横浜キヤノンイーグルス vs 静岡ブルーレヴズ

LeagueOne
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試合結果

横浜キヤノンイーグルス 27-39 静岡ブルーレヴズ

横浜E 310kg / 851kg

静岡BR 359kg / 933kg

1st Scrum 01:25〜

横浜E陣10m付近、横浜Eボールのスクラムです。

ヒットは静岡BR優勢。組み合った後前、に出ますが先に膝をついてスクラムを崩したため、ニーリングの反則を取られました。

セットアップから見ていきます。

横浜Eは、HOがセットしてから両PRがバインドしていました。

1番岡部選手のバインド前に右腕を上げるルーティンも健在でした。

1番岡部選手のセットアップの立ち位置が絶妙で、HOより1歩前に立っています。

相手3番との間合いが近くなり、バインド時の重さを受けにくいです。

また、バインド時に圧力を受けても、セットしている位置が1歩前なので、スクラム全体に対する影響が小さいです。

その位置で刺し続けたら、相手3番はやりにくいだろうなと予想される位置で組めるので、参考にしています。

バインドのやり方はスタンダードです。

フランカーが左右差をつけながら角度をつけてセット、クラウチの段階から膝を浮かせていました。

体重差が大きいので、コンパクトに組みながらFW8人で勝負したい意図が考えられます。

対して静岡BRは、HOが低くセットした位置に、両PRが合わせる形でした。

膝でしゃがむのではなく、四股を踏むように股関節を開きながら沈み込みます。

膝でしゃがむと身体が丸くなりやすく、ヒットで前に出る体勢が作れません。

股関節を使う事で、自分自身の身体を真っ直ぐにしながら、ロック・フランカーが押す面を作る事が出来ます。

『股関節を使う』の表現が正しいか分かりませんが、膝を使っている訳ではない事を感じてください。

静岡BRも、フランカーが角度をつけてセットしていました。

静岡BRの場合は、フロントロー内部の圧力を高める事で、相手フロントローを窮屈にしてスクラムをコントロールします。

気になったのは、静岡BRフロントローのお尻の位置です。

出口である胸や頭のラインを揃えるため、お尻の位置がズレているように感じました。

HO日野選手と1番茂原選手・3番ショーン ・ヴェーテー選手は、15センチ以上差があるため仕方ないのですが、この位置だと日野選手に押しが伝わらないのかなと感じています。

もしかすると、ロックが左肩を出して日野選手を押しているのかも知れませんね。

ヒットは静岡BR優勢でした。

No.8 リッチモンド ・トンガタマ選手がナタを降ろすように身体を動かしてヒットしており、後ろから前へ連動した圧力が伝わった事が良いヒットに繋がったと考えました。

ただ、組み合った後スクラムが崩れてしまい、ニーリングの反則を取られています。

良い形で前に出れたものの、センターラインを大幅に超えているため、崩れていなくてもアーリーエンゲージを取られた可能性があります。

スクラムは相手ありきの話なので、止まらないというよりは止まれない方が表現が正しいです。

相手が引いてしまったらどうする事も出来ません。

Pickup Scrum 52:36〜

横浜Eのスクラムが後ろから見れたので、取り上げました。

この試合ずっと1番岡部選手が良い位置で刺し込めていたのですが、後ろから見ればどんな位置から刺し込んだか分かりやすいです。

過度なアングルでは無く、HOに寄りながら相手3番をスクラムの内側に押し込んでいく。

これが出来れば、1番は凄く良いよなと思ってみたスクラムでした。

Best Scrum 55:58〜

横浜E陣ゴール前5m、静岡BRボールのスクラムです。

組み合った後、静岡BRが前に出て圧力を掛けて、横浜Eがスクラムを崩したためコラプシングの反則を取られました。

横浜E 1番岡部選手が良い位置で刺しているのですが、それを上回る圧力で静岡BR 3番伊藤選手が前に出ました。

先発のショーン ・ヴェーテー選手が内側に流れる傾向が強いです。

28:38〜のように、身体半分以上ずらせた場合は機能するのですが、岡部選手のように寄りながら刺してくる組み方に対しては凄く相性が悪いです。

Pickup Scrumの位置から刺された場合は、身体が内側を向くので、自然とスクラムを押されます。

ならどうするか、静岡BR 3番伊藤選手の場合を見ていきます。

伊藤選手は、真っ直ぐ出ながら圧力を内側に掛けています。

セットする位置は、相手1番とイヤートゥーイヤーになる位置です。

間合いは近め、バインド時に2時の方向へ圧力を掛けます。

バインドしてから2時の方向へ振る事で、より相手1番の左足に体重を乗せる事が出来ます。

今回も、バインドしてから圧力を受けたため、横浜E 1番岡部選手が1歩外側に割れています。

割れる事で1番とHOの間に隙間が出来るため、身体を入れる場所が出来ます。

横浜E HO中村選手は、静岡BR 3番伊藤選手が内側に入ってくる事を防ぐため、自身の左側にし意識がいきます。

その間、静岡BR 1番山下選手とHO 日野選手は、横浜E 3番祝原選手を挟み込む形で押さえ込んでいます。

静岡BR 3番伊藤選手が掛けた内側に対する圧力を使いながら、HO 日野選手が横浜E 3番祝原選手を挟むので、耐えきれず崩れたと考えています。

実際に崩れたのは、横浜E 1番側ですが圧力が掛かる方向がわかると、何がきっかけで崩れたのか分かるかなと思います。

横浜Eは、プレシーズンマッチ課題だったスクラムを修正してきました。

上位浮上に向けて、負けられない試合が続きますが頑張って欲しいですね。

静岡BRは、今年も上位に食い込んでくると予想しています。

接点・セットプレーの強さに加えて、今季は展開力もあります。

今年もジャイアントキリングがあるのか、ワクワクしながら見ています。

ちなみに、スクラムの細かい圧力の方向は、今も研究しています。

どの方向にどのぐらいの圧力をいつ掛けるのか。

まだ答えが出ていないからこそ、スクラムの研究が楽しいなと最近感じています。

こういう話を他のスクラムコーチと会って出来たら最高ですね。

『スクラムをシンプルに分かりやすく』

日頃からScrumLoveClubをご覧頂きありがとうございます。

今後も精力的に活動しますので、引き続き宜しくお願い致します。

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