本日のテーマ
本日は、第60回全国大学ラグビーフットボール選手権大会 準決勝 京都産業大学vs明治大学の試合を解説していきます。
関西が誇る最強Scrumと関東の重戦車軍団との一戦でした。
夏合宿の練習試合で天理大学が明治大学を押している姿を見て
『京都産業大学ならどこまで圧倒出来るか』
そんな事を考えていた管理人の妄想が実現しました。
結果はどうだったでしょうか。
それでは、試合結果・1st Scrum・Best Scrumを見ていきましょう。
試合結果
明治大学 52vs30 京都産業大学
FW体重 京都産業大学 850kg / 明治大学 820kg
1st Scrum 1:53~
気になる1st Scrumは1:53~です。
京都産業大学陣22m、明治大学ボールのScrumです。
1本目は、間合いが合わず組み直しとなりました。
関東の大学では、オーバーハンドで組むチームが居ないため、明治大学との間合いが噛み合わず、崩れてしまったと考えられます。
準決勝に相応しい綺麗なセットアップでしたね。
セットアップの早さは京都産業大学に軍配が上がりましたが、明治大学も8人が良い姿勢を保っており、Scrumに拘りを持ったチームである事が分かりました。
ヒットは、少し明治大学が優勢だったかなと感じています。
その理由として、京都産業大学3番側が足を下げるタイミングと明治大学1番側が圧力を掛けるタイミングが重なった影響が考えられます。
京都産業大学のScrumは、3番側が前に出て相手1番を外側に崩す事で、2対3の状況を作り、左右どちらの方向にも押せる事が特徴です。
今回は、セットした位置から動かず外側に弾けたものの、明治大学1・2番の圧力を受ける形となりました。
対する明治大学としては、ヒットして有利になった状況で全体的に左側へ流れてしまいました。
3番側もヒットで優勢だったため、フロントローが割れずに固まれたら、押せる可能性があったかなと考えます。
2本目はヒットは互角、組み合った後に京都産業大学がプレッシャーを掛けました。
1st Scrumと比べて、京都産業大学3番側の足の下げ幅が小さく、コンパクトなセットアップに修正してきた印象です。
そのため、ヒットでもフラットに組めた様に感じています。
組み合った後は、1st Scrum同様に明治大学が左側へ流れる形となりました。
1番側が外に弾かれた影響で3番側が引っ張られたのか、3番側が外側から圧力を受けて力が内に流れたのかは分かりません。
京都産業大学の組み方を考えると、前者なのかなと考えています。
ただ、京都産業大学側も明治大学1番に懐へ入られた状態でHOとの間を割ろうとしていたため、上手くプレッシャーを掛けられませんでした。
その間を割れると楽に押せるのですが、明治大学もしっかりと対策していました。
このような映像があると、指導する時に便利だなと考えてます。
Best Scrum 55:22~
気になるBest Scrumは55:22~です。
明治大学20点リードの展開、京都産業大学陣22m内、明治大学ボールのScrumです。
前半は京都産業大学のScrumに少し苦戦していた明治大学ですが、このScrumから修正して相手の強みを消していきました。
1本目は間合いが合わず組み直しとなりました。
2本目は組み合った後、Scrumが崩れました。
時間帯や点差を考えた時に、京都産業大学としてはScrumで圧倒した上で反則を獲得し、自陣脱出から逆転を狙いたかった場面でしょう。
理想とは裏腹に、結果は京都産業大学がコラプシングの反則を取られました。
関西リーグから見ていましたが、京都産業大学がここまでScrumで苦戦する試合は殆ど無かったと記憶しています。
今までも厳しい状況を強みであるScrumを基点に打開してきたため、試合を見ていて辛い状況だなと感じました。
それぐらい珍しい光景です。
何故反則を取られたのか、理由を探ります。
クラウチの前に明治大学のフロントローの映像がありました。
映像を見ると、3番の肩をしっかり抜いているのに対して、1番は肩をHOの脇に隠す形でセットしていました。
明治大学の1番とHOの密着度を高めたい・3番が相手1番・HOのプレッシャーを出来るだけ外側に弾きたいという思惑があったからだと推測します。
また、前半は逆サイドだったので分かりにくかったですが、3番側がバインドの段階で右足を内側に半歩分畳んでいました。
その際に動かすのは右足だけで、左足はセットした位置から動かしていません。
そのため、セットした位置から頭の位置をずらす事ができ、よりHOに対して圧力を掛けやすくなります。
管理人も現役時代にやられた事がありますが、物凄く組み辛いんです。
自分は真っ直ぐ組んでいるつもりでも、相手の位置がズレているため、組み合った時に身体が傾きアングル気味になります。
そうする事で、HOとの間が開き、そこを狙われるため、イリーガルホイールかアングルの反則を取られます。
また、明治大学の場合は3番の移動に合わせて、FL・No.8もヒットの前に内側に移動しています。
そのため、位置をズラした後でも、後ろの押しを100%貰う事が出来ました。
バック5の膝の伸びも非常に良かったですね。
殆ど動けなかった京都産業大学に対して、しっかりと伸び切る事が出来ました。
これが毎回出来れば帝京大学に対しても互角に組み合えると考えています。
創部100周年に相応しいScrumを期待しています。
終わりに
本日は、第60回全国大学ラグビーフットボール選手権大会 準決勝 京都産業大学vs明治大学のの試合を解説しました。
また来年以降も自分のペースになりますが、Scrumをもっと理解して、ラグビー観戦がもっと楽しくなるように発信していきます。
引き続きラグビー観戦を楽しんでいきましょう。
本日もご覧頂きありがとうございました。
また次の記事でお会いしましょう。
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