本日のテーマ
本日は、第60回全国大学ラグビーフットボール選手権大会 準々決勝 天理大学vs東海大学の試合を解説していきます。
天理大学、正月超えおめでとうございます。
ホームアドバンテージがあったとはいえ、関東リーグ戦王者の東海大学に対して、関西の強さを見せられたのかなと考えてます。
いよいよ対抗戦王者帝京大学です。
ここを勝ち切って、そして京都産業大学も明治大学を下して関西同士の決勝戦が見たいところです。
それでは、試合結果・1st Scrum・Best Scrumを見ていきましょう。
試合結果
天理大学 34vs14 東海大学
天理大学 801kg / 東海大学 790kg
1st Scrum 01:09~
気になる1st Scrumは01:09~です。
東海大学陣10m-22m、東海大学ボールのScrumです。
天理大学は、松野選手やヴァカタ選手が戻り、平均体重が100kgを超えてきましたね。
対する東海大学はリーグ戦王者としてのプライドを見せつけたい場面です。
リーグ戦からScrumに定評がある天理大学は、この試合も良いセットアップをしていましたね。
帝京大学や明治大学と比べると、体格で劣るかも知れませんが、その小ささを活かしたセットアップになっています。
対する東海大学も8人が綺麗な姿勢を保っており、非常に綺麗でしたね。
セットした際に、HOが右に半歩ズラしている事を考えると、天理大学の組み方を研究してきたのかなと思われます。
どちらかと言えば、天理大学は内側にズラして圧力を掛けてくるため、半歩右側にズラす事で自チームが真っ直ぐ組める体勢を整えていました。
1本目はバインドの際に間合いが合わず組み直しとなりました。
お互いがバインドをするタイミングと足を下げるタイミングが噛み合わず、力が掛かっていない状態で足を下げたため、コールの前に組み合ってしまいました。
レフリーからは東海大学3番側が前にかかっていると指摘が入っています。
確かに映像を見返しても、東海大学3番側の自立が無くなり、前に掛かっている印象です。
対する天理大学1番側も非常に窮屈な体勢になっていたため、あのまま組み合うと少し危険かなと考えてます。
LeagueOne前節の試合でも東京SGの石原選手が首を痛めるなど、Scrumの怪我は非常に多いです。
Scrum指導者として、選手が安全に組めるよう指導していきます。
2本目も両チーム綺麗なセットアップでしたね。
リーグ戦の時と比べて、天理大学は少しセットアップを変えてきた印象です。
リーグ戦の時は真っ直ぐだったのに対して、この試合では少し扇の形を取り入れています。
フロントローによって組み方を変えているかも知れないので、要研究です。
ヒットは天理大学が優勢でした。
相変わらずバック5の伸びと足の詰め方は素晴らしいですね。
とても参考になります。
ヒットする前に少し膝を溜めて低くなる事で、より前に出やすくなります。
映像を見て頂いたら分かるのですが、コールの前に少しだけ低くなる事が出来ています。
バインド後に低くなるのは、そう簡単じゃ無いので、相当鍛錬を積んできたのかなと考えています。
組み合った後は少し天理大学がプレッシャーを掛けて、ボールアウトとなりました。
Best Scrum 18:00〜
気になるBest Scrumは18:00〜です。
東海大学陣22m付近、天理大学ボールのScrumです。
1st Scrumと同じような位置、今度は天理大学がScrumでプレッシャーを掛けて反則を獲得しました。
このScrum見てて、思わず綺麗だなと言ってしまいました。
そのぐらい天理大学のセットアップがコンパクトで揃っていました。
セットアップは相手関係なく、自分達でコントロールが出来ます。
いつも同じセットアップが出来ると、自分達の理想とするScrumが組める回数が増えます。
相手要因もあるので必ずとは言えませんが、逆にセットアップが崩れると必ずScrumで負けます。
そのぐらいセットアップはScrumを組む上で重要になります。
本ブログでも、セットアップに触れているのは、この部分にもこだわりが見える事をお伝えするためです。
試合を見る際の参考にして頂けると幸いです。
ヒットもやや天理大学が優勢でした。
1st Scrumと比べて、天理大学1番側が良いポジションを取れていたため、組みやすかったのかなと考えてます。
組み合った後、東海大学が内側に入ろうとしたところを天理大学が見逃さず、1番側主導で押し切る形となりました。
HOに寄りつつ、前に出られたため、天理大学が押し切る事が出来ました。
お尻が外側に割れた状態で、アングル気味に押そうとするとHOの間を割られて、逆に天理大学が反則を取られていたかも知れません。
ほんの僅かな差ですが、この隙間を埋められるかどうかで結果が大きく変わります。
多くの1番の参考になるScrumでした。
今回注目したいのは、天理大学1番側宮田選手です。
開始早々先発の選手が怪我したため、宮田選手が1番側に入り、後半は3番側でScrumを組んでいました。
天理大学S&Cコーチの中村さんのツイートに凄さが表れています。
1番と3番をスイッチして組める事自体凄いことで、試合中にスイッチ出来る選手は物凄く貴重です。
管理人が知ってる中だとS東京ベイの北川選手と東京SGの小林選手ぐらいしか居ません。
LeagueOneのチームから声が掛かっているか分かりませんが、是非注目してほしいですね。
管理人は今後も追っかける予定です。
終わりに
本日は、第60回全国大学ラグビーフットボール選手権大会 準々決勝 天理大学vs東海大学の試合を解説しました。
天理大学、京都産業大学が勝利し、7大会ぶりに関西勢が準決勝に残る結果となりました。
相手は対抗戦1・2位の帝京大学と明治大学です。
アウェイでの戦いになりますが、チーム関西としてしっかりと勝ち切って欲しいですね。
良い試合を期待しています。
Scrumをもっと理解して、ラグビー観戦がもっと楽しくなるように発信していきます。
本日もご覧頂きありがとうございました。
また次の記事でお会いしましょう。
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