試合結果
天理大学21-26 早稲田大学
天理大学 313kg / 819kg
早稲田大学 311kg / 797kg
1st Scrum 29:23〜
天理大学陣10m上、天理大学ボールのスクラムです。
組み合った後、早稲田大学が前に圧力を掛けて崩れますが、同時に天理大学No.8がボールを持ち出しました。
関西リーグでは、天理大学がここまでスクラムを崩されるシーンが無く、驚き覚えました。
セットアップから見ていきます。
天理大学は、HOがセットした位置に、両PRがバインドしています。
肩を抜く時は、外側に胸を張るようにして肩を出していました。
勢いが出るため、肩が抜きやすいです。
また、胸を張る意識を持つ事で、背中が寄りやすくなり、フロントロー同士で密着出来ます。
密着する事で、自立したスクラムを組みやすくなります。
バック5は、1番側のフランカーのみ角度を付けてセットしていました。
外側に流れやすい1番を押さえる役目だと考えています。
対して早稲田大学は、HOがバインドする時点で両PRが肩を抜いてセットしていました。
セットする位置は、3番が半歩前/1番はやや後ろでした。
HO清水選手の可動域が広く、背中を寄せながらバインドが出来るため、両PRの肩が抜けているのだと思います。
これが出来ると、肩を出す手間と肩を出した時にフロントローの密着感が無くなる事を減らせるため、非常に良いです。
バック5は真っ直ぐ。フランカーが広がっているように見えますが、肩と頭の向きは真っ直ぐでした。
90°よりも膝を詰めてフロントローにセットしていました。
バインドは互角、バインドした時に早稲田大学1番が左足を1歩内側へ寄せています。
対して天理大学3番も右足を1歩内側へ畳んでいました。
そのため、早稲田大学1番から来る圧力がより近くなり、天理大学3番が内側へ傾く状況が生まれています。
組む直前の天理大学の右足が浮いていたため、そう判断しています。
組み合った後は、早稲田大学1番が押し込む形で前に出て、スクラムが崩れました。
HOの足を抜くタイミングが早稲田大学の方が早く、良い形で組み合えた事が要因です。
Best Scrum 35:06〜
早稲田大学陣22m上、早稲田大学ボールのスクラムです。
組み合った後、早稲田大学が面で押し切りスクラムが回転したため、天理大学が反則を取られました。
1st Scrumと同じような状況で、天理大学3番が早稲田大学1番に刺し込まれて、押されています。
バインドの時点で、早稲田大学1番の頭が天理大学3番の鎖骨下付近にあり、腕が絞りにくいです。
それに加えて、早稲田大学1番が天理大学3番より身体1つ分低い位置で真っ直ぐバインドを張れているため、落ちる可能性も低いです。
組み合った後は、天理大学3番が浮かされています。
早稲田大学1番がHOに寄りながら出る意識が高く、左足を寄せて足幅を一定に保っています。
これが出来る1番は少ないので、凄く良い映像です。
天理大学1番は、早稲田大学3番が奥側をバインドして圧力を掛けてきた所に対して、身体全体が一歩下がっています。
早稲田大学の組み方がシンプルで、3番が真っ直ぐ出てきます。
そのため、1番が下がってしまうと、その分不利になります。
勿論、下がりたくて下がる訳ではありません。
早稲田大学3番が天理大学1番を下げるようなバインドの掛け方をしているため、結果として下がっただけです。
バインドで先手を取って掛ける。
HOに密着しながら耐える。
股関節と膝を使って、圧力を下に吸収する。
など方法はありますが、いざやろうとしても上手くいかない事の方が多いです。
外から見て、あーしろこーしろというのは簡単ですが、当事者からすると無理難題を言われている気分になります。
コーチをしていて、凄く難しいけどやりがいがある部分です。
面で崩された所に畳み掛けられて、反則を取られました。
管理人が今シーズン1番楽しみにしていたスクラムバトルが終わりました。(ちなみに、2番目は東海京産)
でも今回は、29:23まで1st Scrumを待てるぐらい試合内容が面白かったです。
早稲田大学は、対抗戦で負けた帝京大学とのリベンジマッチです。
しっかり勝ち切って、決勝の舞台に駒を進めて欲しいです。
天理大学は、関西王者として臨んだ大学選手権でした。
正直、もっと長くスクラムを見たかったチームでした。
前半劣勢でしたが、後半盛り返しましたね。
管理人イチオシの森選手がどこかのチームで続けてくれる事を願っています。
『スクラムをシンプルに分かりやすく』
日頃からScrumLoveClubをご覧頂きありがとうございます。
今後も精力的に活動しますので、引き続き宜しくお願い致します。


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