本日のテーマ
本日は、南半球4カ国対抗戦ザ・ラグビーチャンピオンシップ2024 Argentine vs New Zealandの試合を解説していきます。
序盤から攻め続けたLos Pumasが史上3回目のAll Blacks撃破となりました。
Scrumで劣勢になりながらも、相手のミスを得点に繋げており、良い形で得点が出来ていました。
管理人としては、前半Scrumが無かったので少し寂しい気持ちでした。
それでは、試合結果・1st Scrum・Best Scrumを見ていきましょう。
試合結果
Argentine 30-38 New Zealand
Argentine 325kg / 900kg
New Zealand 370kg / 912kg
1st Scrum 60:29~
気になる1st Scrumは60:29~です。
Los Pumas陣10m-22m、Los PumasボールのScrumです。
組み合った後、All Blacks がプレッシャーを掛けるもScrum全体のまとまりが薄かったため分裂、お互いがズレて前に出る結果となりました。
All Blacks のセットアップが面白かったですね。
クラウチの段階でFW8人全員が膝を付かないセットアップであり、重さのアドバンテージをより活かそうとしています。
No.8が引いていますが、ロックが膝を上げている事でフロントローに対する圧力が高まっています。
そのため、フロントローは敢えて高くセットして自立しています。
前のめりになると、アーリーエンゲージの反則を取られてしまうのでその対策です。
対するLos Pumasは、全員が膝を突いていました。
ロックが外側の膝を上げてセットしており、内側から押し切りたい事が伺えます。
フロントローも股関節を使って低くセット出来ており、良いセットアップでしたね。
映像だと見にくいですが、少し3番Eduardo Bello選手が内側に傾いているように見えます。
バインド時は、お互いのフロントローの足がバタついている印象です。
軸足が動いてしまうと左右のズレが生じてScrum全体の密着度が弱くなります。
また、足を下げるので前後のズレも生まれやすくなります。
この両チームがセットアップに拘れば、もっと怖いScrumを組みそうです。
バインドの際、Los Pumas1番Thomas Gallo選手の左肘が頭の位置よりも下に落ちています。
このバインドのやり方だと、組み合った後直ぐにScrumを崩しやすく、コラプシングを取られます。
今回は組み合った後に、肘を寄せて腕を上げる事で対応していますが、ここで肘を畳んでしまうと内側に入り込みながら落ちてしまいます。
取りたい位置を取れなかったので仕方ないですが、細かい部分も拘りたいですね。
対してAll Blacks は、3番Tyrel Lomax選手が外側に足を踏み出しながら前に出ています。
この押し方自体は問題無いのですが、その影響で味方から離れて孤立しています。
Scrumはどこまで行っても8人で組み合うものなので、孤立すると厳しい状況になります。
8人で押せば押し切れそうな状況でしたが、上記の理由で押しきれずボールアウトとなりました。
Best Scrum 70:54~
気になるBest Scrumは70:54~です。
Los Pumas陣22m付近、Los PumasボールこScrumです。
組み合った後、All Blacks が少し前に出る形でScrumが崩れたため、Los Pumasがコラプシングの反則を取られました。
上からの映像があるのでセットアップを見ていきましょう。
All Blacks は左右の角度差はあるものの、扇の形でセットしています。
1st Scrumの押し方を見ると、3番側に圧力を集めて前に出ていました。
今回も、セットアップの段階で密着度を高めてから1時の方向に振り切ろうとしています。
対するLos Pumasは、1番側のフランカーのみ角度を付けてセットしています。
どちらかといえば真っ直ぐに押しに掛かるScrumで、1番側が外に割れやすい所をケアしているのかなと感じました。
自分達がどの方向にどのような形で圧力を掛けたいかによってセットアップは変わります。
細かい事を言えば、足を置く位置やバインドをする位置も変わります。
何故このセットアップをしているのか、ここを言語化して説明出来るとよりScrumの理解度が高まります。
ScrumReviewを通してその手伝いが出来れば幸いです。
組み合った後はAll Blacks が伸び切る形で圧力を掛けられています。
終わりに
本日は、南半球4カ国対抗戦ザ・ラグビーチャンピオンシップ2024 Argentine vs New Zealandの試合を解説しました。
8月は菅平合宿の試合とSAKURA15、パシフィックネーションズカップの更新を予定しています。
Scrum Love Clubでは引き続き、JAPANの 超速ラグビーの要となるScrum研究に邁進していきます。
管理人としては、読者の皆さんがScrumをもっと理解して、ラグビー観戦がもっと楽しくなるように発信していきます。
また良かったら拡散をお願いします。
本日もご覧頂きありがとうございました。
また次の記事でお会いしましょう。
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