試合結果
静岡ブルーレヴズ 22-26 東芝ブレイブルーパス東京
静岡BR 359kg / 913kg
BL東京 335kg / 866kg
1st Scrum 10:22〜
静岡BR陣ゴール前5m、静岡BRボールのスクラムです。
2本組み直し。3本目は組み合った後、スクラムが崩れますが反則なくボールアウトとなりました。
セットアップから見ていきます。
静岡BRは、HOが低くセットした位置に、両PRがしゃがみ込んで低くなり、高さを合わせています。
172㎝の日野選手に対して、1番茂原選手が187㎝/ 3番ショーン・ヴェーテー選手が190㎝です。
静岡BR特有のコンパクトで密着したスクラムを組むため、高さを合わせたと考えています。
ただ膝でしゃがむだけだと、自分の姿勢が取れずヒットで出れません。
股割りのように、股関節に上半身を落として低くなると、身体がコンパクトになり、スクラムの姿勢を作る事が出来ます。
管理人が学生コーチをしている時、静岡BR 日野選手が来られてスクラムを観てもらう機会がありました。
その時に、股割りの姿勢で前後左右に動くメニューを教えて貰いました。
股割りの姿勢と、スクラムを組む時の股関節の角度は似ています。
だから、股割りの姿勢で前後左右に動けるようになると、スクラムを組んでいる時も前後左右に動けます。
(厳密に言うと、股割りの場合は地面と身体が垂直。スクラムの姿勢は地面と身体が平行)
股関節を使う事で、下半身と上半身の連動性も生まれるため、より前に出やすくなります。
この部分は、今も研究を続けていますが、今のところタイヤ押しや姿勢歩きがBestなメニューだと考えています。
話が逸れたので、セットアップに戻ります。
静岡BRバック5は、フランカーのみ角度をつけてセットしています。
細かいセット位置が見えないので推測ですが、スロットが左にズレている事から、静岡BRがズラしたと考えています。
対してBL東京は、HOがセットしてから1番→3番の順番でバインドしていました。
意識的に3番が前にセットしており、京都産業大学伝統のオーバーハンドバインドの名残かなと感じました。
それに対して、BL東京 1番木村選手がHOより半歩後ろにセットしている点が気になりました。
Japanの時は、HOと同じか気持ち半歩前にセットしています。
雨でスリップしやすいので、Japan同様気持ち前目の方が組みやすいのかなと感じています。
バック5は真っ直ぐでした。
静岡BRと比べて重さがないので、シンプルに真っ直ぐ押す事を意識しています。
画面の角度の影響か、BL東京フロントロー全体が左側へ傾いているように見えました。
バインドは静岡BR優勢、重さをダイレクトにBL東京へ伝えられています。
BL東京は圧力を受けつつも、プラットフォームが大きく崩れる事なくセットしています。
ただ、ここで見るとBL東京1番の左足が1歩外側へ流れている/7番のスパイクが滑った事が見られました。
ヒットは静岡BR優勢でした。
やはり146kgある3番ショーン・ヴェーテー選手が真っ直ぐ組むと、破壊力がありますね。
内側に傾く傾向が強いので、シンプルに真っ直ぐ出れば良いのかなと感じてます。
組み合った後は、BL東京1番とHOが密着しながら静岡BR3番を抑えており、反則なくボールアウトとなりました。
Pickup Scrum 36:10〜
古瀬レフリーに学ぶコラプシング講座へようこそ。
今回組み合った後にスクラムが崩れて、静岡BRがコラプシングの反則を取られました。
先に落ちたのは、BL東京1番。
でも、反則を取られたのは静岡BR3番でした。
その理由を見ていきます。
36:24でバインド、36:25でヒットです。
36:25〜36:26にかけて、静岡BR 3番の身体が後ろに動いている事が確認出来ます。
その後2秒耐えますが、36:28でスクラムが崩れました。
この間、静岡BR 3番もBL東京 1番も姿勢を崩しながら、耐え切っています。
もし組み合った36:26でBL東京1番が崩れていたら、コラプシングの反則を取られたと考えられます。
今回は、ヒットで静岡BR 3番が後ろに下がっている事/前ではなく、下向きに圧力を掛けてスクラムを崩した事が反則の判断材料として挙げられます。
どっちが崩したか分かりづらいコラプシングの反則、丁寧に映像を確認すると何かしら要因が見つかるかもしれません。
Pickup Scrum 59:00〜
古瀬レフリーに学ぶスクラムを故意的に組まなかった時のフリーキック講座へようこそ。
セットアップの段階で、静岡BR 1番山下選手がBL東京 3番の右鎖骨下付近に頭を置いています。
