本日のテーマ
本日は、アサヒスーパードライ Pacific Nations Cup 2024決勝 Japan vs Fijiの試合を解説していきます。
前半を同点で折り返し、良い形で戦えてましたが後半に足が止まりましたね。
Scrumに関しては、Fijiが良かった部分とJapanが良かった部分と半分ぐらいです。
PNCを通して初キャップを獲得した選手も多く、選手層を厚くする目的は達成出来たのかなと考えてます。
次のテストマッチまで1ヶ月空くので、コンディションを高めてAll Blacks に臨んで欲しいです。
それでは、試合結果・1st Scrum・Best Scrumを見ていきましょう。
試合結果
Japan 17-49 Fiji
Japan 331kg / 905kg
Fiji 365kg / 901kg
1st Scrum 03:55~
気になる1st Scrumは03:55~です。
Fiji陣ゴール前5m、FijiボールのScrumです。
両チーム無得点で迎えた状況、Scrumで押し切れたらトライチャンスが作れる場面でした。
組み合った後、殆どScrumが動かずボールアウトとなりました。
ここ数年のFijiはBKの展開力に加えて、セットプレーが非常に安定しています。
そのFijiと互角に渡り合えている点は、評価して欲しいなと考えてます。
セットアップから見ていきましょう。
Japanは、フランカーを含めてバック5全員が真っ直ぐセットしています。
段々畑のように、フロントロー・ロック・No.8がセットしており、低さで勝負しようとしている事が分かります。
これが出来ると、ヒットした際に身体が浮いて肩が外れる心配が少なくなります。
海外だとあまり見られないので、Japan特有のセットアップです。
フランカーはクラウチの段階から膝を浮かしていました。
総体重で見るとJapanが4kg優勢なものの、タイト5に限定すると32kg(1人△5.2kg)の不利差異が発生しています。
そのため、Fijiがバインドで重さを乗せてきた時に耐えられるように、膝を浮かしていたのかなと考えてます。
また、ロック陣も膝を少し鈍角にしてセットしていました。
バインドで掛けられた際に、膝で重さを吸収出来るようにしています。
何試合かJapanのセットアップを見ていますが、まだどういったScrumを組みたいのかハッキリ見えていません。
引き続き研究していきます。
対するFijiは、1番側のフランカーが角度をつけてセットしていました。
America戦の時は両フランカー共に真っ直ぐセットしていましたが、少し変えてきました。
Japanのフロントローの密着度が物凄く高いため、そこに対抗する目的だと考えられます。
ただ、真っ直ぐの方がAmerica戦の時のように前への推進力が生まれるのかなと感じました。
また、1番エロニ・マウィ選手の方が、3番サミュエラ・タワケ選手より重たい面白い組み合わせでした。
クラウチで沈んだ段階で、3番サミュエラ・タワケ選手が少し内側へ流れましたね。
Japan 1番三浦選手は、真っ直ぐセット出来ているため、良い位置を保てました。
バインドはほぼ互角でした。
映像を見てる限りだと、少しJapanが伸び切った印象です。
Fijiの重さに対して、対抗しようとした結果だと考えています。
ヒットはJapanが優勢でした。
伸び切った状態からでも、高い精度でヒット出来ており、レベルの高さを感じます。
特に、HO 原田選手が組み合った後に一段と低く膝を沈めており、相手の懐に入る事が出来ています。
組み合った後は殆ど動きませんでした。
Fijiはゴール前で安定したScrumを組みたかった、Japanは組み合った後に膝を詰め切れるほど余裕が無かったから動きませんでした。
ゴール前で少しでも圧力を掛けられたら、その後のDFが優位に働いたかなと感じられる場面でした。
それでも、1st ScrumはJapanが少し優勢で進められており、試合展開に良い影響を与えました。
Best Scrum 60:55~
気になるBest Scrumは60:55~です。
Fiji陣10m-22m、FijiボールのScrumです。
1st Scrumと同様、組み合った後Scrumが殆ど動かずボールアウトとなりました。
1st Scrumと違ったのは、Japanが押し切れそうな予兆が見られた点です。
セットアップから見ていきましょう。
Japanは、1st Scrumと違い1番側のフランカーが角度を付けてセットしています。
両PRが交代しており、三浦選手と岡部選手でバインドの際の足の動かし方が違うため、セットアップを変えたと考えています。
動かす幅が変われば、左足が外側へ流れる可能性も変わります。
また、3番 為房選手は自由度高く組んでいるため、そちらに圧力を寄せながら前に出たい思惑が伺えます。
対するFijiは、バック5全員がクラウチの段階で膝を浮かしていました。
バインドで掛けられている様子は無かったですが、何か感じるものがあったのかもしれません。
バインドは少しJapanが優勢でした。
特に、3番 為房選手の張り方が上手で、Fiji 1番側の左足が外に流れています。
Fijiのフランカーが付く位置も1番に対して頭1個分内側だったため、外側に流れやすくなっています。
対してJapanは、殆ど動かずに組み合えています。
細かい部分の精度はJapanの方が上手でした。
ヒットはほぼ互角でした。
組み合った後、Fiji 1番とHOの間にJapan 3番為房選手が入り込めています。
この位置で耐えながら前に出られると、Scrumを内部から崩せるため優位です。
反対側の映像が無いため推測になりますが、1番 岡部選手側も問題なく組み合えています。
LeagueOneでも外側に割れずに組み合えるシーンが多かったので、非常に期待していました。
五分以上で組み合えている状況だったので、もしマイボールScrumならペナライズ出来たかなと感じました。
今回は、相手ボールScrumであり、押し切れるような状況では無かったため、そのままボールアウトとなりました。
終わりに
本日は、アサヒスーパードライ Pacific Nations Cup 2024決勝 Japan vs Fijiの試合を解説しました。
若い選手がテストマッチの雰囲気を味わえた事は良かったです。
だからこそ、勝って反省出来る試合にしたかったですね。
1人のラグビーファンとして応援しています。
Scrum Love Clubでは引き続き、JAPANの 超速ラグビーの要となるScrum研究に邁進していきます。
管理人としては、読者の皆さんがScrumをもっと理解して、ラグビー観戦がもっと楽しくなるように発信していきます。
また良かったら拡散をお願いします。
本日もご覧頂きありがとうございました。
また次の記事でお会いしましょう。
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