本日のテーマ
本日は、関東大学ラグビー対抗戦Aグループ 帝京大学vs明治大学の試合を解説していきます。
全勝優勝を懸けた事実上の決勝戦でした。
今季も圧倒的な強さを見せる帝京大学に対して、明治大学も前半は喰らいつきましたね。
後半に入ると、コンタクトで疲労が重なった影響か、帝京大学優位に試合が展開していきました。
大学選手権出場は確定しているので、あとは再戦するまでに修正が出来るかどうかですね。
特に、明治大学は廣瀬キャプテンが怪我でメンバーから外れていたため、間に合えば試合内容が変わるかも知れません。
両チームの活躍が楽しみです。
それでは、試合結果・1st Scrum・Best Scrumを見ていきましょう。
試合結果
帝京大学 43vs11 明治大学
FW体重 帝京大学864kg / 明治大学820kg
1st Scrum 14:09~
気になる1st Scrumは14:09~です。
ハーフライン付近、明治大学ボールのScrumです。
組み合った後、頭を上げた帝京大学がヘッドアップの反則を取られました。
セットした位置から半歩後ろに下げた帝京大学に対して、半歩右側にズラした明治大学でした。
帝京大学は重さがある分、距離を取ってヒットで優位に立ちたいため、後ろに下げたのかなと考えてます。
また、フランカーが角度をつけてセットしているため、イン組かなと推測しています。
実際、フロントローのセットする角度も1・2番が12時半、3番が11時半の方向を向いてセットしています。
向く方向は違えど、フロントローの密着度が非常に高く、セットアップ時も低いので相当組み込んできていると思われます。
特に、HO江良選手の寄せが良いですね。
1番側津村選手の肩もしっかり前に出ているため、角度が付きにくくなります。
対する明治大学は、8人が真っ直ぐセットする綺麗なセットアップでした。
右側にズラした理由は、先ほど説明した帝京大学のイン組みに対抗するためだと考えてます。
具体的には、セットする位置を右側にズラす事で、帝京大学3番上杉選手が内側に割り込んでくるのに対して、1番床田選手が真っ直ぐ組み合えるようになります。
ズラさなかった場合は、バインドの際に帝京大学3番側が左側に半歩分身体をズラしているので、目の前に相手が居なくなります。
1番側の選手が時計回りに身体を回転させながら、Scrumを押されるシーンが典型例ですね。
今回はズラしたお陰で上手く組み合えた印象です。
バインドは先に明治大学3番為房選手が取りましたね。
ただ、持つ位置がなかったため、少し奥を持ち過ぎましたね。
その影響で、相手に対する圧力が減ってしまいました。
また、明治大学側の足の下げ幅が帝京大学と比べて大きく、綺麗なセットアップだったのに少し勿体無いかなと感じました。
他のScrumを見ると、良い形で組み合えた場面もあったため、余計にそう感じました。
バインドの際の低さは、両チームとも良かったですね。
ヒットはバインドの体勢が良かった帝京大学に軍配が上がりました。
前に3歩程出れていたため、そのまま押し切れれば良かったのですが、そう上手く行きませんでしたね。
同じ高さで組み合ったものの、帝京大学が畳み掛ける時に上へ圧力を掛けてしまいました。
春からずっと気になった点ですが、やはり反則を取られてしまいました。
映像を見る限り、明治大学側が先に首を抜いたようにも見えましたが、首を抜く原因となったのが帝京大学のため、反則を取られたのかなと感じています。
レフリーから押す角度についても言及されていたため、その部分もあまり良い印象で無かったのかもしれませんね。
ここら辺は、レフリーとコミュニケーションをとって改善するしか無いので、気になる点があれば主将を通して、聞いてみるのが良いかも知れません。
Best Scrum 41:47~
気になるBest Scrumは41:47~です。
帝京大学陣22m付近、明治大学ボールのScrumです。
14点差を追う展開、先制点が取れると流れが変わるかなと思いましたが、帝京大学が意地を見せましたね。
1本目は明治大学がプレッシャーを掛けるも、反則を貰う前に首を上げてしまい、ヘッドアップで組み直しとなりました。
セットアップのまとまり、バインド時の姿勢や動き幅、ヒットも含めて物凄く良かったです。
ただ、組み合った後、少し内側にブレてしまいましたね。
元々、イン組なので内側に圧力が掛かりやすいのですが、今回の場合は帝京大学の圧力に屈して明治大学が内側に逃げたと考えています。
その結果、良い形で組み合って前に出たものの、押しきれずに組み直しとなりました。
3番側はヒットで前に出られていた事を考えると、左側に流れ無ければペナルティを獲得出来たと思います。
後半1st Scrumとしては非常に良い入りでした。
2本目は帝京大学が強さを見せましたね。
1本目と比べて、バインドの際の動き幅が小さく、重くまとまりのあるScrumが組めたかなと考えます。
特に1番・2番のまとまりがよく、明治大学3番が両方から挟まれる状況となりました。
3番側も左肩が相手HOよりも下にあり、両肩で相手に圧力を掛けられていた印象です。
逆に、明治大学側は1本目と比べて、バインド時の動き幅が大きく、まとまりがなくなった印象です。
また、後ろに大きく下げたので、組み合う前から不利な状況でした。
体重で劣る分、ScrumReview全体が分裂してしまうと今回のように押されてしまいます。
1番側がバインドの後、HOに寄って低くなれた点は良かったのですが、左肩主導で前に出てしまったため、内側に潜られる結果となりました。
ヒットはほぼ互角でした。
ただ、ヒットの後のまとまりが勝敗を分ける事となりました。
帝京大学天晴れです。
終わりに
本日は、関東大学ラグビー対抗戦Aグループ 帝京大学vs明治大学の試合を解説しました。
W杯と被っていたので意識していませんでしたが、大学ラグビーも最終節です。
帝京大学の全勝優勝なるのか、慶應義塾大学が意地を見せるか。
明治大学は、国立の舞台で伝統の一戦に勝利出来るのか。
大学選手権に向けて楽しみな日々が続きますね。
引き続きラグビー観戦を楽しんでいきましょう。
Scrumをもっと理解して、ラグビー観戦がもっと楽しくなるように発信していきます。
本日もご覧頂きありがとうございました。
また次の記事でお会いしましょう。
コメント