横浜E vs 埼玉WK

埼玉WK
この記事は約6分で読めます。

本日のテーマ

本日はNTT JAPAN RUGBY LEAGUE ONE2023-2024 D1 第16節 横浜キヤノンイーグルス vs 埼玉パナソニックワイルドナイツの試合を解説していきます。

レギュラーシーズン1位通過の埼玉WKと3位浮上に向けて勝ち星が欲しい横浜Eの試合でした。

大分遠征行かれた方お疲れ様でした。

横浜だけでなく、大分をホーム地として試合をするのは素晴らしいですね。

質の高い試合を生で見られる事は若い選手にとってとても重要です。

代表戦を含めて色々な地域で開催される事を楽しみにしてます。

試合内容は横浜Eが終始劣勢だった印象です。

ただ、復帰したクリエル選手のランや Scrumでペナルティ獲得出来た点は次の対戦の糧になると考えてます。

それでは、試合結果・1st Scrum・Best Scrumを見ていきましょう。

試合結果

横浜キヤノンイーグルス 14-43 埼玉パナソニックワイルドナイツ

横浜キヤノンイーグルス 320kg / 866kg

埼玉パナソニックワイルドナイツ 326kg / 888kg

NTT JAPAN RUGBY LEAGUE ONEより

1st Scrum 0:46〜

気になる1st Scrumは0:46〜です。

横浜E陣ゴール前5m付近、埼玉WKボールの Scrumです。

組み合った後、  Scrumが崩れたため横浜E側のコラプシングを取られました。

セットアップの段階からスロットがズレており、お互いの1番側が外側に割れやすくなる状況でした。

映像は、埼玉WK 3番藤井選手・横浜E 1番岡部選手側です。

バインドの段階で珍しく岡部選手が左足を外側に踏み出しており、上手く組み合えていない事が分かります。

組み合った後も頭が藤井選手の右胸よりも外側に位置しており、どうしても左肩が前に出やすくなります。

1番側は右足・右肩を使いながら前に出るのが理想的です。

理由は、3番と違って左側に相手がいないため、上手く組み合えず Scrumが回転する若しくは自分の身体が傾いてしまうからです。

3番側から内側に圧力を掛ける場合でも、1番側は相手に対して真っ直ぐ組み合うことが多いです。

今回は、3番側から内側に圧力を掛けるためセットアップの段階から半歩左側にズラした横浜Eの思惑が裏目に出たのかなと考えます。

ヒットも埼玉WKが少し優勢でした。

フロントローの仕事はバック5の重さをそのまま相手に乗せることですが、今回はお互い上手く相手に圧力を乗せられています。

セットアップ段階の姿勢を見る限りでは、横浜E側の方が背中のラインが揃っており綺麗だなと感じるほどです。

ただ、先程も書きましたが横浜Eのフロントローが少し割れているのに対して、埼玉WKは密着度を保てています。

その上で、バック5、特にロック陣の重さで埼玉WKが優位であったため、ヒットした段階で横浜E側に圧力を掛けられています。

組み合った位置から殆ど動かずScrumが崩れましたが、ヒットで圧力を受けていた横浜Eが圧力に屈してScrumを崩した判断されたため、埼玉WKボールの反則となりました。

横浜Eはkickoff直後からボールが手につかず、ミスが目立ちましたね。

その上、1st Scrumでのペナルティから先制点を許しています。

PO準決勝でも同カードの対戦となるため、リベンジを期待したいところです。

Best Scrum 52:24〜

気になるBest Scrumは52:24〜です。

横浜E陣ゴール前5m、横浜Eボールの Scrumです。

横浜Eが24点差を追う状況、トドメを刺すために埼玉WKのフロントローが変わった状況でした。

組み合った後、埼玉WKが前に圧力を掛けて、横浜Eの自陣脱出に大きくプレッシャーを掛けました。

映像が遠かったのでセットした段階から解説します。

セットアップを見てみると、埼玉WK 8人全員が背中を地面と平行にしています。

そして、フロントローよりロック・フランカー、ロック・フランカーよりNo.8が低くセットしています。

そのため、後ろから来る圧力を100%相手に伝える事ができます。

ポケモンで言うと、ノーマルタイプの相手に対してノーマルタイプの技を繰り出すイメージです。

もし、岩タイプや鋼タイプにノーマルタイプの技を繰り出すとどうなるでしょうか。

効果はいまひとつですよね。

前の選手よりも後ろの選手が高ければ、 Scrumでも同じ状況が起こります。

また、押している部分を起点に後ろの選手の身体が浮いてしまうと、効果が無いようだと言うことになります。

そうなれば、埼玉WK自慢のロック陣の重さを活かせないですよね。

メンバーが変わった状況でも、質の高いScrumを組める埼玉WKは理想的なチームだなと感じています。

対する横浜Eは疲れの影響かフロントローの上半身が浮き上がっています。

バインドの段階で修正していますが、3番祝原選手側は右半身が開いていたため、埼玉WK 1番木原選手に懐へ潜られています。

あの位置に入られると、腕で相手を絞る事が出来ないので、胸で下向きに圧力を掛けるしか選択肢が無くなります。

それで屈する相手なら良かったのですが、木原選手は低く鋭い Scrumに定評があるため、相性が悪かったですね。

ヒットは互角でした。

バック5の伸びは横浜Eの方が良かったのですが、フロントローとの伝達部分で上手く噛み合わず前に出られません。

逆に埼玉WKはセットアップから一貫してバック5の圧力を貰えている状況のため、良い姿勢を取るだけで相手に圧力を伝える事が出来ます。

その状況の中、埼玉WKが膝を伸ばし、横浜E側が圧力に屈して身体を下げたところを狙って小股で前に出ています。

ボールインまでに埼玉WKが押せる体勢を整えた事が分かります。

横浜E側は後ろに下がった段階で、7番ハラシリ選手の肩が3番祝原選手のお尻から外れており、圧力が激減しています。

というより、外側にズレてしまったため、無力感が出ています。

ポケモンで言うと、ノーマルタイプの技をゴーストタイプに繰り出している状態になっています。

そのため、横浜E 7人-埼玉WK 8人の状況が生まれて押し切られる形となりました。

1st Scrumと比べて体重差が逆転した状況(横浜E 887kg / 埼玉WK 885kg)を上手く活かせていません。

フロントローの密着度、バック5の姿勢/押す位置など様々な点で優位に立った埼玉WKにあっぱれです。

横浜Eは残り1週間でしっかり修正して次戦に臨んで欲しいです。

まとめ

本日はNTT JAPAN RUGBY LEAGUE ONE2023-2024 D1 第16節 横浜キヤノンイーグルス vs 埼玉パナソニックワイルドナイツの試合を解説しました。

昨年度と同カードの準決勝、横浜Eがどのように戦うか楽しみです。

埼玉WKは王座奪還に向けて後2試合、規律あるDFをみたいですね。

今節でレギュラーシーズンが終了し、POと入替戦を残すのみとなりました。

更新できなかった試合の方が多いシーズンでしたが、少しでも皆さんのラグビー観戦が楽しくなれば幸いです。

LeagueOne閉幕後は大学ラグビーとテストマッチを中心に、ScrumReviewを更新します。

Scrumが分かれば、ラグビーはもっと楽しくなります。

読者の皆さんがScrumを理解して、ラグビー観戦がもっと楽しくなるように発信していきます。

本日もご覧頂きありがとうございました。

また次の記事でお会いしましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました