試合結果
東京山九フェニックス 14-19 YOKOHAMA TKM
東京山九フェニックス 234kg / 577kg
YOKOHAMA TKM 225kg / 570kg
1st Scrum 03:56〜
フェニックス陣10m付近、フェニックスボールのスクラムです。
組み合った後、TKMが圧力を掛けるも動かずボールアウトとなりました。
セットアップから見ていきます。
フェニックスは、HOが足を上下に開いてセットした所に、両PRがバインドしています。
勢いよく肩を抜かないため、両PRの肩がHOの脇付近にある状態でセットしています。
バック5は真っ直ぐ、全体的に1番側へ寄っているように感じます。
No.8は、ロックを支えるために直立。Springboksを彷彿させるセットアップでした。
対してTKMは、HOが沈み込んだ位置に両PRがバインドしています。
フロントローのセットアップが面白かったので、いつもより詳しく見ていきます。
HOは、3番→1番の順番でバインド。バインドする時に、背泳ぎのように腕を回してPRをバインドしていました。
腕を後ろに回しながらバインドする事で、肩が背中側に回り、背中の筋肉を固める事が出来ます。
余談ですが、ベンチプレスをする時も背中を固めてから行うと、より重量を挙げられると聞いた事があります。
背中を寄せる事で、胸が張り、セットアップの段階から相手の頭を窮屈に出来ます。
また、肩の分だけHOがスリムになるので、PRが寄りやすくなります。
結果的に、味方にとってプラス/相手にとってマイナスな状況を作る事が出来ます。
1番は、HOと同じ位置にセット。足幅を狭くしながら沈み込み、低くなります。
1番とHOが同じ位置にいる事で、頭と肩で面を作る事が出来ます。
相手3番は、1番とHOの間に身体を入れてスクラムを組むため、面がある状態と無い状態だと組み易さが違います。
肩の抜き方は、身体を横に小さく開いています。
動きの幅が小さいので、バインド時に作った密着感を保てています。
3番側は、HOより半歩前に出るようにセットしています。
スクラムの動かし方を見る限り、3番主導のスクラムが多かったので、セットアップから意識している事が分かります。
左腕のバインド位置がHOの左半身のため、気持ち左側に傾いているように見えました。
足の位置を1歩HO側に寄せてバインドする位置を頭1個分右側にすれば、身体を真っ直ぐにしながら、今より密着感あるスクラムが組めると考えます。
このように、フロントローのセットアップを見るだけでも、TKMがスクラムに拘っている事がよく分かります。
バック5は真っ直ぐ、3番側のフランカーのみ支えるためにバインドまで身体を起こしていました。
もしかすると、3番藤選手のフロントロー経験が浅く、セットアップで姿勢を保てないから支えているのかも知れません。
3番主導で半歩前にいるので、支え無く組めたら更に圧力を掛けられます。
頭の位置や組み合った後の身体の位置は凄く良いので、更なる飛躍を期待しています。
ヒットはTKM優勢、組み合った後全体的に左側へ流れました。
マイボールスクラムなら、そのまま左側に流してスクラムをコントロールすれば良いです。
今回はフェニックスボールのため、反則なくボールアウトとなりました。
Pickup Scrum 42:33〜
TKM陣10-22m、TKMボールのスクラムです。
組み合った後、フェニックスが圧力を掛けて前に出るも、カウンターを喰らいTKMが前に出ました。
TKMが左側に流れながら前に出ている事、フェニックス1番の身体が45°近く傾いている事からアングルの反則と考えています。
押し切ったTKMに天晴れです。
でも、今回注目したいのはTKM 1番吉田選手の頭の位置です。
42:45〜フェニックス3番岸本選手とTKM 1番吉田選手が大きく映ります。
レフリーと重なり見辛いですが、TKM 1番吉田選手の頭がフェニックス3番岸本選手の右肩下付近にある事が分かります。
この位置に頭を置く事で、フェニックス3番岸本選手は右腕を下げにくくなり、低い姿勢を保ちにくいです。
その位置から↖️に突き上げるようにバインド、更にフェニックス3番岸本選手の身体が浮き上がります。
この時点で、フェニックス3番岸本選手の右肘が天井を向き、ジャージの胸にあるロゴが画面上でも確認出来るぐらい左側へ傾いています。
対してTKM 1番吉田選手は、上半身が浮き上がるものの、下半身は伸びずにヒット出来る体勢を作っています。
組み合った後、お互い下向きにヒットしたため、沈み込みます。
