スコア | フロントロー | FW8人 | |
早稲田大学 | 27 | 330kg | 806kg |
明治大学 | 24 | 320kg | 824kg |
1st Scrum 09:16~
早稲田大学陣22m付近、早稲田大学ボールのScrumです。
1本目は間合いが合わず組み直しです。
伝統ある一戦のため、選手達の気持ちの昂りがお互いの距離を詰めました。
両チーム共に、クラウチの段階から両フランカーが膝を浮かせるセットアップでした。
重さで勝る明治大学は、ヒットの勢いそのままに押し切りたい。
対して早稲田大学は、バインド勝負で先手を取って、安定しながら前に出たい。
そんな思惑が感じられました。
バック5も含めた上下の動きは明治大学の方が大きく、Scrumに対する焦りが見られます。
アーリーエンゲージこそ取られなかったものの、明らかに自立せずに前へ体重を掛けているため、気持ちの昂りより不安が大きかったかもしれません。
対して早稲田大学のフロントローは、落ち着いた表情でScrumに向き合えています。
HO佐藤選手に至っては終始笑顔で組んでいました。
2本目は組み合えたものの、安定せずに崩れました。
早稲田大学のセットアップは、フロントローの間が狭いため、密度が濃いScrumを組めます。
明治大学の選手それぞれの頭と被るような位置に頭を置いており、映像見てて凄く組み辛い相手だなと感じてました。
セットスピード、セットする位置で先手を取れているため、余裕を持ってScrumを組めていました。
対して明治大学は、帝京大学戦も気になっていましたが、3番倉島選手の肩がHO 西野選手の脇に埋まっており、立ち位置が半歩後ろになっています。
わざとやっているのか、気付かずにやっているのか分かりませんが、意図的にしているとしたら何を目的にしているのか聞いてみたい所です。
ヒットする瞬間もフロントローのお尻が後ろに下がり、頭が下向きに下がっているため、非常に危険な状態です。
早稲田大学の低さに対抗しようと、低くなってからヒットしたいのですが、上半身だけが先行して下がっています。
逆側の映像が無いので何とも言えませんが、全体で見ると早稲田大学が優勢でした。
ようやく3本目で安定したScrumが組めました。
仕切り直しもあって明治大学にも少し余裕が出てきています。
バインドで先手を取って上手く体重を乗せられており、全体的に早稲田大学が後ろに下がっています。
ただ、間合いが広くなった影響で明治大学の膝が少し鈍角に伸び切っています。
早稲田大学は、バインドで圧力を受けつつも、姿勢全体が崩れる事なくセットしているため、ヒットで前に出てきました。
組み合ってから左右に傾きましたが、基本安定したプラットフォームを作れています。
Best Scrum 32:18~
明治大学陣ゴール前5m、明治大学ボールのScrumです。
組み合った後、早稲田大学が3番亀山選手を主導に圧力を掛けました。
T.Oとはなりませんでしたが、良い形で前に出れています。
セットアップは両チーム変わらず、1st Scrumと比べて間合いが2歩程遠く感じました。
早稲田大学が意図的に間合いを広く取っており、明治大学側のアーリーエンゲージを誘っている印象を受けました。
明治大学も距離をとってヒットをしたい思惑があり、間合いが遠くなりました。
ただ、クラウチの段階では物凄くスロットが狭く、お互いの頭がぶつかる位置にセットしています。
1st Scrumもそうでしたが、早稲田大学が先にセットしており、明治大学は後手に回っています。
自分たちの置きたい位置に頭を置くには、先にセットするしかありません。
首の取り合いは原則禁止されているので、後手に回った側は頭をずらしてセットする事になります。
今回は明治大学1番檜山選手が半歩外側に、3番倉島選手は頭半分内側にセットする事となりました。
この時点で明治大学としては少し厳しい展開が予想されます。
加えて、早稲田大学HO佐藤選手が左肩を返して明治大学3番倉島選手が内側に入って来る事を防いでいます。
これをされると3番が内側に入る余裕が無くなり、外にいくか挟まれた状態で耐えるかしかなくなります。
今回の場合は、外側に行く選択肢が消されているため、必然的に苦しくなります。
明治大学HO西野選手が助けに行こうとしますが、早稲田大学3番亀山選手が外側から圧力を掛けてきています。
ヒットは明治大学優勢、ただセットアップの不利の影響で早稲田大学が盛り返しています。
ヒットした瞬間に、HO西野選手と3番倉島選手が浮かされる形で後ろに下がっています。
前に出る際も、バック5の押しをもらいながら前に出ているため、早稲田大学の姿勢が崩れていません。
特に、7番田中選手の押しが素晴らしいですね。
欲を言えば、ボールインの後も同様に低くなって押し切りたかったですね。
バック5が浮いてしまうと、フロントローが圧倒的に勝っていてもT.O出来ません。
ヒットで勝った上でT.Oしたいなら、さらにバック5の押しが重要になります。
明治大学がよく耐え切ったとも言えますし、早稲田大学が仕留めきれなかったとも言えるスクラムでした。
2週間でどこまで成長出来たのか、大学選手権が楽しみです。
引き続きScrum Love Clubでは、読者の皆さんがScrumをもっと理解して、ラグビー観戦がもっと楽しくなるように発信していきます。
また良かったら拡散をお願いします。
本日もご覧頂きありがとうございました。
また次の記事でお会いしましょう。
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