試合結果
三重ホンダヒート 23-28 コベルコ神戸スティーラーズ
三重H 329kg / 891kg
神戸S 343kg / 909kg
1st Scrum 13:52〜
神戸S陣10m上、神戸Sボールのスクラムです。
1本目は組み直し。2本目は、組み合った後、神戸Sが3番側へ圧力を集めて前に出た結果、スクラムが回転したため、三重Hがイリーガルホイールの反則を取られました。
セットアップから見ていきます。
三重Hは、HOがセットしてから、背泳ぎをするようにPRに腕を回してバインドしています。
スクラムを組む上で、肩甲骨周りの柔軟性は凄く大事です。
可動域が広いと、バインドしたい位置に腕が届き、背中を寄せる事が出来ます。
逆に可動域が狭いと、無理やり腕で寄せたり、背中の寄りが甘くなります。
身体の専門家では無いので詳しい事は分かりませんが、意識したい点です。
バインドしてから、PRの肩がHOの脇から抜けるようにブルブル振りながら出していました。
1番はHOと同じ位置で真っ直ぐ、3番は半歩前に立って気持ちHO側に傾いています。
HOは、両PRの腰付近をバインドして背中を寄せていました。
HOが腕を後ろに回してスレンダーになる形に加えて、背中を寄せる事で胸も張れます。
3番が内側に傾く事だけは気になります。
ただ、肩が隠れて傾くわけでは無いので、真っ直ぐ組みながらHOに圧力を掛けられる可能性があります。
フロントローの方向は、↗️↗️↖️です。
バック5は、両フランカーが角度を付けてセット、他は真っ直ぐでした。
出口が狭く、組み辛さがありそうだなと感じました。
対して神戸Sは、HOがセットしてから1番→3番の順番でバインドしていました。
HOが三重Hと被るような位置に合わせてセットしており、スロットが被っています。
タイミングを合わせて肩を出すわけでは無く、1番はバインドしてすぐに肩を出す/3番は殆ど肩を出す動きをしていません。
バインドする段階で抜けているので、肩を出す必要がないと言えます。
バック5は、3番側のフランカーが角度を付けてセットしています。
ヒットは神戸S優勢でした。
神戸S 3番山下選手が上から下に押し付ける形でヒットしており、上下に揺れています。
重たい選手が膝を斜めにスライドしながら組む事で、相手の頭を下げながら圧力を掛けて、組み合った段階で低くなる事が出来ます。
3番が出来ると、相手1番を押さえ込みやすいかなと考えています。
組み合った後、優位な神戸S 3番を軸に押してスクラムが回転したため、三重Hがイリーガルホイールの反則を取られました。
三重H 3番が内側に入りたい所、神戸S HOが左肩で押さえています。
捕まっている所に、神戸S 1番がアングル気味に圧力を掛ける事が出来ています。
相手3番が内側に来る時は、1番とHOで連携する事が大事です。
このスクラム後ろからの映像があれば、もっと楽しめたなと感じました。
Pickup Scrum 27:14〜
神戸S陣22m内、神戸Sボールです。
組み合った後、三重Hが内側に流れながらスクラムを押して、神戸Sが反則を取られました。
イリーガルホイールだと考えられます。
1st Scrumと同じような状況、違ったのは三重H 1番/神戸S 3番の状況です。
1st Scrumは、神戸S 3番優勢でした。
今回は、五分五分な上に、三重H 1番・HOに挟み込まれている状況です。
セットアップから確認してみると、スロットが通常に戻っていました。
また、バインドの後に、バック5が1歩左側へ動いています。
Instagramでバック5が横に動いて圧力の方向を変えるスクラムを見た事がありますが、同じような部類の動きです。
三重Hは、セットアップの間合いはズラさず、圧力の方向をズラしていました。
だから、神戸S 1番が組み合った後、半身ズレたような形で組むこととなり、内側へズラされて押されたと考えています。
引き続き観察していきます。
Pickup Scrum 49:18〜
神戸S陣10m上、三重Hボールのスクラムです。
組み合った後回転したように見えましたが、神戸Sがイリーガルホイールの反則を取られたシーンです。
関谷レフリーのコメントを聞くと、レフリーからすれば三重Hが真っ直ぐ組んでいると判断されています。
映像を再度確認した所、組み合った直後に神戸S 3番が1歩外側へ割れています。
1番側も外側へ割れているため、神戸Sのフロントローがハの字になっています。
そこから、三重Hが内側へ圧力を掛けているため、スクラムが回転しています。
三重Hがセンターラインを超えて、スクラムが回転していることからイリーガルホイールと判断したと考えています。
真っ直ぐ、というのがグラウンドに対してなら納得がいくスクラムでした。
レフリーによっては判断が分かれるかもしれないです。
Best Scrum 30:17〜
神戸S陣10m付近、三重Hボールのスクラムです。
このスクラムは、三重Hが綺麗に押し切ったスクラムでした。
セットアップの映像を見ていると、1st Scrumから圧力の方向を変えてきたように見えます。
1st Scrum ↗️↗️↖️ に対して、今回↗️↗️⬆️でした。
神戸Sも内側に割り込んでくるスクラムのため、三重H 3番が内側に入るメリットがなく、方向を変えたと考えています。
HOの右足の方向を見ると、三重H↗️神戸S↖️でした。
三重Hのセットアップ及びHOの右足の方向見る限り、三重Hが優位に組めた事も頷けます。
バインドも三重Hが先手を取って、圧力を掛けられています。
バック5の膝を浮かすタイミングが揃っており、面で押す体勢が整っています。
対して神戸Sは、全体的に後ろへ下げられています。
ヒットも三重Hが優勢、1歩前に出られています。
組み合った直後に、神戸S 1番と4番のコネクションが切れており、孤立しています。
面で崩せている上、特に優位だった3番側へ圧力を集めた結果、スクラムを押す事ができました。
綺麗な外張りのスクラムで、参考になる動画です。
足の運び方もコンパクトで、無理やり感はありません。
3番が右足から前に出る事で右肩が前に出て、相手1番を下げやすくなります。
外張りのスクラムなら、相手1番を下げるのが優先されるため、理想に近い形です。
三重Hは、スクラムの優位性を試合の勝利に繋げたいですね。
今シーズンも斎藤 展士コーチの仕込んだスクラムを楽しみにしています。
対して神戸Sは、昨シーズンからスクラムの精度が高く、良い形で組めています。
三重Hに対しても、シーズン中に修正して対策を練ってくると考えています。
『スクラムをシンプルに分かりやすく』
日頃からScrumLoveClubをご覧頂きありがとうございます。
今後も精力的に活動しますので、引き続き宜しくお願い致します。


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