本日のテーマ
本日は、ムロオ関西大学ラグビーAリーグ 第1節 天理大学 vs 摂南大学の試合を解説していきます。
春季トーナメント4位の天理大学と7位摂南大学の1戦でした。
天理大学勝ち切りましたね。
前半立て続けにトライを重ねたものの、中盤から摂南大学のプレッシャーに合い思うように得点が出来ませんでした。
後半に入ると、また点を取れるようになっています。
対して摂南大学も思うようにATする時間を取れず、苦しい試合展開でした。
天理大学に対してロースコアで抑えられた事、試合終盤で得点を取れたATは今後のシーズンに良い影響を与えます。
大学選手権出場に向けた旅が始まりました。
それでは、試合結果・1st Scrum・Best Scrumを見ていきましょう。
試合結果
天理大学 22-7 摂南大学
天理大学 300kg / 808kg
摂南大学 287kg / 775kg
1st Scrum 5:18~
気になる1st Scrumは5:18~です。
天理大学陣10m上、天理大学ボールの Scrumです。
組み合った後、お互いプレッシャーを掛けるも殆ど動かずボールアウトとなりました。
摂南大学は体重で不利な中、しっかりと組み合いましたね。
セットアップから見ていきましょう。
天理大学は、HO 寺西選手から弧を描くように両PRが肩を出しています。
左右に開く時と比べて滑らかな軌道を描けるので、密着度が大きく変わりません。
フロントローの胸のラインが揃っていたので、上手く肩を抜けたのかなと感じてます。
ロック陣が通常よりも前に膝を付けて頭を入れており、タイトなScrumを心掛けていました。
ただ、今回は3番 松野選手が前に突っかかっている印象があり、もう少しだけ角度を緩めても良かったかなと感じてます。
フランカーは1番側のみ角度を付けてセット、3番側は真っ直ぐセットしていました。
クラウチの段階で両フランカーが外に開き、密着度を更に上げています。
左右で角度差があるのは、いつも言ってる通り1番側が外側に流れやすいためです。
個人的には、左右で開き具合が変わるとHOが組み辛いのかなと考えています。
実際中に入らないと分かりませんが、どちらか一方に身体が流れてしまいそうです。
昨年もフロントローの密着度を高めて、勝負していたため、基本的な所は変わらないです。
対して摂南大学は、天理大学がセットしている間にフロントローがバインド出来ています。
フロントロー全員100kgを下回っており、先手を取って自分達が有利なScrumを組みたい意図が伺えます。
あくまで体重は目安ですが、差が大きいと力負けする可能性が高くなります。
また、スロットも出来るだけ狭くして真っ直ぐ組む事を意識しています。
自分達が小さい事を最大限活かすために、取り入れているのかなと感じました。
欲を言えば、フランカーの助けを借りずに自立したセットアップをしたいです。
自立が無い状態で前に体重を掛けるとコントロールが効かなくなり、ヒットで前に出にくくなります。
また、バインドしてからフランカーのセットするため、ヒットまでの時間が短くなります。
立命館大学のように、フロントローが纏まりながらセット出来れば自立しながら低くなれます。
バインドはお互い100%張り切る事なく、力を掛け合っています。
天理大学はクラウチからバインドまで殆ど足を動かさず、コンパクトに組むことを徹底しています。
ただ、3番 松野選手が少し内側に身体が傾いているかなと感じました。
右足を下げる際に、あと半歩↙️の位置に置けたら良かったかなと考えてます。
対して摂南大学は、セットアップの段階から前のめりになっていたため、フロントロー全体が前に動いています。
左右のスロットは調整出来ていたので、間合いの部分も自分達が組みたい様にしたいですね。
また、1番 加覽選手の左腕が頭よりも下がっており、少し危険な状態です。
今回は組み合った後、肘を平行に出来ていましたが、もし崩れた場合、勢いよく地面に落ちるため怪我の危険性が高くなります。
ヒットは互角でした。
摂南大学が真っ直ぐヒットしたのに対して、天理大学は上に伸びて身体が浮き上がっています。
セットアップの段階から身体が傾いていたこともあり、3番 松野選手が外側から煽られる形となりました。
真っ直ぐ組み合えば、良い具合に前へ出られたと思いますが、摂南大学が低く纏まりながら圧力を掛けてきたため、そのままボールアウトとなりました。
Best Scrum 81:27~
気になるBest Scrumは81:27~です。
天理大学陣10m上、天理大学ボールのScrumです。
シンビンで天理大学が1人欠く状況、組み合った後に摂南大学が前に出てScrumが崩れたため、天理大学がコラプシングの反則を取られました。
1st Scrumからずっとプレッシャーを掛けており、最後の最後でようやく成果が出ましたね。
天理大学としては1人欠く状況、普通に考えれば仕方ないですが、南アフリカの様に7人でも安定したScrumを作りたい場面でした。
両チーム共にフロントローが変わっていましたが、天理大学のセットアップは変わりませんでした。
対して摂南大学は、HO 三羽選手が背泳ぎの様に肩を後ろに回して両PRをバインドしています。
殆ど身体を捻らずに腕を後ろに回しており、柔軟性の高さに感銘を受けました。
腕を上げてから後ろに回すことで、肩が前に入らず背中を寄せる事が出来ます。
その上、背中が固まっている事により、腕の位置を固定する事が出来ます。
腕の位置を固定したら、後はPRに寄ってもらってジャージを握るだけで密着度高く組む事が出来ます。
個人的に好きなセットアップです。
欲を言えば、両PRが半歩前にセットしたかったですね。
前後の段差が出来てしまうと、せっかくの密着度が上手く活きません。
フロントローの胸の位置が揃っていれば、より良いScrumが組めます。
1st Scrumと違い、バインド時に摂南大学がしっかりと掛けました。
フランカーにサポートして貰いながら前に掛けるセットアップのため、このぐらい掛けた方が効果的かなと感じてます。
ヒットはほぼ互角でした。
ただ、組み合った後に摂南大学がじわりじわりと前に出てScrumが崩れたため、コラプシングの反則となりました。
天理大学としては、人数が減った段階で少し組み方を工夫する必要がありました。
8 vs 8なら組み合えるScrumでも、人数が減れば成り立たない事もあります。
日々の練習の中で、人数を変えてみるなり、相手の位置を変えてみると面白いですよ。
天理大学はScrumに拘ってるので、既に色々試してると思いますけどね。
終わりに
本日は、ムロオ関西大学ラグビーAリーグ 第1節 天理大学 vs 摂南大学の試合を解説しました。
いよいよムロオ関西大学ラグビーAリーグも開幕し、大学ラグビーシーズンが到来しました。
LeagueOneとは一味違った青春を楽しみましょう。
引き続きScrum Love Clubでは、読者の皆さんがScrumをもっと理解して、ラグビー観戦がもっと楽しくなるように発信していきます。
また良かったら拡散をお願いします。
本日もご覧頂きありがとうございました。
また次の記事でお会いしましょう。
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