試合結果
Japan 27-33 Fiji
Japan 334kg / 896kg
Tonga 347kg / 914kg
1st Scrum 09:11〜
Japan陣ゴール前5m付近、Japanボールのスクラムです。
組み合った後、スクラムが崩れて、Fiji1番がコラプシングの反則を取られました。
1年前のPNC2024決勝戦もReview書いたのですが、その時の1st Scrumは両者反則なくボールアウトでした。
何だかんだ批判されている日本代表ですが、確実に良い方向へ向かっている事が分かります。
セットアップから見ていきましょう。
Japanは、フロントローの密着感を意識しながらセットしています。
身体の向きは、↗️↗️⬆️の形で、3番竹内選手側に圧力を集める形です。
HO江良選手の足幅を見てみると、ほぼ真っ直ぐ足を置いています。
そのため、身体がスリムになり、より両PRが寄りやすくなります。
スクラムの密着感は、どのカテゴリーでも重要であり、Japanが世界で戦うための武器でもあります。
ただ、密着したままだとロックが頭を入れられないため、3番竹内選手はロックを入れる時に腰を外側に開いています。
どの辺りまで許容するかはチームによって変わりますが、この程度なら密着感への影響は少ないです。
バック5は真っ直ぐセットしていました。
対して、FijiはHOが1番→3番の順番でバインドしています。
こちらも密着を意識しているのか、HOの脇からフロントローが肩を出しません。
肩が埋まっている点は気になりますが、出さない分だけフロントローが密着出来るため、このやり方も参考になります。
背中も綺麗によっており、立ち位置的にHOが1番前にいるため、組み辛さがあります。
ロックも出来る限り膝を詰めてから、フロントローの中に頭を入れています。
FWを一塊と考えて、重たい塊で勝負したい意図が伺えます。
どこかで似たようなセットアップを見ましたが、どのチームか忘れてしまいました。
そして、去年と同様クラウチの段階でバック5が膝を浮かしていました。
自立が少し無いですが、バインドで安定すれば良いので、特段問題ありません。
組み合った後、Fiji1番が先に崩れたため、コラプシングの反則を取られました。
肩が隠れており、身体がHOより1歩下がっていた事、そしてアングル気味に組み合った事が影響しました。
組み合った後、足を下げるタイミングも遅く、バインド時に下げれなかった事も影響しています。
14:43〜も同じような形で崩れて、Fijiがコラプシングを取られています。
ヒットでJapanが食い込まれているので、逆の判定でもおかしく無いですが、Fijiが故意に崩したと判断されています。
対して、25:17〜はJapanが前に出たけど、反則を取られています。
これはコラプシングなのか、アングルなのか分かりませんが、レフリーと逆サイドの選手が反則を取られる事が多かったです。
少しレフリーと意見が合わないので、再度映像を確認しています。
Pickup Scrum 37:13〜
Fiji陣22m内、Fijiボールのスクラムです。
組み合った後、Fijiが前に出ながらスクラムが時計回りに回転したため、Japanが反則を取られました。
結果的に、ズラされて前に出られたのですが、バインドの際にFiji 3番が半歩内側に動いていました。
意識してやったのか、無意識でその位置に足を置いたのか分かりませんが、左足がHOの右足より内側にありました。
セットアップの時に、内側に足があるとHOから文句が来るのですが、バインド時なら影響が無いのかもしれません。
また、Japan 1番側もバインドした後に左足が外側へ流れてしまい、身体が通常よりもアングル気味になっています。
その結果、組み合った段階で、お互いタッチライン側に身体が傾いており、必然的にJapanが組み辛い形となりました。
両方ともスクラムの内側を向いている場合、不利なのは1番です。
3番は内側に入っても相手HOが居ますが、1番は相手3番しか組める相手が居ないので、コントロールが出来ません。
動き出すと、さらにスクラムがタッチライン側へ流れていくため、Japan 1番がスクラムを崩す要因が増えます。
また、3番側へ圧力が集まるため、引っ張られるように身体が捻れていきます。
Fijiが前に出るとスクラムが時計回りに回転して、Japanが崩す結果となりました。
Best Scrum 53:52〜
Fiji陣ゴール前5m、Japanボールのスクラムです。
1st Scrum同様、組み合った後スクラムが崩れたため、Fijiがコラプシングの反則を取られました。
セットアップの段階で、Fijiが前のめりになっており、Japanのスクラムを警戒している事が分かります。
今回もPickup Scrum同様に、Fiji3番が軸足である左足を内側へ下げています。
それを踏まえた上で、Japanは1番とHOでFiji 3番へアプローチしました。
Japan 3番は、Fiji 1番とHOを分断するように間へアプローチしています。
ヒットスピードも勿論良かったですが、それよりも掛けたい方向へアプローチ出来た事がよかったです。
自分達のセットアップを確立する事と並行して、どこにアプローチしたいかを明確にする事を意識しています。
当たり前ですが、選手によって特徴が違います。
だからこそ、チームとしてどうするか、個人としてはどう組むかを選手と考えてます。
ScrumReviewは、その参考材料集めの作業ですね。
良いスクラムの試合があれば、連絡ください。
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