この位置に頭があると、バインド時に腕を伸ばした際、1番の頭が障害物となり、3番の右半身が浮き上がります。
そのため、真っ直ぐバインド出来ず、クロールする形でバインドしなければなりません。
今回は、BL東京 3番真壁選手が嫌がって内側に逃げながらバインドしています。
この間、静岡BR 1番山下選手は頭も身体も動かしていません。
組み辛い位置に頭がある/身体も浮き上がっており、スクラムが組めないと判断した結果、BL東京 3番真壁選手がスクラムを辞めました。
間合いが詰まっていて組み辛いのはよくわかります。
ただ、組むのを辞めてしまうと、反則を取られます。
Pickup Scrum 60:14〜
古瀬レフリーに学ぶイリーガルホイール講座へようこそ。
思いつきで始めた講座も今回で最後になります。
スクラムでよくある反則がコラプシングです。
それと同じぐらい発生して、尚且つ分かりにくいのがイリーガルホイールですね。
通常のホイールと何が違うのか、今回のスクラムを例に考えていきます。
今回組み合った後、静岡BRが前に出ながらスクラムが回転して、ある時点で古瀬レフリーが反則をとりました。
バインドが60:19、ヒットして静岡BRが前に出たのが60:21です。
その後、60:22でボールイン、そこから押し始めます。
ここまでは静岡BR優勢のスクラム、特段反則はありません。
そこから押して押して、22m付近までやってきました。
60:28に、古瀬レフリーがアドバンテージの手を上げました。
この時の両チームの身体を見てみると、静岡BRがタッチライン側/BL東京がポスト側におり、トライラインに対して垂直方向にスクラムが回っています。
明確な基準が確認出来ませんが、競技規則19.19によると、『プレーヤーは、まっすぐ、かつ、地面と平行になら、押してよい。』と記載があります。
だから、静岡BRが真っ直ぐから横に傾いた時点で、BL東京のイリーガルホイールを取っています。
押すのも押されるのも、地面と平行になら問題ありません。
理論上、100m押す事も出来ます。
そう考えると、ワクワクしてきませんか。
ちなみに、今回のスクラムはフロントローの頭が抜けていないので、ヘッドアップでは無いと判断しています。
レフリングの推測が間違ってたらすみません。
Best Scrum 34:14〜
BL東京陣22m上、静岡BRボールのスクラムです。
組み合った後、静岡BRが押し切り、BL東京が反則を取られました。
故意にスクラムを崩すコラプシングだと考えています。
セットアップから見ていきます。
静岡BR HO日野選手が右足の位置を気にしていました。
その後1歩後ろに動かしているので、間合いを遠くしたい静岡BR/間合いを詰めたいBL東京の構造です。
また、スロットが1歩分ズレているように感じます。
1st Scrumが被り目、Best Scrumが通常のスロットです。
セットアップは変わらず、1st Scrumと比べて静岡BR全体がコンパクトにまとまっていました。
フロントローとバック5が密着出来るほど、押しが逃げないので、より前に出やすくなります。
対してBL東京は、スロットがズレているので、全体的に左へズレています。
3番は静岡BR 1番に外から刺されやすくなり、1番は半身外側へはみ出した状態で組む必要があります。
ヒットは互角でした。
バインド時に間合いが詰まった影響か、ヒットする隙間が殆どなく、ヒットの優劣がつきにくかった事が要因として挙げられます。
組み合った後、静岡BR3番が真っ直ぐ圧力を掛けている所に、静岡BR 1番が外側からBL東京 3番を押し込んで圧力を集めています。
1番↗️3番⬆️なので、斜め45°方向へ圧力が集まり、BL東京 1番の左足に負荷が掛かります。
半身ズレた状態から、より外側へ弾かれる圧力を受けたため、身体がズレながら押される結果となりました。
映像では確認し辛いですが、静岡BR HOが↖️、若しくは⬆️を向きながら左肩を使ってBL東京 3番が内側に入らないように抑えています。
だから、静岡BR 1番がアングル気味に入ってきた所に耐えきれず、内側にも逃げ場が無いので姿勢が崩れます。
外側に張るか、1番のアングルに対抗しながら真っ直ぐ組むかですね。
どのように対応するか、研究を続けています。
『スクラムをシンプルに分かりやすく』
日頃からScrumLoveClubをご覧頂きありがとうございます。
今後も精力的に活動しますので、引き続き宜しくお願い致します。


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