本日のテーマ
本日は、リポビタンDチャレンジカップ2024 JAPAN vs ITALYの試合を解説していきます。
序盤から景気が上がらず、足取りが重たかったJAPANでした。
試合が重なっていた事に加えて、練習でも相当ハードに追い込んでいるはずなので、足が動かないのも仕方ないのかなと感じました。
ただ、その中でも3番竹内選手良いキャリーしてましたね。
交代で入った岡部選手も軽快な動きを見せており、メンバーによって披露度合いが違います。
しんどい状況でどの程度力を発揮出来るのか、8月のパシフィックネーションズに向けて調子を上げてほしいです。
余談ですが、管理人も海外出張から帰ってきて約1週間寝込んでおりました。
それでは、試合結果・1st Scrum・Best Scrumを見ていきましょう。
試合結果
Japan 14-42 Italy
Japan 332kg / 893kg
Italy 330kg / 869kg
1st Scrum 10:24~
気になる1st Scrumは10:24~です。
Italy陣22m付近、ItalyボールのScrumです。
組み合った後、Japanが先行して首を挙げたと判断されたため、ヘッドアップの反則を取られました。
セットアップはItalyが先にセットしていました。
8人が真っ直ぐセットするオーソドックスな形でした。
対するJapanは、6番側のみ角度をつけてセットしています。
また、クラウチの段階から膝を浮かしており、バインド時に優位に立とうとしている事が伺えました。
ただ、Italyのフロントローのバインドするタイミングが絶妙で、少し体重を乗せられる形となりました。
バインドのコールの後に、JapanのScrum全体が後ろに動いている事から推測しました。
組み合った後、スロットがズレている印象を受けました。
その理由として、組み合う前段階で ItalyのHO GIACOMO NICOTERA選手の身体が足の位置とズレていました。
膝の向きが真っ直ぐでは無く、3番側に流れているため、置いた位置よりも3番側に身体が動いている事が分かります。
このセットアップがどこまで影響したのか分かりませんが、足の位置から推測される位置よりも半歩ズレた位置に頭が来るため組み辛いのは確かです。
HOがずれている分、相手3番も外側にズレてくるため、1番茂原選手が少し外側に弾かれています。
その上で、組み合う前に少し膝を引いた際に足の位置を戻しているため、Italyがスロットをズラす事に成功しています。
逆に、Japan3番竹内選手側は足を下げる前にバインドで体重を乗せられているため、右足に上手く体重が乗っていません。
本来置きたい位置は、あと1歩内側だと思われますが、そこに置けなかった事で身体だけが先行して内側に流れています。(組み合った後に動かしている事から推測)
その状況下で何故かヒットはJapan優勢でした。
夏のテストマッチ一貫してヒットスピードが素晴らしく、今回も良いヒットが出来ていました。
フロントローからNo.8まで全員が膝の伸展を上手く使えており、伸び切った後の体感の強さも良い具合です。
ただ、組み合う前のスロット位置や力の掛け方で不利な状況は変わらず、上手く対応されて反則を取られました。
物凄く難しいScrumでした。
1番茂原選手としては相手が勝手に内側に逃げて首を挙げたと感じたはずです。
実際は、茂原選手の身体が半身以上外側に出ているため、前に出ようとするとどうしても頭が抜けてしまう状況です。
だからこそ、押せそうな気持ちは良く分かりますが、ここは堪えたかったですね。
相手に逃げられないようにHOに寄りながらその場で耐え忍ぶのが、ベターな選択肢だったかなと感じました。
Best Scrum 67:04~
気になるBest Scrumは67:04~です。
Italy陣22m付近、JapanボールのScrumです。
1本目はScrumが時計回りに回転し、組み直しとなりました。
物凄く良い形で組み合えており、3番竹内選手側が前に出ながら回転出来ればペナルティが貰えそうな場面でした。
お互いの1番が先行して出ている事を考えると、難しい状況だったのは否めません。
セットしたポイントからScrumが動かず、その場で回転したため組み直しとなっています。
1番岡部選手良かったですね。
バインド時の位置調整が無ければ、更に良いScrumが組めたのかなと考えています。
組み合った後に左足が浮いていた点は気になりますが、相手の懐に入りつつ前に出られた点は素晴らしかったです。
ヒットしてから相手3番が内側に逃げましたが、しっかりと面で捉える事が出来ています。
対して組み直しとなった2本目です。
1本目と同様にScrumが回転しましたが、Italy側が前に出る形でScrumが回転したため、イリーガルホイールの反則を取られました。
1本目と違ったのは、Scrumが回転する前にJapanがその場から動けなかった事ですね。
1本目も上手く出れませんでしたが、1番岡部選手側が先行して前に出られています。
2本目は1番岡部選手も前に出れない状況で、3番竹内選手が相手1番に差し込まれた形だったため、反則を取られました。
ヒットのタイミングもバラバラで、あまり良いScrumとは言えませんでした。
組み直しの間に、Italy3番が『組み合った感じ、最初からスロットを左にズラせば前に出られるかも。もう少し1番側出るの待って』と言っています。
冗談ですよ。
イタリアの選手が言っていた事は全く聞き取れていません。
ただ、組み合う前に半歩、そして組み合った後に1歩左側にズラして前に出てきた事から組み直しの間に作戦を立て直していた事が伺えます。
真っ直ぐ組んで来る気持ちが全く無かったので少々腹が立ちましたが、相手が上手だった事を認めましょう。
こういうScrumの修正力って日々対人で組み合ってきた経験が活きてきます。
人数が少ないからマシーンだけとか、Scrumの練習をしないのはコーチの工夫不足です。
人数が少なくても1対1や1対2でScrum力を鍛える事は出来ます。
社会人になってから教えた選手達はみんなScrumで勝った経験を持って卒業しています。
ラグビーを始めて良かった、ラグビーを続けてて良かったと思える指導を心掛けたいですね。
海外出張記録
最後に更新が遅れたお詫びとして海外出張の写真を載せておきます。
終わりに
本日は、リポビタンDチャレンジカップ2024 JAPAN vs ITALYの試合を解説しました。
8月は菅平合宿の試合とSAKURA15、パシフィックネーションズカップの更新を予定しています。
Scrum Love Clubでは引き続き、JAPANの 超速ラグビーの要となるScrum研究に邁進していきます。
管理人としては、読者の皆さんがScrumをもっと理解して、ラグビー観戦がもっと楽しくなるように発信していきます。
また良かったら拡散をお願いします。
本日もご覧頂きありがとうございました。
また次の記事でお会いしましょう。
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