組み合った時も、フェニックス3番岸本選手の右肘は天井を向いたまま、頭よりも腕が後ろにあるため、右肩が後ろに下がっている事が分かります。
TKMが押し切れた要因はこれだけではありませんが、1番吉田選手が良い位置で圧力を掛け続けて前に出た所が良かったです。
Pickup Scrum 81:48〜
TKM陣10-22m、TKMボールのスクラムです。
安定したスクラムからボールアウトすれば、関東制覇が決まるシーン、フェニックスの意地が見られたスクラムでした。
組み合った後、フェニックスが圧力を掛けてスクラムが崩れたため、TKMがコラプシングの反則を取られました。
セットアップから見ていきます。
今回、フェニックスが4秒早くセットしています。
80分過ぎ12点差の状況なので、勝てる見込みは殆どありません。
それでも、最後トライチャンスを作って終わろう、そんな気持ちが見えます。
ちなみに、押された1つ前のスクラム、Best Scrumは同じタイミングでセットしてます。
自分たちの形を作る事に集中できています。
フロントローの向きは、↗️↗️↖️でした。
HOを抑え込む事で、フッキングする際に圧力を掛けて、T.Oしたい意図が考えられます。
バック5の姿勢も綺麗で、背中のラインが揃っています。
対してTKMのフロントローの向きは、↗️⬆️↖️でした。
3番永井選手は、Japanの時はNo.8をだったので、コンバートしています。
セットアップの際、肩が抜けずに無理やり抜いている印象があります。
コンバートしてから日が浅いのか、対人経験が少ないのか分かりませんが、フロントロー経験は浅いと推測します。
肩が抜けないと、どうしても身体が内側に傾き、真っ直ぐ組み辛くなります。
先程のPickup Scrumでは、TKM 1番吉田選手の位置が良かったですが、今回はフェニックス1番 髙木選手の頭の位置が良かったです。
TKM 3番に沿うように、肩が浮き上がるぐらいの高さに頭を置いています。
そうする事で、バインドで腕を伸ばした時の障壁になります。
また、フランカーがクラウチの段階から膝を浮かせていた/ロックがバインドの早いタイミングで膝を浮かせた事により、バインド時に重さを乗せる事が出来ています。
ヒットは互角、組み合った後フェニックスが1番を軸に前に出て、セットアップの向き通りに圧力を掛けてスクラムが崩れました。
ボールアウトして終わるかと思いきや、最後に意地を見せました。
フェニックスは、今シーズン途中から元日本代表畠山さんがスクラムコーチで携わっています。
来シーズンこそ、関東大会制覇・全国制覇を成し遂げてほしいですね。
Best Scrum 50:41〜
フェニックス陣10m付近、TKMボールのスクラムです。
組み合った後、TKMがズンズン前に出て押し切り、スクラムが崩れたためフェニックスがコラプシングの反則を取られました。
LeagueOneでも、ここまで圧倒してHOが折れるスクラムも見れないので、物凄く興奮しました。
セットアップから見ていきます。
1st Scrumと比べて、TKM 1番がより前に出ている印象を受けました。
相対的に3番が半歩後ろに下がっている印象です。
ただ、押したい方向は3番側、軸も3番です。
バインドで伸びる事で、フェニックス全体を後ろに下げています。
1番は動いていませんが、バック5を見ると後ろに圧力を受けている事が分かります。
外側に張りながら、奥に圧力を掛ける事で、1番の左足に圧力を集められます。
1番は左足重心になると、身体が傾く/外側に割れやすくなるため、綺麗な形で圧力を掛けられています。
ヒットはTKM優勢でした。
バインド時のNo.8の姿勢を比較すると、差がよく分かります。
片膝を浮かせてしゃがみ込むフェニックスに対して、TKMは膝90°お尻を浮かせて頭が地面に付くぐらい低くなります。
このセットアップは、カテゴリー問わず凄く参考になります。
ヒットスピードも速いですし、FW全体の連動性も高いです。
組み合った後、TKM 3番が右腕を絞りながら外側に張る事で、フェニックス1番をスクラムの外側に押しやります。
フェニックス1番が外側に割れる事で、HOとの隙間ができ、そこにTKM 3番が身体を入れて前に出ます。
画面奥側(TKM 1番/フェニックス 3番)や上からの映像が無いのが勿体無いぐらい、良いスクラムでした。
『スクラムをシンプルに分かりやすく』
日頃からScrumLoveClubをご覧頂きありがとうございます。
今後も精力的に活動しますので、引き続き宜しくお願い致します。


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