本日のテーマ
本日は、RWC2023決勝 南アフリカvsニュージーランドの試合を解説していきます。
決勝リーグを全て1点差で勝ち切った南アフリカがRWC連覇を果たしました。
南アフリカ、おめでとうございます。
セットプレーの精度やDFの圧力が激しく、そこを起点に勝ち切りました。
プール戦でマークス選手が怪我をしたり、試合序盤にムボナンビ選手が怪我をするなど、プラン通りとは言えないでしょう。
それでもチーム力で勝ち切りました。
対するニュージーランドも、開幕戦のフランス戦で負けてからここまで勝ち上がってきました。
夏のテストマッチの成績も振るわず、一時は監督解任の声も上がっていたかと思います。
それでも、本番ではしっかりと結果を残して、年間最優秀コーチにノミネートされています。
本番を迎えるまでは、あくまで予想しか出来ません。
この決勝戦、優勝を誰が予想出来たでしょうか。(管理人の予想は外れました)
4年後どのような形で迎えるか分かりませんが、楽しみに過ごしたいところです。
それでは、試合結果・1st Scrum・Best Scrumを見ていきましょう。
試合結果
南アフリカ🇿🇦 12vs11 ニュージーランド🇳🇿
FW合計体重:南アフリカ 924kg/ニュージーランド 906kg
1st Scrum 07:29〜
気になる1st Scrumは07:29~です。
ニュージーランド陣22m内、ニュージーランドボールのScrumです。
開始早々、プール戦から身体を張り続けたムボナンビ選手が怪我の影響で交代しました。
ですが、交代しても高い精度でScrumが組めていましたね。
HO経験の浅いフーリー選手ですが、流石南アフリカのスコッドに入るだけの実力の持ち主でした。
両チーム非常に綺麗なセットアップでしたね。
気になったのは、セットする位置です。
レフリーがマークした位置からニュージーランドは真っ直ぐ半歩後ろに、南アフリカは半歩左側にセットしています。
意図的にしたのか分かりませんが、両チームの特徴が出たセットアップでした。
バインド時には、南アフリカが大きく足を下げて相手に体重を掛けてきましたね。
20kg近く体重で勝っていたため、その部分を全面に押し出してきました。
対するニュージーランドは殆ど動かさず、コンパクトな Scrumだったと感じています。
日本の場合も殆ど足を動かさない Scrumなので、ニュージーランドの方が参考にしやすいかなと考えてます。
ヒットは南アフリカ優勢でしたね。
特に、バック5の膝の伸びが全然違いました。
コールと共に5人全員が極限まで膝を伸ばしてヒットしているため、勢いとその後の重さがしっかりと相手に伝わる Scrumでした。
W杯の試合を見ていて、南アフリカは前に重さを乗せて、相手が崩れたところに畳み掛ける Scrumなのかなと考えています。
僕も含めて日本の多くの指導者は、ヒットしてから必ず足を詰めるように教えています。
だけど、南アフリカのように乗り切ってから前に畳み掛ける組み方も引き出しの一個として持っておきたいですね。
勿論、足が伸び切った事により Scrumが崩れる可能性や相手を崩せなかった時にカウンターを食うデメリットがあります。
その部分も踏まえて、選手と共に良い Scrumを構築していきたいですね。
指導が一辺倒にならないよう、気をつけていきます。
組み合った後は南アフリカがプレッシャーを掛けました。
セットする位置をずらした影響で、ニュージーランドが1・2番の間を割られています。
南アフリカ側としては、敵陣1st Scrumだったので、非常に良い形で組めたかなと考えます。
Best Scrum 79:52〜
気になるBest Scrumは79:52~です。
ハーフライン付近、南アフリカボールのScrumです。
ニュージーランドが1点差を追う展開、南アフリカにシンビンがあり、14人同士の戦いでした。
1本目、2本目ともにニュージーランドがプレッシャーを掛けるも、T.Oとはならずフルタイムとなりました。
1本目に関しては、良い形でヒットが出来ていましたが、ボールインのタイミングと合わず、組み直しとなりました。
タラレバにはなりますが、しっかりと組み合ってボールが投入されていたなら、ニュージーランドがT.O出来ていたかなと考えています。
Scrumはお互いが力を掛け合う事で、止まる事が出来ます。
ルール上、ボール投入前に1度止まらないといけないのですが、相手に引かれたり、自分だけが前に出てしまうと動いてしまいます。
ここが Scrumの難しいところですね。
ただ、そこも踏まえて、レフリーがアーリープッシュで終わらせず、組み直しを選択したところが素晴らしいなと感じました。
2本目はヒットは互角でした。
その後、ニュージーランドがプレッシャーを掛けに行くも、大股で外側に足を踏み出したながら押しに行ったため、 Scrum全体が反時計回りに回転しました。
両サイドが互角な状態で無理にプレッシャーを掛けにいったからですね。
特に、18番がバインドを外しながら前に出ようとしていたことを考えると、逆転のチャンスを何とか獲得しようと、なりふり構わず押しにいった結果です。
王座奪還に向けて、本当に最後のチャンスだったので、そこを上手く掴みたかった一心だと思います。
そう考えると、南アフリカは少し余裕を持って組めていましたね。
W杯決勝の最後を飾る良い Scrumでした。
LeagueOneでも多くの選手が見られるので楽しみです
終わりに
本日は、RWC2023決勝 南アフリカvsニュージーランドの試合を解説しました。
遂に、4年に1回の祭典が終わりました。
管理人は、この4年間で社会人となり、結婚をして、子供が産まれました。
コロナ禍で意識が逸れていましたが、それだけ長い年月が経っています。
次の4年間はもっとScrumを楽しめるようにしていきたいですね。
読んでくれる方が、もっとScrumを理解して、ラグビー観戦がもっと楽しくなるように発信していきます。
本日もご覧頂きありがとうございました。
また次の記事でお会いしましょう。
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