コベルコ神戸スティーラーズ vs 静岡ブルーレヴズ

LeagueOne
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試合結果

コベルコ神戸スティーラーズ 23-29 静岡ブルーレヴズ

神戸S 330kg / 874kg

静岡BR 311kg / 857kg

NTT JAPAN RUGBY LEAGUE ONEより

1st Scrum 1:42~

神戸S陣22m付近、神戸SボールのScrumです。

組み合った後、神戸S 3番山下選手及び静岡BR 1番山下選手がScrumの内側に入り込んだため、捻れる形となりました。

特段反則なくボールアウトしています。

神戸Sは個の強さを誇る山下選手を中心に、重たいScrumを構築しています。

他の試合を見ていると、内側に入り込む傾向が強く、Irelandの Scrumを彷彿させる組み方です。

セットアップから圧力の方向を推測しやすいです。

対して静岡BRは、通常よりもフランカーが角度を緩くセットしています。

神戸Sが内側に来る=静岡BRは1番側が孤立しやすいので、6番ヴェティ ・トゥポウ選手のみ角度をつけてセットしています。

田村コーチがメインで、長谷川コーチと協力しながら組み立てている事が分かるScrumでした。

長谷川式の場合、相手1番がマトモに組めない形ですが、今回は神戸Sの組み方に合わせて外側に圧力を集めています。

バインドはほぼ互角、お互い足を下げているはずなのに上下のブレが少なく、非常に綺麗な形でした。

少し静岡BRが前に圧力を掛けたように見えますが、センターラインを越える事なく背中を伸ばしただけなので、反則はありません。

この数秒だけで、ナンボでも話せるぐらい綺麗なセットアップです。

ヒットは神戸Sが少し優勢でした。

やはり重さで勝る分、上から圧力を掛けるだけでも前に伸びる事が出来ます。

バック5のヒットのタイミングも揃っており、今季しっかり組み込んでいる事が分かります。

ただ、セットアップ時から内側に圧力が掛かっている影響で、前に押し切れずボールアウトとなりました。

Pickup Scrum 11:41~

神戸S陣ゴール前5m、静岡BRボールのScrumです。

組み合った後、静岡BRが真っ直ぐ圧力を掛けて前進、たまらずScrumを回転させた神戸Sがイリーガルホイールの反則を取られました。

神戸Sは、1st Scrumと比べて3番山下選手の右足が身体の外側に置かれていたかなと感じてます。

肩幅よりも外側にあると、前に圧力を掛けた際、左右に傾きやすくなります。

今回の場合は、右足が外側にあるので、左側へ傾きやすいです。

足幅に関して正解はありません。

自分(またはチーム)の組みたいScrumと足の位置を合わせたい所です。

その点、神戸Sは組みたいScrumとセットアップは一致しているのかなと考えてます。

ただ、今回の静岡BRやS東京ベイなど、アングル気味に入ってくる1番とは相性が悪いです。

対して静岡BRは、1st Scrum違いマイボール Scrumなので、6番は真っ直ぐ、7番は角度を付けてセットしています。

静岡BRは、どちらのボールかに寄って組み方を少しずつ変えています。

エリアまで確認出来ていませんが、基本マイボールは3番伊藤選手を軸に構築していると考えます。

1番山下選手も殆ど足を動かしておらず、静岡BRの組みたいコンパクトなScrumを組む準備が出来ています。

ヒットこそほぼ互角でしたが、組み合った後は静岡BRペースでScrumが進みます。

何度も言いますが、セットアップに対する異常な拘りが強くなっていると感じます。

管理人も綺麗なセットアップを見るのは大好きですが、 Scrumは相手があってこそ成立します。

100%フルコンタクトで組み合う回数は少なくとも、組み合った後バランスを取ったり、前後左右に動くなどやり方は沢山あります。

対人での経験を増やせるよう、コーチとして方法を考えていきたいですね。

Best Scrum 33:14~

静岡BR陣10m-22m、神戸Sボールの Scrumです。

組み合った後、静岡BRが真っ直ぐ前に出てアングルの反則を誘いました。

数ある静岡BR優勢の Scrumから、これを選んだ理由は1番 茂原選手の頭の位置が素晴らしかったからです。

セットアップから見ていきましょう。

静岡BRのScrumを後ろから覗ける良い機会でした。

ロックが頭を入れる際、フロントローが足を動かさずに隙間を作っています。

内側の足を動かさない事で、フロントローが最初にセットした位置にロックの肩を合わせる事が出来ます。

逆に、内側の足を動かしてしまうと、その分だけフロントローの密着感が薄くなり、せっかく良い位置にセットしても、機能しなくなります。

細かい点が見えないので、管理人の推測で解説します。

1番側の場合、右膝を左方向へ膝一個分スライドさせます。

当たり前ですが足を動かさず、膝を左側へ動かす事で、膝と股関節で結ばれている太ももが左に動きます。

そこで出来た隙間に、ロックが頭を入れます。

こめかみが両サイドの大転子(太ももの付け根あたりに出っ張る骨)付近にあると、上にズレにくいです。

1st Scrumから一貫して、バインド後の動きも小さく、フロントローのお尻が動きません。

そのため、ロックの頭が外れずセットアップから組み合うまで密着して組む事が出来ます。

組み合った後は、静岡BR優勢のまま Scrumが進み、反則を獲得しました。

今季の神戸Sは、凄く Scrumを組み込んできた印象です。

ただ、それ以上に静岡BRが良かったScrumでした。

流石、 Scrumに拘るチームは違うなも感じるシーンでした。

Scrumが分かれば、ラグビーはもっと楽しくなります。

読者の皆さんがScrumを理解して、ラグビー観戦がもっと楽しくなるように発信していきます。

引き続きScrum Love Club及び管理人を宜しくお願い致します。

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