本日のテーマ
本日は、
アサヒスーパードライ Pacific Nations Cup 2024 Japan vs Americaの試合を解説していきます。
予選トーナメント1位通過おめでとうございます。
Canada、Americaと体格が大きい相手に対してしっかりと勝ちきれた点は良かったですね。
次戦はサモア戦になります。
上記2チームよりもFW戦で勝負してくるチームです。
特に、セットプレーで圧力を受けると、相手ペースで試合が進みます。
今回は、セットプレーで反則を取られる事が多かったため、修正して欲しいです。
それでは、試合結果・1st Scrum・Best Scrumを見ていきましょう。
試合結果
Japan 41-24 America
Japan 317kg / 869kg
America 354kg / 910kg
1st Scrum 0:10~
気になる1st Scrumは0:10~です。
America陣10m付近、JapanボールのScrumです。
kickoff直後にノッコンがあったため、早い時間帯のこの位置でScrumとなりました。
組み合った後、30°ほど反時計回りにScrumが回転するも、安定したボールアウトとなりました。
Japanのセットアップが少し変わりました。
両フランカー共に真っ直ぐセットしており、前への推進力を高めています。
以前は、6番側のみ角度を付けていたので、少し変更されました。
クラウチの段階からフランカーが膝を浮かしており、1人あたり5kg劣る相手に対して対策しています。
ただ、セットアップの際に、坂手選手が1人だけ前に行き過ぎたのかなと感じました。
33:00〜付近のScrumが非常に良かったのですが、それと比べるとズレが出ていました。
LeagueOneの時と比べて、バインドする位置や方法を変えており、その意識のズレによる影響だと考えています。
その影響もあって、1番三浦選手と前後のズレが出来ています。
背中の寄せ具合やバインドする位置はすごく良かったです。
対するAmericaは、バインドするまでフランカーがPRの身体を支えるセットアップでした。
高校生でよく見かけるセットアップです。
メリットは、前に体重を掛けながら身体を低くする事が出来ます。
自分だけで立った状態から90°前に身体を倒すのは難しいですが、周りの人が支えてくれたら出来そうじゃ無いですか。
上手く自立が出来ないPRに取っては、良いセットアップだと言えます。
ただ、フランカーがバインドしてから自分の本来の位置にセットします。
バインド時の圧力が小さくなる事及びフランカーのセットが遅れる事がデメリットとなるため、出来る限り早くフロントローだけで自立する事を考えましょう。
ちなみに、股関節を使って身体を下げられると、膝を低くしながら身体も地面と並行を保てます。
ヒットはほぼ互角でした。
組み合った後、Americaが半歩左側(レフリー側)にズレたのに対して、Japanがアプローチ出来ていません。
特にスロットをずらされた印象も無いですし、1番三浦選手も足を真っ直ぐ下げていました。
結果として、相手の立ち位置に対してJapanが動けなかったのかなと感じました。
ただ、Americaも8人でまとまって押してくる様子はあまりなく、個々で前に出ようとしています。
それに対してJapanは、HO 坂手選手が上手く舵取りしながらフロントローが割れない様に寄せています。
前後のズレはあったものの、左右のズレは無く良い形で組み合えています。
もし、Americaが8人まとまって押してきたら、1st Scrumから展開が変わっていたかもしれません。
Americaもまだまだ伸び代がありますね。
Best Scrum 64:30~
気になるBest Scrumは64:30~です。
Japan陣ハーフライン付近、AmericaボールのScrumです。
組み合った後、Japanがじわりと押し切り、堪らずAmericaが Scrumを崩したため、コラプシングの反則を取られました。
良い形で組み合ってから圧力を掛けましたね。
今回注目していた1番茂原選手のセットアップですが、正直全く見えませんでした。
このScrumの前に、茂原選手の左肩から崩れてコラプシングの反則を取られていました。1st Scrumと同様、America 3番が内側に移動している影響かなと考えています。
HO 原田選手の背中の寄せも素晴らしいですね。
筋力と柔軟性を兼ね備えており、左右のPRが自身から離れないように密着しています。
3番竹内選手は、ロックが頭を入れやすいように左膝を開いています。
この様にすると、立ち位置を変えずにロックが頭を入れるスペースを作る事が出来ます。
これは1番側も同じです。
1st Scrumで触れませんでしたが、三浦選手も非常に上手でした。
バインド時のブレも非常に少なく、綺麗な形で組み合えています。
ヒット後、伸び切ってから足を詰めて相手に圧力を掛けるSpringboksのようなScrumでした。
バック5が足を詰めてから前に出ているので、物凄く理想的な動きでした。
欲を言えば、足を詰めるタイミングを後ワンテンポ早く出来れば、崩す危険性が少なくなります。
最初から少し伸びていた事を考えると、伸び切ってもScrumを崩さないように練習するか、立ち位置を1/4歩前にするかで修正をしたいです。
このScrumの後、良いヒットで竹内選手が前に出るも膝が伸び切ってしまい、自分からScrumを崩してコラプシングの反則を取られています。
外部環境としては、今回のレフリーが組み合った後に、少しでも前に出たらアーリーエンゲージの判定をしています。
だからこそ、ヒットで前に出るかどうかの判断が難しい場面でした。
組み合った後、小股で相手の姿勢を崩して、ボールインと共に圧力を掛けられた点は今後の糧になります。
England戦の時のヒットスピードも戻ってきましたし、少しずつ改善が出来ています。
また、78:00〜のScrumもセットアップからヒット後の動きまで物凄く良かったです。
ただ、仕留め切る部分で少しブレが出てしまったのかなと感じました。
あそこで押し切れたら確実にBest Scrumでした。
惜しかったですね。
終わりに
本日は、アサヒスーパードライ Pacific Nations Cup 2024 Japan vs Americaの試合を解説しました。
今回はHO 坂手選手の活躍が目立ちました。
先発したフロントローも安定してScrumを組めており、争いが激しくなってきましたね。
Scrum Love Clubでは引き続き、JAPANの 超速ラグビーの要となるScrum研究に邁進していきます。
管理人としては、読者の皆さんがScrumをもっと理解して、ラグビー観戦がもっと楽しくなるように発信していきます。
また良かったら拡散をお願いします。
本日もご覧頂きありがとうございました。
また次の記事でお会いしましょう。
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