本日のテーマ
本日は、南半球4カ国対抗戦ザ・ラグビーチャンピオンシップ2024 South Africa vs Australiaの試合を解説していきます。
若手中心のチームで序盤からミスが目立ったSpringboksでしたが、しっかりと勝ち切りましたね。
この時期は若手を織り込みつつ、ベテランを上手く起用出来る良い時期です。
W杯3連覇に向けて、上手く世代交代をして欲しいですね。
対するWallabiesは、2戦続けてダブルスコア以上の敗戦となりました。
相手を崩して取れそうな場面が少なく、厳しい状況が続きます。
自国開催に向けたプレッシャーもありますが、少しずつ良くなって欲しいですね。
それでは、試合結果・1st Scrum・Best Scrumを見ていきましょう。
試合結果
Wallabies 12-30 Springboks
Wallabies 359kg / 893kg
Springboks 348kg / 886kg
1st Scrum 0:27~
気になる1st Scrumは0:27~です。
Springboks陣22m付近、WallabiesボールのScrumです。
天候の影響か、Springboksがkickoffのボールをノッコンしてしまいました。
1本目は、お互いの間合いが合わず組み直しとなりました。
セットアップからバインドまで動き幅が大きいため、仕方ないです。
日本はセットアップからバインドするまで動き幅が小さいチームが多いです。
体重で劣勢になりやすいので、低くコンパクトに組む事を意識しています。
逆に、海外の場合はバインドで良い姿勢を取る事を目的としているため、セットアップから動いても問題ありません。
ただ、SpringboksとWallabiesの動き幅を見ていると、Springboksの方が足の動きが少なく強い姿勢を作れています。
そう考えると、日本が取り入れているコンパクトなScrumを極めれば、より海外のチームに対して優位性を持てるのかなと感じました。
また、お互いのHOが噛み合う前にブレーキフットを下げて組む準備をしているため、両PRが動いた場合に止める余力がありません。
互いに力を掛け合った上、安定していたら問題無いのですが、今回は組みたい気持ちが勝りました。
2本目は、組み合った後殆ど動かずボールアウトとなりました。
Wallabiesとしては、メンバーが変わっているとはいえ、1戦目に圧倒されたScrumを修正出来た点は良かったですね。
ここからは推測になります。
1st Scrumと比べてWallabiesが半歩左にスロットをズラしたのかなと感じました。
上からの映像を確認した時に、Springboks 1番Jan-Hendrik Wessels選手が1/4歩後ろにおり、右肩が隠れています。
この状態だと、ヒットで負けた際に後ろに大きく下がってしまいます。
ヒットで勝てても、セットしている位置が後ろのため、押し切れずに終わりやすいです。
その上、右肩が埋まっているため、そこを起点に左肩が反時計回りに前へ出やすくなります。
それを踏まえた上で、Wallabiesは自分達が有利になるようにセットしています。
ヒットする前の頭の角度を見ると、Wallabies HOと3番が1時の方向を向いています。
タッチラインが左側にある事から、今後右側に展開するATを優位に進めたい意図が伺えます。
3番側を前に出す事で、相手1番側についているフランカーのDFが遅れます。
フランカーが遅れるとその分だけBKが内側に詰める必要があり、数的優位が生まれます。
外側を攻めるも良し、連携が途切れた内側の合間を付くも良しの状況が生まれます。
まずは自分達のScrumに拘る事、その上で相手の組み方に対して修正出来ると、どの相手でも互角以上に組み合えます。
1戦目のように、SpringboksScrumで勝てれば楽に試合を運べます。
Best Scrum 7:00~
気になるBest Scrumは7:00~です。
Wallabies陣10m付近、WallabiesボールのScrumです。
組み合った後、Scrumが崩れてSpringboksがコラプシングの反則を取られました。
最初、Wallabies側が反則を取られそうでしたが、アシスタントレフリーの情報から判定が覆りました。
確かに、レフリー側から見ているとSpringboksが押して崩れたように見えるため、難しい場面でした。
映像が遠いですが、確認したところスロットはズレて無いように見えます。
今回良かったのは、Wallabiesのセットアップです。
1st Scrumで前後のブレが大きいと話したのですが、今回はセットした位置から足を殆ど動かさず組み合っています。
欲を言えば、膝を上げる際の足踏みを少なくしたいですが、セットアップが崩れていた1st Scrumから考えると物凄く改善しています。
対するSpringboksは、やはり1番Jan-Hendrik Wessels選手が後ろにセットしています。
バインドの際に左足が外側に流れてしまったため、1番として組み辛い状況を作り出しています。
その上、Wallabies 3番Allan Alaalatoa選手の右足が内側に折り畳まれており、左右のズレが出来ています。
組み合った後、左肘が地面に対して垂直に向いており、苦しい時の1番のお手本のような動きでした。
テストマッチでも、起こりうる状況なので改善策を見つけたいですね。
今回反則を取られたのは、Springboks 1番の身体が下向きに下がっており、自らScrumを崩していると判定されたためです。
頭も身体も外側に流れており、Scrumを崩さないようにするのが精一杯でした。
その後、HOと3番が生き残って前に出たため、Springboksが押しましたが、先にScrumを崩した要因が1番にあるので、判定が覆る結果となりました。
Scrumの構造上、1番側が下に位置しているため、Scrumを崩すと基本的に反則を取られます。
終わりに
本日は、南半球4カ国対抗戦ザ・ラグビーチャンピオンシップ2024 South Africa vs Australiaの試合を解説しました。
8月は菅平合宿の試合とSAKURA15、PNCの更新を予定しています。
その合間に海外ラグビーも更新していくので覗いてみてください。
管理人としては、読者の皆さんがScrumをもっと理解して、ラグビー観戦がもっと楽しくなるように発信していきます。
また良かったら拡散をお願いします。
本日もご覧頂きありがとうございました。
また次の記事でお会いしましょう。
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