本日のテーマ
本日は、ムロオ関西大学Aリーグ第5節 同志社大学vs天理大学の試合を解説していきます。
優勝候補天理大学に対して完敗する結果となりました。
ScrumやモールといったセットピースからのATに対応しきれなかったのかなと感じています。
これで開幕から5連敗、勝ち点も2という苦しい状況です。
入替戦回避に向けて何とか踏ん張って欲しいですね。
それでは、試合結果・1st Scrum・Best Scrumを見ていきましょう。
試合結果
天理大学 59vs5 同志社大学
1st Scrum 9:39~
気になる1st Scrumは09:39~です。
同志社陣22m上、同志社ボールのScrumです。
天理大学は、フロントローの高さが揃っていて非常にコンパクトにセットしてきました。
また、フランカーが角度を付けることで、プロップの選手のお尻が外側に流れないようにしています。
サイズが小さい分、まとまりある Scrumを組むのが天理大学の特徴であり、強みです。
その強みを活かすためのセットアップだと考えられます。
対する同志社は、バック5が真っ直ぐセットする王道のセットアップでしたね。
前に対する圧力が1番強くなる組み方なので、これも良いセットだなと感じました。
ただ、クラウチの段階で3番側が内側を向いていたため、せっかくの良さが薄れてしまいましたね。
身体が斜めを向くと、後ろの押しが100%貰えなくなり、体重差のアドバンテージが無い限り、ヒット後の選択肢が少なくなります。
力の掛け方、押す方向など色々と考えるところはありますが、まずは12時真っ直ぐ勝負をオススメします。
バインドで0距離に近かったですが、ヒットは天理大学優勢でしたね。
特に、No.8とロック陣の膝の伸びが非常に良かったです。
ヒットの瞬間にあそこまで伸びれると、フロントローも前に出やすくなるので、有利に進められます。
勿論、その圧力にフロントローが耐えるだけの力量が無いと難しいのですが、天理大学のフロントローにその心配は要らないでしょう。
また、バインドからヒットまでに、全体的に沈めたのも良かったですね。
ヒットはスキージャンプと一緒だと言う Scrumコーチの方もいるぐらい、膝の溜めは重要になります。
個人的には、膝をスライドさせる組み方が好きなのです。
でも、膝を伸ばし切るヒットも、極めれば南アフリカのような Scrumが組めます。
どちらが正解とかでは無いので、両方使えると良いですね。
組み合った後、ボールインと共に天理大学が猛プッシュを掛けてきました。
ヒット後、上に圧力が掛かった影響で押す際に高くなってしまいましたが、まとまってプレッシャーを掛けられた点が良かったですね。
同志社としては、2・3番が圧力を受けて浮いてしまいましたね。
ヒットの際に懐へ潜られていた影響も大きいです。
HOの事はあまり分かりませんが、ヒット後に相手よりも低く組めると良いみたいです。
フッキングする際にプレッシャーも掛かるので。
背中を寄せて、顔を上げる点はフロントローと同じですね。
まだまだ研究していきます
Best Scrum 79:17~
気になるBest Scrumは79:17~です。
同志社陣10-22m上、天理大学ボールのScrumです。
お互いメンバーが変わった状況、両チーム綺麗なセットアップでしたね。
リザーブメンバーが入っても、高い質を保てるのは素晴らしい事です。
天理大学は、バインドの動き幅も小さいため、肩がズレにくくなります。
たまに、バインドで大きく足を動かすチームがありますが、殆どの確率でセットアップが崩れてしまっています。
コンパクトなのが最強、とまでは言いませんが、身体が大きく無いチームはコンパクトに組む事も意識してみてください。
イメージはティッシュを包めて投げる事です。
対する同志社は全体的に半歩右側にセットしても良かったのかなと考えています。
1番主導で押したい気持ちはよく分かりますが、ズラしすぎると3番側が組みにくくなります。
今回の Scrumも組み合った後で、外側から圧力を受けて、 イリーガルホイールの反則を取られています。
ヒットはやや天理大学優勢、18番井上選手が同志社1・2番の間に潜る事が出来ています。
1年生ながらAチームに食い込んでくるあたり、リクルートだけでなく、育てる力も上手くいった証拠でしょう。
また、1番側もHOに寄りながら前に出る事が出来ました。
どちらも少しだけ有利な状況の中、HOが左肩を効かせながら前に圧力を掛けていきました。
結果として、1番側が前に出やすくなり、1番主導でScrumが時計回りに回転、イリーガルホイールの反則となりました。
同志社大学としては、1st Scrumと比べても非常に良い形で組めていた印象です。
欲を言えば、3番側がもう少し肘を絞っても良かったかなと感じています。
先ほども書きましたが、今回のScrumは天理大学1番側主導で回転しています。
なので、同志社大学側から見ると外側から圧力を受けて、時計回りにScrumを回転させられた事になります。
だからこそ、外側からの圧力をもう少し抑えられたら、このScrumは反則なく組めたかなと考えています。
正直、実際に絞っていても、3番側主導で内側に押される事も考えられるので、タラレバです。
今回は、もう少し外張りでも良かったかなと感じています。
終わりに
本日は、ムロオ関西大学Aリーグ第5節 同志社大学vs天理大学の試合を解説しました。
管理人も選手時代とコーチ時代に、2年連続で大学選手権を逃しています。
勿論、Aチームに引っかかった事も無いですし、コーチ時代もcoltsとDチームを担当していました。
それでも、チームとして勝てない苦しさは理解しています。
なので、OBとしては応援するのみです。
頑張れ同志社大学!!!(そしてチーム山口も)
Scrumをもっと理解して、ラグビー観戦がもっと楽しくなるように発信していきます。
本日もご覧頂きありがとうございました。
また次の記事でお会いしましょう。
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