早稲田大学 vs 法政大学

大学ラグビー
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本日のテーマ

本日は、関東大学ラグビー春季大会 早稲田大学 vs 法政大学の試合を解説していきます。

早稲田大学の良さが爆発した試合展開でしたね。

法政大学も後半巻き返しを図りましたが、前半のスコアが響き厳しい試合結果となりました。

Scrumを修正すれば、より良い試合が出来ます。

秋までに改善して欲しいですね。

それでは、試合結果・1st Scrum・Best Scrumを見ていきましょう。

試合結果

早稲田大学 52-14 法政大学

早稲田大学 307kg / 789kg

法政大学 311kg / 791kg

1st Scrum 0:23~

気になる1st Scrumは0:23~です。

法政大学陣10m-22m、早稲田大学ボールのScrumです。

1本目は組み合った後安定せずに、Scrumが動いてしまったため組み直しとなりました。

法政大学良いヒットでしたね。

スロットをズラされている点はさておき(組み合った段階で1番守安選手の身体が半分以上外側にあります)、0距離からヒットをして前に出る事が出来ています。

No.8細川選手から伝わる圧力が、フロントローまで真っ直ぐ届いており、綺麗な姿勢を保っている事が分かります。

欲を言えば、セットアップの段階でもっとセンターラインに近い状態で組みたかったですね。

今回はセンターラインから半歩後ろにScrum全体が位置しています。

後ろに対する圧力を受けている結果であり、その影響でHO 花澤選手の右足が抜けず、ヒットした後に下げる形となっています。

まとまりあるヒットが出来たのに、跳ね返ってきたのはここに原因があります。

少し勿体無かったですね。

対する早稲田大学はヒットのタイミングがフロントローとバック5でズレており、ヒットで少し受ける形となりました。

膝の伸び具合を見ても、法政大学の半分以下しか伸びる事が出来ていません。

前の試合とメンバーが大きく変わった状況、精度高くScrumを組みたかったですね。

こちらも少し勿体無かった、陣地を考えるとトライチャンスに繋がる場面でした。

Scrumは8人で組み合うものであり、どこかでズレが生じると全体に影響します。

バック5がヒットしてからは真っ直ぐ前に圧力を掛けられています。

最初のヒットから良い圧力を掛けられていたら、さらに有利にScrumを進められました。

余談ですが、早稲田大学3番新井選手の足首物凄く柔らかいですね。

8本のポイント全てを使って地面を捉えられており、前に出る推進力が生まれやすくなります。

低さの面でも、姿勢を崩す事なく身体全体を低くなる事が出来るため、非常に有利に働きます。

力と力のぶつかり合いがScrumの特徴ですが、股関節や足首の柔軟性はとても重要な要素になります。

管理人がコーチする際は、Scrumの練習前にアップも兼ねて足首と股関節のストレッチを入れています。

2本目は、ヒットで早稲田大学が優勢でした。

1本目で出た修正点をすぐに改善してくるあたりは、流石強豪校だなという印象です。

バック5の姿勢もヒット出来る体勢に変わっています。

前に出る際も姿勢を崩す事なく、後ろの押しを貰いながら進む事が出来ています。

欲を言えば、前に出た際に相手1番とHOの間を割れているため、右腕を頭より前の位置で地面に対して並行に絞りたかったですね。

今回は、肘が頭より後ろにあり、遊んでいる状態になっています。

そのため、完全に相手の体勢を崩しきれておらず、盛り返す形で圧力を受けています。

スロットをズラせているお陰でまともに圧力を受ける事なく反則を貰えましたが、半歩内側にズレていたらカウンターを喰らっています。

帝京大学に対してどこまで圧力を掛けられるか楽しみです。

対する法政大学は1本目と比べて、バインドの段階で圧力を受けた印象です。

1番守安選手が外側に弾かれながら後ろに対する圧力を受けており、4番山内選手とNo.8細川選手が大きく身体を動かして調整をしています。

上半身の高さは同じですが、膝の位置が握り拳3つ分ほど違いますし、姿勢も崩れています。

1本目同様に組み合った段階で、身体が半分以上外側にあり、まともに組み合えていない事が分かります。

ただ、組み負けた後の対応を見ていると素質は素晴らしい選手だなと感じています。

まだ若い選手なので、これからの成長が楽しみです。

Best Scrum 30:22~

気になるBest Scrumは30:22~です。

早稲田大学陣10m-22m、早稲田大学ボールのScrumです。

Best Scrum自体は31:11〜なのですが、どのようにすれば反則を貰えるか分かりやすかったので、2個のScrumについて解説します。

両Scrumともに早稲田大学が優勢でした。

ただ、1本目は反則無し・2本目は反則を獲得する結果となりました。

1本目30:22〜から解説します。

バインドの際、早稲田大学3番新井選手と法政大学1番守安選手の両方が外側の足を内側に半歩畳んでセットしています。

法政大学は、1st Scrumでスロットをズラされたため、しっかりと修正してきましたね。

試合の中で同じ反則を取られないように修正する力が素晴らしいです。

また、バック5の膝の高さも地面から数センチであり、非常に低いと言えます。

欲を言えば、No.8細川選手が両ロックを押せる位置にセットしたかったですね。

今回の場合だと、右肩5番側しかついておらず、4番側に対する圧力が薄れています。

そのため、組み合った後、早稲田大学3番主導で前に出られる結果となりました。

早稲田大学はセットアップからヒットまで良い形で前に進める事が出来ています。

ただ、ボール投入後に前へ出る際に、最初から右足を1歩以上内側に畳みながら前に出ています。

その影響で、身体の向きが内側に傾いてしまい、前に対する推進力が薄れています。

3番側から内側に対する圧力を受けたHO安恒選手も同様に身体が内側を向いており、法政大学HO花澤選手に真っ直ぐ圧力を受けています。

相手の体勢を完全に崩しきれていない状況で、内側に無理やり圧力を掛けた結果、反則を取れませんでした。

対して2本目31:11〜では、ヒットで前に出ながら法政大学1番・HOの間に入る事が出来ています。

違いは、ボール投入後に半歩前に出てから内側に1歩踏み出しています。

そうする事で、相手を後ろに下げてから左右に圧力を掛ける事が出来ます。

単純に下がるだけなら姿勢を保てますが、後ろに下がりながら左右に動く事は難しいです。

そのため、体勢を立て直す前に押し切られる結果となりました。

内側に入り込むScrumを導入しているチームは多いですが、良くあるのが1本目のパターンです。

並の相手なら通用しますが、少しレベルが上がると簡単に押し切られてしまいます。

まずは縦に押す、その後どの方向に押すかを考えるのが良いです。

順番を間違えると、自分達は押した気分なのに反則を貰えずフラストレーションが溜まります。

2本目の早稲田大学の組み方、足の動かし方を参考にして、綺麗やScrumを構築して欲しいですね。

終わりに

本日は、関東大学ラグビー春季大会 早稲田大学 vs 法政大学の試合を解説しました。

1週間遅れての更新でお待たせしすぎたかもしれません。

今季は関東、関西の面白そうな試合を中心に更新していきます。

私事で恐縮なのですが、5月より関東のある大学でオンラインScrumコーチをしています。

それと並行しながら、ScrumReviewを更新しています。

今までより更に更新頻度が遅れるかも知れませんが、気長に待って頂けると嬉しいです。

皆さんがScrumをもっと理解して、ラグビー観戦がもっと楽しくなるように発信していきます。

また良かったら拡散をお願いします。

本日もご覧頂きありがとうございました。

また次の記事でお会いしましょう。

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