流通経済大学 vs 東海大学

大学ラグビー
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試合結果

流通経済大学 31-46 東海大学

流通経済大学 322kg / 846kg

東海大学 320kg / 829kg

1st Scrum 1:10〜

東海大学陣10-22m、流通経済大学ボールのスクラムです。

1本目は組み合った後崩れて組み直し、2本目は間合いが合わず、3本目に組み合いました。

今季注目している東海大学ですが、この試合も良いスクラム組みますね。

セットアップから見ていきます。

東海大学は、HOが最初に足を置いた位置から1/4歩後ろに下がってセットしています。

間合いを詰めて、窮屈な状態を作るのが東海大学のスクラムでありますが、その前段階で自分達のセットアップを作れる距離を確保したい意図が考えられます。

両PRは、HOがしゃがみ込んだ位置に合わせて、低くセットしています。

HOのバインドは、両手をハの字に広げる形で、腕を後ろに回しています。

肩の分だけ両PRが密着するため、同じスロットでも半歩ズレている感覚になります。

クラウチの段階までは、1番はアングル気味・3番は真っ直ぐでした。

フランカーは、1番側のみ角度をつけてセットしています。

対して流通経済大学は、HOがセットした位置から半歩左側へズラしていました。

リーグ戦を見る限り、イン組の傾向が強いです。

1番・HOで相手3番を挟む、3番はHOに圧力をかける(1番と勝負しない)形です。

ただ、今回の試合を見ていると、3番を軸とした外張りのスクラムに見えました。

東海大学が密着しながら前に出てくるので、それに対してスタンダードに対抗する意図が伺えます。

フランカーは真っ直ぐセットしていました。

1本目は流通経済大学が優勢、3本目は東海大学が優勢でした。

1本目の細かい部分は分かりませんが、バインドで流通経済大学が先手を取れていた/東海大学3番が内側へ入るタイミングが早く、ヒットの際に流通経済大学1番がアングル気味に差し込めた事が要因だと推測しました。

3本目は、バインドで東海大学が先手を取っており、流通経済大学が1歩以上下がりました。

バインド時に足を下げる事は問題無いですが、通常より下がってしまうと、ヒットで出れない/バック5も下がる事になります。

バック5が下がる事でセットも遅れるので、更にヒットが出にくいです。

東海大学は、バインドで圧力を掛けつつも、自分達の形は崩さず綺麗な姿勢でした。

身体を動かさず、バインドで伸びた時に耐える力があります。

ヒットも東海大学優勢、圧力を掛けますが反則なくボールアウトとなりました。

東海大学のセットアップを見ると、HO 川村選手の寄せ方が上手い点を除いて、スタンダードな3番主導のスクラムに見えます。

もう少し深く見ていきます。

1番 小栁選手はアングル気味にセットしますが、相手3番の懐に潜らず浅く組んでいました。

潜り過ぎると、相手3番が内側に入ってきた時に組み合えず、1人だけ取り残される事になります。

それを防ぐために、組む時は浅く、HOに寄るために前へ出る時は右足から出る事を意識しているのかなと感じました。

3番杉浦選手は、組み合う前は真っ直ぐ(気持ち外側)で、組んだ後はがっつりHO側に圧力を掛けています。

セットアップの段階で、相手1番とHOの間に頭を置いており、真っ直ぐ組めば間を割りやすい位置にいます。

その上で、姿勢が綺麗なので、LO トゥポウ・ランギ選手の押しを100%貰う事が出来ています。

内側に流れる傾向が強いですが、ヒットで前に出て、身体の向きがグラウンドに対して真っ直ぐなら問題無いはずです。

杉浦選手110kg、トゥポウ・ランギ選手113kgと大学ラグビーでは重たい部類ですが、それ以上にこの2人の相性が凄く良いから押せるのかなと感じました。

ロックから前に出られるタイプで、凄く楽しみです。

Best Scrum 49:45〜

東海大学陣10m付近、流通経済大学ボールのスクラムです。

組み合った後、ヒットで優勢だった東海大学が更に圧力を掛けてスクラムが崩れたため、流通経済大学がコラプシングの反則を取られました。

80分間通してスクラムで圧倒した東海大学ですが、このスクラムが分かりやすいので取り上げました。

セットアップは1st Scrumと同様でした。

ただ、東海大学3番がセットアップの段階から内側に傾いているように感じます。

バインド時に足を下げますが、身体よりも右足が外側にあるため、やはり傾いています。

対して流通経済大学1番も、身体より左足が外側にあります。

バインドの段階で1歩寄せますが、セットしている位置がズレているため、修正が難しいです。

東海大学の場合、HOの肩分だけズレるので、それも踏まえた上でセットする必要があります。

フロントローは姿勢をとる、バック5はそのフロントローを面で押し上げる。

シンプルですが、強いスクラムを組むならここを徹底すれば良いです。

体重以上の重さ、欲を言えば東海大学のフロントローに話を聞いてみたいぐらい綺麗なスクラムでした。

『スクラムをシンプルに分かりやすく』

日頃からScrumLoveClubをご覧頂きありがとうございます。

今後も精力的に活動しますので、引き続き宜しくお願い致します。

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