ、体全体が外側に流れにくくなります。
フロントローの胸のラインが揃っていて、セットアップの段階で外に割れないなら理論上素晴らしい Scrumが形成できます。
JAPANを見て同じようなセットアップをするチームが増えてくるのかなと感じました。
対する関西大学は、セットする段階からフロントローが低くセットしています。
低くコンパクトにまとまる事で、体重で劣る相手に対しても勝負出来るようになります。
こちらもロック陣は組み合ってから両膝を地面に付けた状態で頭を入れています。
フロントローが低くセットしているため、その位置に合わせてロック陣も通常より低い位置から頭を入れています。
特徴的だったのは、6番の付く角度です。
通常の扇型より鈍角になるようにセットしており、密着度に拘りたい事が伺えます。
関東だと帝京大学が同様のセットアップを取り入れており、イレギュラーな形だなと感じています。
メリットが密着度を高められるだとすれば、デメリットは前への推進力が薄れる事です。
グラウンドに対して垂直方向から押す方向がズレればズレるほど、同じ距離前へ進む労力が増えます。
そこを踏まえた上で取り入れているはずです。
ただ、立命館大学のセットアップを見る限り、3番主導で前に出てくる形なので、とても相性が悪いです。
今回も組み合ってからヒットで関西大学が少し受ける形となっています。
既にボールアウトしていたため、反則なく終わりましたが、もしボールが残っていたらコラプシングの反則を取られた可能性が高いです。
組み合った後、立命館大学から見て↗️方向に Scrum全体が動いており、思惑通りに事が進んだのかなと感じました。
Best Scrum 66:13~
気になるBest Scrumは66:13~です。
関西大学陣ゴール前5m、関西大学ボールの Scrumです。
関西大学が15点差を追う展開、時間的にこれ以上点差を広げられると厳しい場面でした。
組み合った後、ヒットで優勢だった立命館大学が更に圧力を掛けたため、関西大学がイリーガルホイールの反則を取られました。
ヒットで受けていた事、そしてその後の圧力に耐えきれなくなって後ろに下がってしまった事が要因です。
セットアップは1st Scrum同様でした。
関西大学はフロントロー全員、立命館大学は1番宮内選手が16番完山選手に交代したのみです。
その前にシンビンでFWの選手を欠いている状況でした。
印象的だったのは、HOの位置に入っていた8番中川選手です。
綺麗にセットアップ出来ていたことは勿論のこと、組み合った後の押し方やコントロールのやり方がとても上手でした。
今回の場合、本来なら3番が主導で出るところ、1番側が先行して前に出ています。
ポイントの位置も良かったのですが、1番側が前に出た事を感じて、3番主導から1番主導に切り替えています。
中川選手自身は、相手3番に対して圧力を集めて下から上に突き上げる形で押しに掛かりました。
組み合った後、低くなれる点も含めて非常に良い押しでした。
早稲田大学HO佐藤選手がコンバートして代表入りを掴んだように、LeagueOne入りを目指してコンバートする選手が今後増えてくるはずです。
コンバートすれば必ず試合に出られる訳ではありませんが、チャレンジする価値はあります。
コーチとしては、コンバートした選手が速やかにコンバート先で活躍出来るようにサポートしたいですね。
ちなみに、管理人はラグビーを始めてからPR一筋です。
終わりに
本日は、2024年度 関西大学春季トーナメント大会5位/6位決定戦 立命館大学 vs 関西大学の試合を解説しました。
大学生からも複数選出されており、大学ラグビーのレベルの高さを伺えます。
管理人としては、読者の皆さんがScrumをもっと理解して、ラグビー観戦がもっと楽しくなるように発信していきます。
また良かったら拡散をお願いします。
本日もご覧頂きありがとうございました。
また次の記事でお会いしましょう。
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