試合結果
Japan 62-24 Tonga
Japan 334kg / 918kg
Tonga 384kg / 962kg
1st Scrum 13:49〜
Japan陣22m内、Japanボールのスクラムです。
1本目は、組み合う前にTongaが前に仕掛けたため組み直し、2本目は安定して組み合いボールアウトとなりました。
セットアップから見ていきましょう。
Japanは、前回のAmerica戦同様にスロットを被せる形でセットしていました。
被せた上で、HOが低くセットする事で、スクラムの中心から相手を後ろに下げる事が出来ます。
勿論、HOの個の強さが無いと出来ない芸当であり、江良選手の強さがあってこそです。
また、今回は映像の関係で、竹内選手のルーティンが見れませんでしたね。
筑波大学も同じようなルーティンをしており、良い影響が波及しています。
バック5は、フランカーが左右差あるものの角度を付けてセットしています。
America戦とはまた違うセットアップで、特段決まりが無いのかなと考えています。
僕の分析不足で見れてない部分もあるので、もし気が付いた点がある方は、教えてください。
対してTongaは、1番・HOは↗️3番のみ⬆️を向くセットアップでした。
プロフィールを見ても、1番125kg・3番151kgと規格外の重さがあります。
これだけ体重があるなら、3番主導で前に出れば良いだけですね。
Japanも体重差に関しては警戒しており、1本目でわざと相手が前に出るように仕掛けたのかなと感じました。
それまでの試合を見てないので推測ですが、バインドの段階で重さを乗せるために前に出てくるシーンがあったはずです。
だからこそ、1st Scrumは敢えて相手が先に動くように準備していたのかなと見えました。
そうする事で、心理的に前へ出にくくなり、その後のスクラムで優位に立てる余地が生まれます。
2本目は、セットアップで1歩間合いを近くしています。
その上で、左側へスロットをずらしたように見えました。
Tonga 1番が想定よりも外側に立っている事とTonga 3番を抑え込むためだと考えています。
1本目より間合いを詰めているため、クラウチでTongaが半歩後ろに下がりました。
バインドはJapanが先手を取りますが、バインドしたい位置にTongaの腕があり、バインドするタイミングが遅れました。
バインドした位置から推測すると、Japan3番は真っ直ぐTonga 1番とHOにアプローチしたかったのだと考えています。
上からの映像及び逆側の映像があれば、もっと色々見えそうです。
身体の向きも正対していますし、非常に綺麗な姿勢でした。
竹内選手、Japanに選ばれてから凄くスクラムの精度が高くなりました。
元々、フィールドプレーが凄く良く、スクラムが良くなれば更に上を目指せると感じていました。
実際、その通りになりました。
フィールドプレーが良いならスクラムを伸ばせば良いし、スクラムが良いならフィールドプレーが良くなるように練習を重ねるのが良いです。(S東京ベイ 紙森選手が良い例)
現代ラグビーは、ポジション限らず幅広いスキルが求められます。
それでも、フロントローの役割はスクラムを組む事、そこで優位に立つ事です。
フロントローがスクラムから逃げたら絶対後悔します。
もし、スクラムに苦手意識があるなら、連絡してください。
Best Scrum 17:08〜
Tonga陣ゴール前5m、Japanボールのスクラムです。
組み合った後、Japanが1歩前に出てからスクラムがポール側に流れたため、空いたスペースをNo.8ファカタヴァアマト選手が飛び込み、追加点を重ねました。
Japanが組みたいスクラムを組んだ上で、Tongaがそれに対応してきました。
セットアップは1st Scrumと変わらず、3番竹内選手のバインド位置が1st Scrumと比べて肋骨側に移動しました。
バインドする際も、手首を90度回転させて外側への圧力を強めています。
Tonga 1番の左足が外側へ流れて、バインドを張りにくくなっても、自身の身体をコントロールしていました。
スクラムはヒットするまで自立出来るか、凄く重要な要素です。
竹内選手の場合は、バインドで外側に張りつつ、自身の身体をコントロールしながら自立しています。
前後左右から圧力が掛かる3番の位置で、ここまで安定した姿勢を保てるのは素晴らしいですね。
体幹が強く、自分の身体に対する感度も高い証拠です。
ヒットはJapan優勢、欲を言えばヒットの勢いのまま押し切りたい場面でした。
ただ、前に出る際にJapan全体が↖️を向いていたのに対して、Tongaは↗️に圧力を掛けてきました。
スクラム全体で見ればイーブン、場所を考えればJapanの勝ちでした。
Tongaは、無理やりアングルを変えてJapanのスクラムに対抗しており、トライが取れなかったとしても、アングルの反則を貰えたでしょう。
50kg近く差がある相手に対して、対等以上に組み合える力があります。
決勝のFiji戦は勿論のこと、Wallabies、SpringboksやIrelandとの試合が楽しみですね。
精度の高いスクラムを期待しています。
ScrumLoveClubでは、オンライン・スポットコーチング受付中です。
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