本日のテーマ
本日は、第60回全国大学ラグビーフットボール選手権大会 準決勝 帝京大学vs天理大学の試合を解説していきます。
3連覇を狙う王者帝京大学に対して、2020年度以来の王座奪還を狙う天理大学の一戦でした。
夏合宿は負けてしまった天理大学でしたが、今回は良い勝負が出来ましたね。
負けはしましたが、来季に繋がる良い試合でした。
それでは、試合結果・1st Scrum・Best Scrumを見ていきましょう。
試合結果
帝京大学 22vs12 天理大学
FW体重 帝京大学 861kg / 天理大学 801kg
1st Scrum 2:42~
気になるは1st Scrum 2:42〜です。
帝京大学陣ハーフライン付近、天理大学ボールのScrumです。
1本目は、お互いの間合いが合わず組み直しとなりました。
お互いバインドの後足を下げるため、その際に下げるタイミングと圧力をかけるタイミングが合いませんでしたね。
また、両チーム共に完全に腕を伸ばさずに圧力を掛けていたため、駆け引きの部分で当事者にしか分からない力が働いた可能性も考えられます。
印象的だったのがお互いセットする前に、帝京大学9番がフロントローに対して声掛けをしていた事です。
FWだけでなく、チーム全員が1st Scrumに掛けている事が分かるシーンでした。
声掛けをしたら強くなるわけではありませんが、気持ちの面で良い影響があったのかなと考えられます。
2本目は、ヒットで天理大学が優勢でしたね。
バック5の足の動きを見ても、面を取れている印象でした。
今シーズンの天理大学は、ヒットスピードが物凄く良く、そこを基点に自分達より重たい相手を次々と押していきました。
自分達の体格を理解して、そこを強みに変えられるように鍛錬を積んできたものと考えられます。
組み合った後は60kg重たい帝京大学がプレッシャーを掛けました。
両チームScrumに拘ってきたと思いますが、最後は体格差が勝敗を分けましたね。
ヒットで少し受ける形となりましたが、フロントローの塊は継続出来ています。
また、天理大学1番側が圧力に負けて足を下げた影響により、帝京大学3番側が押しやすい状況が出来ました。
バック5の足の動きを見ても、天理大学が大きく後退しています。
姿勢が崩されて、バック5の押しを上手く貰えない状況だったため、天理大学がプレッシャーを受ける事となりました。
Scrumは体重だけでは勝てませんが、重たい方が有利なのは事実です。
夏合宿では良い感じに組み合えていたため、秋シーズン中の強度が明暗を分けたのかなと考えます。
ただ、良い時間帯もありました。
Best Scrumでは取り上げませんが、62:21〜天理大学陣ゴール前5mでのScrumバトルです。
複数回反則を取られて警告を受けるも、最後の最後で帝京大学を押し返しペナルティを獲得しています。
このScrumは今後の天理大学の糧になると信じています。
今季は7シーズンぶりに関西勢が2校残りました。
来季こそ、関西リーグのチームが優勝争いをして欲しいところです。
Best Scrum 70:49~
気になるBest Scrumは70:59~です。
帝京大学陣10m-22m、帝京大学ボールのScrumです。
帝京大学の凄さを改めて感じたScrumです。
これだけ強度が高い試合で、この時間帯に相手を押し切れるだけの力があるのは素晴らしいです。
1本目は組み合った後Scrumが回転したため組み直しとなりました。
組み合った後、帝京大学1番側が外側に足を踏み出しています。
天理大学1番側も身体が外側にズレており、時計回りに回転する力が掛かった影響だと考えられます。
回転しましたが、ヒットで優勢だったのは帝京大学でしたね。
天理大学も相手より低くセットしているのですが、ヒットの段階で浮かされて懐に潜られています。
立て直すためには、どうしても足を後ろに下げる必要があり、よりプレッシャーを受けるという悪循環でした。
1本目のScrumで、帝京大学が割れずに内側へ圧力を流していればイリーガルホイールの反則を獲得出来たのかなと考えます。
2本目は、組み合った後Scrumが崩れて組み直しとなりました。
バインドの段階で、お互いの膝が詰まっていたため、非常に窮屈な体勢でした。
どちらかが前に出て相手の姿勢を崩せたら良かったのですが、ヒットで互角だったので難しかったですね。
2本目も反則がありませんでしたが、これまでのScrumを踏まえると天理大学が反則を取られてもおかしくなかったかなと考えます。
3本目はヒットで帝京大学が前に出て、そのまま押し切りペナルティを獲得しました。
その前と違い、フロントローが良い姿勢を保てており、バック5の膝の伸びも素晴らしかったです。
ヒットスピードに拘ってきた天理大学のお株を奪うような良いヒットで天理大学を押し切りました。
また、ヒットした後もバック5が細かく足を詰める事でフロントローに伝える力が途切れないようにしていました。
無理に大股で押そうとすると、足を動かしている間に力が緩くなってしまいます。
上手い選手だと、力の掛かり具合が分かるため、その瞬間カウンターの押しを貰うことになります。
そうならないために、小さい幅で押す事が大切です。
日々の練習の中で、無理やり押そうとせずに細かいところまで意識してるのだなと感じました。
タイヤ押しや亀といったScrumの基礎が出来ているからこそ、しんどい時間帯でも体現する事が出来ます。
関西リーグ出身としては、天理大学が電車道されている姿を見るのは辛かったです。
それぐらい帝京大学のScrumが良かったのだと思います。
決勝戦もScrumで圧倒してる姿を見たいですね。
終わりに
本日は、第60回全国大学ラグビーフットボール選手権大会 準決勝 帝京大学vs天理大学のの試合を解説しました。
チーム関西は敗れてしまいましたが、関東の優勝校に対して真っ向から立ち向かいました。
来季こそ、関西リーグから優勝校が出る事を期待しています。
自分のペースになりますが、Scrumをもっと理解して、ラグビー観戦がもっと楽しくなるように発信していきます。
引き続きラグビー観戦を楽しんでいきましょう。
本日もご覧頂きありがとうございました。
また次の記事でお会いしましょう。
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