試合結果
早稲田大学 49-21 慶應義塾大学
早稲田大学 311kg / 796kg
慶應義塾大学 318kg / 815kg
1st Scrum 0:25〜
慶應義塾大学陣22m上、早稲田大学ボールのスクラムです。
1本目は間合いが合わず組み直し、2本目はレフリーのコールより先に慶應義塾大学が仕掛けたため、アーリーエンゲージの反則を取られました。
スクラム含めてセットプレー全体の仕掛けが早く、チャレンジャー精神が空回りしたと考えています。
セットアップから見ていきます。
早稲田大学は、1番とHOで慶應義塾大学3番/HOと3番で慶應義塾大学HOを挟み込む形でした。
スロットを1歩左側にずらしており、3番前田選手の強さを活かしながら、面で前に出たいのかなと考えました。
スロットをずらす事で、圧力を受ける面を減らせます。
1番側が外に流れやすいデメリットはありますが、密着感あるセットアップのため、問題ないと考えます。(問題が出てきたのが、Pickup Scrum)
バック5は真っ直ぐ、フランカーの身体より頭を外側に置くセットに新鮮味を感じました。
対して慶應義塾大学は、早稲田大学のフロントローに対して1時の方向へ身体を傾けていました。
スロットがズレているので、コンテストするために早稲田大学の方を向いています。
特に、3番中谷選手が外側に頭を向ける意識が強かったです。
ただ、バインドを1時の方向/身体は11時の方向へ傾いていました。
本人の癖なのか、コーチの指導なのか分かりませんが、ちぐはぐなセットアップに感じます。
外→内に行くなら、バインド/身体を1時の方向に張りながら、組み合う時に内側へ圧力を掛ける。
もしくは、ヒットで外側に早稲田大学1番を弾いた後、前に出る時に内側へ入り込む。
このどちらかが良いと考えています。
また、世界的に3番のイン組みが反則を取られる傾向が強く、それを踏まえると次に繋がらない組み方になりそうです。
180センチ115kgと恵まれた体格で、外に張る意識も強いので、敢えて内側にいかずシンプルに外張りの方がより前に出やすいです。
バック5は真っ直ぐ、早稲田大学と比べると隙間が多い印象でした。
結果は最初お伝えしたとおり、1本目組み直し・2本目は慶應義塾大学のアーリーエンゲージでした。
Pickup Scrum 43:37〜
慶應義塾大学陣10-22m、慶應義塾大学ボールのスクラムです。
組み合った後、慶應義塾大学が前に出てスクラムが崩れたため、早稲田大学がコラプシングの反則を取られました。
1st Scrumで外張りの方が良いと言ったのは、このスクラムでコラプシングを取れたからです。
早稲田大学に対して、慶應義塾大学が全体的に1時の方向を向いたため、早稲田大学1番側に圧力を集められています。
慶應義塾大学3番中谷選手が1時の方向に張った際、早稲田大学1番杉本選手が外側に1歩割れています。
動いて出来た隙間を、慶應義塾大学が身体を外に向けて埋めて、綺麗な外張りの形が出来ています。
ヒットの動きも慶應義塾大学の方がシャープでしたね。
上下のブレも少なく、シンプルに真っ直ぐ圧力を伝えられています。
そのため、早稲田大学が圧力を受けて下がり、姿勢が保てなくなったため、スクラムを崩したと考えています。
筑波大学戦も思いましたが、慶應義塾大学良いスクラム組めるんですよね。
それを80分間体現出来たら、対抗戦上位陣に勝てるかなと感じました。
Best Scrum 4:35〜
慶應義塾大学陣ゴール前5m、慶應義塾大学ボールのスクラムです。
組み合った後、早稲田大学が押し切り反則を獲得しました。
セットアップは、1st Scrumで見たとおりです。
早稲田大学が組みたいように組んで、押し切ったスクラムでした。
このセットアップに対して何も対策しないと、自チーム1番はマトモに組めない/3番は逃げ場がなくて簡単に後ろに下がる事になります。
また、間を分断されるため、今回の慶應義塾大学HOのように、バインドが外れてしまいます。
ゴール前スクラムで、No.8がスクラムに100%コミット出来ない影響もありますが、慶應義塾大学がなす術なく押された印象でした。
早稲田大学のセットアップが綺麗にハマったスクラムでした。
伝統の一戦なので、慶應義塾大学はいつも以上に気合が入っていたはずです。
その雰囲気を早稲田大学ムードに変えたスクラムでした。
(Pickup Scrumからは、メンバーが変わった影響もあり、慶應義塾大学が盛り返しています。)
『スクラムをシンプルに分かりやすく』
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