試合結果
筑波大学 13-39 早稲田大学
筑波大学 310kg / 798kg
早稲田大学 311kg / 796kg
1st Scrum 4:28〜
筑波大学陣10-22m内、筑波大学ボールのスクラム。
組み合った後、殆ど動かずボールアウトとなりました。
スクラムに拘ってきている事がよく分かるスクラムで、非常に見応えがある試合でした。
早稲田大学は、1番↗️HO⬆️3番⬆️のオーソドックスな外張りの形でした。
ただ、お尻よりも頭の方が感覚が狭く、筑波大学としては窮屈感を覚えたように感じます。
フランカーは、1番側が角度を付ける/3番側は半身スクラムの内側になるように寄せています。
フロントローの密着感を出しつつ、3番主導でアクセルを踏むために、この形にしていると考えました。
また、印象的だったのは、バック5が膝を90度以上詰めていた事です。
フロントローと密着出来るため、スクラムの強度は高まる反面、ロックが窮屈になり組み辛いと考えていました。
映像を確認すると、フロントローがバインドをしてから膝を浮かす事が出来ており、このセットアップも可能な事が分かりました。
勿論、早稲田大学が拘って作り上げたセットアップなので、一朝一夕に真似は出来ません。
でも、凄く良い例として取り上げる事にします。
対して筑波大学は、FW8人の密着感を重視するため、全体的にコンパクトにセットしていました。
フランカーもフロントローに沿う形でセットしています。
セットアップの段階で密着する事、組み合った後で低く沈む事はトレンドなので、忠実に体現しています。
組み合った後、早稲田大学3番が上下に揺さぶりを掛けるも、筑波大学が耐え切り、ボールアウトとなりました。
相当圧力を受けていますが、全身を使って耐え切りましたね。
首だけだと、その後の姿勢が崩れますが、足裏を地面に全部つけて耐えています。
足裏が付く事自体驚きです。
凄く良い勝負が見られました。
Pickup Scrum 19:21〜
筑波大学陣ハーフライン付近、早稲田大学ボールのスクラム。
組み合った後、ヒットで優勢だった早稲田大学が圧力を掛けるも、返り討ちに遭いボールアウトとなりました。
どれだけ良いヒットをしても、バック5との連動性が無ければ押し切れない良い例です。
・13:36〜(1本前に早稲田大学がペナルティを獲得したスクラム)と比べて、バック5の膝が浅い
・フロントロー同士の間合いが頭一個分遠い
上記の2つから、早稲田大学がよりヒットで前に出てしまったのかなと考えています。
ヒットで動き過ぎると、フロントローとバック5の接続が弱くなり、停滞した後に再度仕切り直す必要があります。
今回の場合は、組み合った後に早稲田大学フロントローが浮き上がっているため、拮抗した圧力が上に向いたと考えています。
筑波大学の密着感に対して、早稲田大学がヒットで崩す選択をした点は共感出来ました。
ただ、ヒットで崩した後どうするかまで考え切れてなかったと、個人的に反省しています。
Best Scrum 68:28〜
早稲田大学陣10m上、早稲田大学ボールのスクラムです。
組み合った後、早稲田大学が押し切り、耐え切れなかった筑波大学が頭を上げたため、ヘッドアップの反則を取られました。
これだけ綺麗な3番外張りのスクラムを久しぶりに見れたので、凄く興奮しています。
ヒットは互角、組み合った後の姿勢を見ても互角でした。
全体で見ると互角ですが、細かい所を見ていきます。
組み合った後、早稲田大学3番が身体を伸ばして、真っ直ぐしている事が分かります。
そのため、筑波大学1番側が身体だけ下がります。
スクラムは3番が出れば、全体が前に出ます。
フロントローが前に出た分、ロックも右足を1歩前に出しています。
No.8も5番側に寄りながら、足を詰めて密着感を保っています。
後ろの押しを前に伝えるのが、フロントローの仕事なので、良い押しを貰って前に出たらその後も押しを貰い続けます。
ボールインの前、1番側のフランカーも右足を1歩前に出しました。
前に出る準備が出来ている早稲田大学に対して、耐える事が精一杯の筑波大学。
筑波大学3番は、早稲田大学1番とHOから上下にサンドイッチされています。
筑波大学1番が下がる事で、筑波大学HOも引っ張られるため、必然的に3番との密着も薄くなります。
引っ張られて浮いた所を、早稲田大学1番が下から突き上げる形で圧力を掛けます。
その結果、筑波大学のフロントローの身体が内側を向き、早稲田大学は真っ直ぐ組んでいるため、3番川へ寄りながら前に出る事が出来ました。
管理人個人としては、筑波大学3番茨木選手はJapanを狙える逸材だと確信しています。
それを押し切った早稲田大学1番杉本選手に天晴れですね。
HO清水選手も良いですし、3番前田選手も綺麗な外張りでした。
両チーム凄く良いスクラムを組むので、今シーズンは必ず見るようにしています。
もっと取り上げたいスクラムがあるので、また追記しているかもしれません。笑
ちなみに、Best Scrumが気になる方は、68:37(組み合った瞬間)、68:38(組み合った直後)、68:39(ボールイン)の画像を見比べてみてください。
違いがよく分かると思います。
『スクラムをシンプルに分かりやすく』
日頃からScrumLoveClubをご覧頂きありがとうございます。
今後も精力的に活動しますので、引き続き宜しくお願い致します。
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