試合結果
Japan 23-24 Wales
Japan 329kg / 893kg
Wales 365kg / 921kg
1st Scrum 11:30〜
Wales陣ゴール前5m、Walesボールのスクラムです。
組み合った後、Japanが圧力を掛けますが押し切れずボールアウトとなりました。
セットアップから見ていきます。
Japanは、先週から3番竹内選手→為房選手に代わっていました。
その影響か、セットアップの際に為房選手の左肩が上手く抜けず、クラウチの前に再度動かしている様子が見られました。
肩が抜けないと、Ireland戦のように身体が内側へ傾くため、気をつけたい所です。
また、スロットは左側へ半歩ズラしていました。
Wales 3番Archie Griffin選手が重たいので、Japan 1番小林選手と協力しながら組みたい意図が伺えます。
小林選手はHOに寄りながら組める傾向が強く、3番の経験が1番で組む時に活かされているかなと感じてます。
立ち位置も管理人好みの位置で、凄く良い印象でした。
ロックは膝をついた状態から真っ直ぐ頭を入れていました。
頭を入れる際、両PRが膝を開いて隙間を作っています。
ほんの少しの手間ですが、これをする事でロックが頭を入れた際にPRが外側に押し出されにくくなります。
バックローは真っ直ぐ、クラウチのコールまでにスクラムが組める体勢を作っていました。
対してWalesですが、フロントローの細かいセットアップは見れませんでした。
ロックはバインドした時に、相手へ直ぐに圧力を伝えられるように、外側の膝を浮かせた状態でセットしていました。
No.8も同様に膝を浮かせてセットしています。
大きく股を開いているため、重さが乗り切らないかなと見ていて感じます。
フランカーは、Japanと同様に膝をついてセットしていました。
予想通り、Walesがバインドで圧力を掛けてきました。
圧力を受けつつも、Japanは綺麗な姿勢を保てており、良い形で準備が出来ています。
ヒットはJapan優勢、前のめりで圧力を掛ける分、ヒットで出にくくなるのでJapanが優位に立てたと考えています。
組み合った後は、Walesが後ろに下がりながら左側へ圧力をズラして来ました。
Japan HO佐藤選手がWales 3番、3番為房選手がWales HOを抑え込めたため、回される事なくボールアウトとなりました。
もし、Japanがヒットで受けていれば、Walesが前に出ながら圧力の方向をズラせるので、反則を取られたかもしれません。
今回は、Wales HOが浮き上がっている上に、1番が外側に割れて前に出ているため、反則を取られませんでした。
Japan HOと3番の間を割られている点は気になりますが、反則なくボールアウトとなったため良かったです。
ヒットで前に出ると反則ですが、ヒットで優位に立つことは今後も重要になりそうです。
Best Scrum 70:52〜
Wales陣ゴール前5m、Walesボールのスクラムです。
組み合った後、Wales 1番主導でスクラムが流れたため、Japanがイリーガルホイールの反則を取られました。
2点リードの中、ゴール前スクラムだったので反則なく組みたかったシーンです。
Japan 3番竹内選手は、Ireland戦から修正してきました。
身体の向きも真っ直ぐですし、立ち位置もHOより1歩前に立っていました。
本来の位置に戻ったといえます。
ただ、それでもなぜ押されたのか。
Wales 1番の動きを見ていきます。
セットアップの立ち位置は、Japan 3番に対して耳と耳が擦れる位置にセットしていました。
頭をぶつけることなく、鎖骨の下付近に頭を置いています。
その位置に頭を置いて、バインドの際に足を外側へ半歩開きました。
真っ直ぐではなく、アングル気味に組むためです。
この動かし方は面白いなと思ってます。
最初真っ直ぐセットした上で、バインドの際に外側にズレる。
そうしたら、相手3番はアングルに対して警戒感が薄れるはずです。
なので、アングル気味に組めば、相手の不意を付ける可能性があります。
全体的な最近の傾向として3番が内側に入る事が多くなっています。
そのため、アングル気味に組む事の有効性が再度出てきたかなと感じてます。
今回のスクラムも、組み合った段階でWales 1番が外側から圧力を掛けており、Japan 3番の右肩が下がっています。
右腕が頭よりも後ろに下がっているため、相手を絞る圧力が小さいです。
逆に、Wales 1番も左肘を曲げており、崩れるリスクを背負いながら組んでいました。
押す際に、再度1歩外側へ膨れてから圧力を掛けてきました。
フランカーも3番の動きに合わせて外側に膨れており、Japanとしては外側から刺された感覚です。
角度は急でしたが、反則は取られませんでした。
真っ直ぐ低く組んでいる相手に対して、斜めから圧力を掛ける事で体勢を崩す。
アングルの組み方を丁寧に見せられたスクラムでした。
『スクラムをシンプルに分かりやすく』
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