帝京大学 vs 明治大学

大学ラグビー
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本日のテーマ

本日は、第60回全国大学ラグビーフットボール選手権大会 決勝 帝京大学 vs 明治大学の試合を解説していきます。

帝京大学3連覇おめでとうございます。

明治大学は100周年を優勝で飾る事は出来ませんでしたが、対抗戦で大敗した相手に対して真っ向勝負でぶつかり合えたのかなと考えます。

雷の影響で一時中断するなど、選手・スタッフ・観客にとって厳しい時間帯があった試合でした。

観戦された方、遅くなりましたがお疲れ様でした。

それでは、試合結果・1st Scrum・Best Scrumを見ていきましょう。

試合結果

帝京大学 34vs15 明治大学

FW体重 帝京大学 864kg / 明治大学 820kg

第60回全国大学ラグビーフットボール選手権大会 決勝 |大会・試合情報|日本ラグビーフットボール協会|RUGBY:FOR ALL「ノーサイドの精神」を、日本へ、世界へ。
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1st Scrum 0:20~

気になるは1st Scrum 0:20〜です。

帝京大学陣ハーフライン付近、天理大学ボールのScrumです。

ハーフライン上、帝京大学ボールのScrumです。

明治大学がキックオフのボールをダイレクトに出してしまったため、帝京大学ボールのScrumとなりました。

明治大学は入りが少し良くなかったですね。

チャレンジャーとして気持ちが昂っていた事は分かりますが、セットプレーに定評のある帝京大学にチャンスを与えてしまいました。

結果は、組み合う前に明治大学1番側が前に出てしまったため、アーリープッシュの反則を取られました。

帝京大学3番が少し後ろに下がっていた影響もあると思いますが、勿体なかったです。

映像だと丁度、帝京大学9番が真ん中に立っているため分かりやすいですね。

今回印象的だったのは、帝京大学フロントローのセットアップです。

1番→3番とHOと密着してセットするのですが、帝京大学1番の肩の抜き方が綺麗でした。

動き幅がコンパクトであり、力尽くに動かしている印象はありません。

むしろ、スルッと抜けているように感じます。

セットアップの際に、外側に開きながら肩を抜いてしまうと、身体が1時・7時の方向になってしまいます。

そして、それを修正するために、左肩に意識が行くため、結果的に左肩主導で前に出る事になります。

強い3番が相手だと、HOとの隙間を見つけて割り込んでくるため、負けてしまいます。

今回の場合は、肩がしっかりと抜けているため、真っ直ぐ組める体勢を作れます。

ここは自分達だけの問題であり、日々の練習で改善出来ます。

対する明治大学は、帝京大学に比べるとフロントローの密着度が緩いのかなと感じてます。

ここで見ると、対抗戦選抜に選ばれた為房選手を筆頭に重戦車の名前に相応しい選手が揃っています。

準決勝では、関西が誇るScrum軍団京都産業大学に対して互角以上に組み合い、得点を重ねる事が出来ました。

京都産業大学はオーバーハンドという特殊な組み方のため、フロントローのまとまりがアンダーハンドよりも弱くなります。

そのため、京都産業大学戦ではそこに付け込む隙があったのですが、帝京大学は隙間がなく、逆に自分達の方が不利な状況でした。

ただ、1st Scrumに関しては綺麗なセットアップで自分達の形を作れており、アーリープッシュとなってしまったのが勿体なかったなと感じています。

Best Scrum 63:38~

気になるBest Scrumは63:38~です。

明治大学陣22m上、帝京大学ボールのScrumです。

1st Scrumの天候とは打って変わって、霰が降る中でのScrumでした。

明治大学が12点差を追う展開、自陣脱出のため、しっかりと組み合いたいシーンでした。

両チーム共にセットアップは一貫して綺麗でしたね。

多くの時間をScrumに費やしてきた事が分かります。

セットプレーって成果が出るまでに相当時間が掛かります。

そのシーズンが始まった時からコツコツ積み上げたものがようやく秋シーズンに花開くぐらいの感覚です。

だからこそ、今回のScrumを見て両チームがセットプレーに時間を掛けてきたのだなと感じました。

映像を見ていて気になったのは、明治大学1番側の身体の向きです。

クラウチの段階で、帝京大学3番側は22mラインに対して垂直なのに対して、少し鋭角にセットしています。

あくまで予想ですが、フロントローがセットする段階で帝京大学に半歩左側にズラされていたのかなと考えています。

というのも、お互いがセットする前にHOの立ち位置が映るのですが、頭の位置がだいぶズレているんですよね。

また、お互いのフロントローの前後の立ち位置が揃っていたため、そこが要因だと考えています。

今回のScrumは、このツイートに集約されます。

1番側が左肩で何かをしようとしている=身体の意識が左半身に寄っており、お尻が外側に割れやすくなります。

多くのScrumコーチが、1番は右肩右足主導と言ってるのはこれが理由です。

組み合った後、明治大学1番側が内側に入りながらScrumが崩れたため、アングルの反則を取られました。

雪の中のScrumは芸術そのものですね。

余談ですが、管理人も1度だけ雪が積もったグラウンドで試合した事があります。

その試合は、選手人生の中で3本の指に入るぐらい良いScrumを組めました。

雪の天候だと良いScrumを組めるのかも知れませんね。

あとがき

連覇が途絶えてから基礎を見直してもう一度連覇を果たす帝京大学の強さに天晴れです。

良い選手が切磋琢磨して上を目指している組織だと考えてます。

江良主将のコメントにもC・Dチームの頑張りがあったからこそ、優勝出来たと書いてありました。

どこの大学でもそうですが、下のチームの選手の中には、4年間1度も1stジャージを着る事なく卒業する選手が今すぐ。

もしかすると、管理人のように選手からスタッフに転身した人もいるかも知れません。

努力は必ず報われる

とは、思いません。

そんな甘い世界ではありません。

むしろ、正当に報われない努力の方が多いと思います。

実際、管理人の選手時代の努力は報われませんでした。(コーチとして活動してるので、結果オーライですが)

選手は試合に出てなんぼです。

最近、チームを支える選手達に注目が集まりますが、その雰囲気はどこか的外れに感じてます。

当たり前ですが、下のチームが強く無ければ上は強くなりません。

そして、チームを強くするためには、下のチームの人間が上に這い上がってくる必要があります。

それはLeagueOneだろうが、大学生だろうが、高校生だろうが変わりません。

帝京大学を含めて、多くの4回生が卒業します。

来年以降、新たな選手が下から這い上がってくる事を楽しみにしています。

来季こそ、母校の復活を楽しみにしてます。

最後に、4年間大学ラグビー生活をされた選手・学生スタッフの皆様、お疲れ様でした。

どのような形であっても、社会人でラグビーに関わって欲しいなと考えています。

管理人
管理人

2023年大学ラグビー終了です

終わりに

本日は、第60回全国大学ラグビーフットボール選手権大会 決勝 帝京大学 vs 明治大学のの試合を解説しました。

来季こそ、関西チームの躍進と母校の復活を期待しています。

Scrumをもっと理解して、ラグビー観戦がもっと楽しくなるように発信していきます。

引き続きラグビー観戦を楽しんでいきましょう。

本日もご覧頂きありがとうございました。

また次の記事でお会いしましょう。

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