本日のテーマ
本日は、THE CROSS-BORDER RUGBY 2024 第2戦 埼玉WK vs Gallagher Chiefs の試合を解説していきます。
今季から新しい試みとして始まったクロスボーダーマッチです。
LeagueOne初代王者埼玉WKとスーパーラグビーの強豪Gallagher Chiefsの一戦でした。
試合序盤から相手の猛攻に合いますが、規律あるDFで守り切りました。
その後もセットプレーやB/DでT.Oを連発し、相手の攻撃を封じましたね。
埼玉WKらしいDFから勝利をもぎ取りました。
特にラクラン・ボーシェー選手が素晴らしかったですね。
シーズン中の交流戦にも関わらずベストメンバーを組めるチーム力は素晴らしいですね。
選手・スタッフ双方が良い準備を心掛けている事が分かります。
埼玉WKのように、Bestな時にBestなメンバーを送り出せるように精進したいところです。
コーチとしての学びを深めていきます。
それでは、試合結果・1st Scrum・Best Scrumを見ていきましょう。
試合結果
埼玉WK 38 vs 14 Gallagher Chiefs
埼玉WK 334kg / 896kg
Gallagher Chiefs 360kg / 930kg
1st Scrum 28:10~
気になる1st Scrumは28:10~です。
Gallagher Chiefs陣10m付近、埼玉WKボールのScrumです。
前半20分を過ぎてもScrumが無く、非常にレベルの高い攻防が続きました。
1本目は組み合った後、Scrumが崩れたため組み直しとなりました。
埼玉WKのセットアップは、1番側のフランカーが斜めにセットし、3番側は真っ直ぐですね。
1番・HOで相手3番を挟みつつ、3番が1・2番に対して圧力を掛ける構図なのかなと考えられます。
組み合った後、1番側が大きく前に出られていたため、セットアップの段階から3番側が半歩前にセットしても良かったの感じました。
バインドの段階でGallagher Chiefs側が大きく足を下げていたため、ヒットした時点で埼玉WKが優位に立ちました。
特に、埼玉WK3番がGallagher Chiefs1番を外側に弾けているため、組み合えていたなら優位にScrumを進められたのかなと考えます。
2本目も同様にヒットで埼玉WKが前に出る事が出来ました。
フロントロー体重でもFW全体でも劣る相手に対して、ヒットで優位に立てたところが素晴らしかったですね。
埼玉WKのバック5がバインドの段階から組める姿勢を整えているのに対して、Gallagher Chiefs側はスプリットの体勢でフロントローを支えています。
こうしたセットアップの違いが、フロントローに掛かる前への圧力に影響しています。
また、埼玉WKが腕を伸ばしながらバインドしたのに対して、Gallagher Chiefs側は少し曲げる形でバインドをしています。
伸ばした分だけ相手に体重を掛ける事が出来る反面、身体のコントロールが効き辛くなります。
体格差を考えた上、埼玉WKは100%近く相手に圧力を掛ける選択をしたのかなと推測します。
その選択が功を奏したお陰で、ヒットで優位に立てました。
組み合った後は、お互い殆ど動かずボールアウトとなりました。
Gallagher Chiefs1番側はヒットで外側に弾かれていたものの、その後はHOにしっかりと寄っていました。
正直押し切れるかなと思いましたが、懐に入られている上に、あの姿勢を保たれると厳しいですね。
世界の強豪相手に互角以上に組み合っている藤井選手に感動しました。
同学年なので引き続き応援します。
Best Scrum 42:26~
気になるBest Scrumは42:26〜です。
Gallagher Chiefs陣22m内、Gallagher ChiefsボールのScrumです。
組み合った後、3番側主導でGallagher Chiefsが前にプレッシャーを掛け、コラプシングの反則を獲得しました。
組み合った後でも左右に振れる強さがあるのは素晴らしいですね。
1st Scrum同様に、セットアップはそれぞれ特徴が出ていました。
バインドの段階では、両チーム今すぐにでも組み合える体勢を整えており、この試合のレベルの高さを改めて感じました。
フロントローのメンバーも入れ替わっており、間合いやバインドが変わっています。
1st Scrumでは上手くバインドの段階で相手に圧力を掛けられた埼玉WKですが、今回は少し相手から圧力を受けた印象です。
ヒットはほぼ互角でした。
ヒットした際に、埼玉WK1番側が少し外側にいる印象を受けました。
ヒット前にGallagher Chiefs3番側が足の位置を調整しており、立ち位置が内側にズレた影響だと考えられます。
セットアップから足を動かすとロックの肩がズレたり、HOとの密着度が弱くなるためオススメはしません。
ただ、今回は動かした後の位置が良かったため、組み合った後に上手く前に出る事が出来ています。
組み合った後、Gallagher Chiefs3番側(埼玉WK1番側)中心に、外側へ圧力を掛けながら前に出てきました。
1番側の映像がないので分かりませんが、押され方から推測すると、外側から懐に潜られた状態でプレッシャーを受けたのかなと考えられます。
埼玉WK側が引いてるわけではありませんが、肘の向きを考えるとあまり下向きに圧力が掛けられなかったのかなと思います。
そのため、懐に潜った相手が押す方向をコントロール出来る状態が整っており、上手く入り込まれました。
Scrumが回転しており、組み直しも検討される状況です。
今回は、Gallagher Chiefs側がヒット前後で優勢だった事を考えるとイリーガルホイールの判定は正しいのかなと考えてます。
何故反則を取られたのか、その現象がどの要因で起こっているのかが少しでも分かると、Scrumを見るのがもっと楽しくなります。
管理人の個人的な考え方で恐縮ですが、少しでもScrumを楽しんでくれる人達を増やせるように頑張ります。
まとめ
本日は、
THE CROSS-BORDER RUGBY 2024 第2戦 埼玉WK vs Gallagher Chiefs
の試合を解説しました。
賛否両論あると思いますが、来年以降も継続して大会が開催される事を願います。
Scrumをもっと理解して、ラグビー観戦がもっと楽しくなるように発信していきます。
本日もご覧頂きありがとうございました。
また次の記事でお会いしましょう。
コメント