花園L vs 相模原DB

相模原DB
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本日のテーマ

本日はNTT JAPAN RUGBY LEAGUE ONE2023-2024 D1 第16節 花園近鉄ライナーズ vs 三菱重工相模原ダイナボアーズの試合を解説していきます。

4月から調子を上げてきた花園Lのホームゲーム最終戦でした。

まずは、相模原DB 田中選手、現役お疲れ様でした。

病を乗り越えて現役生活を全うした姿は多くの人達に勇気と希望を与えてくれました。

今後どのような道に進まれるか分かりませんが、引き続きラグビーにが関わって欲しいですね。

試合内容は気温が上がる中、両チーム点の取り合いを行う見てて楽しい試合展開でした。

走力に定評のある相模原DB優勢かなと思いましたが、花園Lがセットプレーから圧力を掛け続けて僅差に詰め寄りました。

それでは、試合結果・1st Scrum・Best Scrumを見ていきましょう。

試合結果

花園近鉄ライナーズ 36-46 三菱重工相模原ダイナボアーズ

花園近鉄ライナーズ 314kg / 874kg

三菱重工相模原ダイナボアーズ 326kg / 863kg

NTT JAPAN RUGBY LEAGUE ONEより

1st Scrum 1:20〜

気になる1st Scrumは1:20〜です。

ハーフライン付近(花園L陣)、花園Lボールの Scrumです。

組み合った後、画面奥側に Scrumが流れそうになりましたが、終始安定した Scrumを継続してボールアウトとなりました。

クラウチの段階で画面手前側(花園L 3番、相模原DB 1番)が Scrumの中心に対して鋭角にセットしており、流れやすくなる事は必然でしたね。

花園Lは、内側に圧力を掛けるScrumを組むために、セットアップ段階からスロットをズラしていましたね。

まず、HO 金子選手が最初に足を置いた位置から↙️に1歩分動かしています。

その後、両PRが脇に来るまでに1/4歩後ろに、フロントローがセットしてから1歩左に動かしてきます。

この時点で相模原DBと2歩分左にズレている上、間合いも広くなっています。

バック5の重さで勝るのは花園Lであり、ヒットで前に出やすい状況を作っています。

また、全体のセットアップは扇の形でした。

そのため、3番側が内側に圧力を掛けてくるイン組みだと推測しています。

余談ですが、今回先発の3番 文選手はイン組みがとても得意です。

選手時代に何度か組んだ事がありますが、綺麗に間を割られた記憶があります。

今回もバインドの段階からHOに寄る事で相手1番とのスロットをズラしています。

セットアップから少し身体が傾いてしまったため、相模原DB 1番に対する外側の圧力が薄れて思うように前に出られませんでした。

それでも半身ズラしている事を考えると、組み辛い相手です。

対する相模原DBは花園Lの Scrumを研究してきた事が分かります。

HO 宮里選手がセットする段階で↗️に1歩、フロントローが来るまでに右側へ1/4歩動かしています。

花園Lが内側に圧力を掛けてくる Scrumを組んでくるため、セットの段階でズラして来る事を予想していましたね。

セットピースで劣勢に立つと自分達の強みを活かせないと考えたのかもしれません。

相手の Scrumを分析せず、何も対策をしなければ、相手が良い形で組むだけです。

今回のセットアップは、相模原DBが上手く対応したと考えています。

ヒットはほぼ互角でした。

組み合った後に花園Lが扇の形を閉じているのに対して、相模原DBはそのまま角度を付けた状態で組み合っています。

相模原DB 1番側が左足から動き出しており、外側に割れている事が影響しています。

3番側は花園L 1番とHOから挟まれながら上に圧力を受けています。

両チーム完璧に押せる状況ではありませんでした。

総合的に考えると、花園Lが優勢だったかなと思います。

Best Scrum 70:30〜

気になるBest Scrumは70:30〜です。

相模原DB陣10m−22m、花園Lボールの Scrumです。

組み合った後、相模原DBが分裂したところを見逃さず花園Lが真っ直ぐ畳み掛けてイリーガルホイールの反則を獲得しました。

逆転に向けて花園Lが17点差を追う状況、結果的に負けはしましたが、入替戦に向けて期待できる Scrumでした。

1st Scrumからスロットをズラせていた相模原DBですが、今回は真っ直ぐ組み合えた印象です。

両PRがしっかりと肩を出しているため、フロントローの胸のラインが揃っています。

こうする事で、段差が出来にくく、点ではなく面で相手に圧力を掛けられます。

ただ、スロットを合わせる事を意識しすぎて花園Lの正面に立ってセットしてしまいました。

その影響で相模原DB 3番よりも花園L 1番の方が Scrumの中心に近いと言う奇妙な状況が生まれています。

これでは、3番がセットアップの段階から内側を向くしか選択肢が無くなり、本末転倒です。

また、花園L HO アンドリュー ・マカリオ選手のスタンスが極端に狭く、両足をほぼ一直線に合わせてセットしています。

こうする事で自身は自立しにくくなりますが、両PRの上半身が寄りやすくなり、密着度を高める事が出来ます。

単体のセットアップだけ見れば両チーム綺麗だったのですが、立つ位置とフロントローの密着度の部分で花園Lが優勢でした。

バインドでは、やはり相模原DB 3番側が内側を向いている状態です。

その上で、花園L 1番側井上選手が左足を下げる際にHO側に寄せており、更に密着度が高まっています。

外側に流れてしまう選手が多い中、コンパクトで良い姿勢を保てるため、素晴らしいシーンでした。

ヒットも重さで勝る花園Lが優勢でした。

相模原DBがハの字に分かれているのに対して、花園Lは真っ直ぐ圧力を掛けています。

前に出る際も内側の足(1番なら右足、3番なら左足)から前に出ており、密着度を保ったまま相手に圧力を掛けられています。

簡単に書いていますが、実際前後左右から圧力が掛かっている状態で内側から足を踏み出せる選手はそう多くありません。

特に、井上選手はバインドの段階から寄せられていたため、今後物凄く期待出来る選手です。

入替戦にも出て来ると予想してるので、 Scrumで圧倒して欲しいですね。

以前、山口にお邪魔した時にバインドの段階から足の位置を調整出来る選手がいましたが、本当珍しいです。

今回のScrumReviewに関係ありませんが、大学でも続けて欲しいなと思う選手です。

まとめ

本日はNTT JAPAN RUGBY LEAGUE ONE2023-2024 D1 第16節 花園近鉄ライナーズ vs 三菱重工相模原ダイナボアーズの試合を解説しました。

いよいよ花園Lは入替戦です。

昨シーズン同様に最下位での入替戦、相手はD2王者の浦安D-Rocksです。

今期も怪我人に悩まされながらも、入替戦に向良いコンディションの選手が増えてきた印象です。

また、昨シーズンと違うのは、シーズン通して試合内容が良かった点です。

前回の対戦では Scrumで優位に立ち花園Lが勝利しています。

余談ですが、ScrumReviewで過去1番読まれたのも昨シーズン入替戦 花園L vs 浦安DRでした。

『勝てば官軍負ければ賊軍』

泣いても笑ってもラスト2節です。

今年も熱い Scrumバトル期待しています。

PO及び入替戦については全試合ScrumReviewを更新する予定です。

Scrumが分かれば、ラグビーはもっと楽しくなります。

読者の皆さんがScrumを理解して、ラグビー観戦がもっと楽しくなるように発信していきます。

お時間が許す限り、過去の記事も読んで頂けると幸いです。

本日もご覧頂きありがとうございました。

また次の記事でお会いしましょう。

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