試合結果
立命館大学 24-47 京都産業大学
立命館大学 311kg / 814kg
京都産業大学 330kg / 839kg
1st Scrum 1:18〜
立命館大学陣22m上、京都産業大学ボールのスクラムです。
組み合った後、スクラムが崩れて、京都産業大学がコラプシングの反則を取られました。
セットアップから見ていきましょう。
京都産業大学は、伝統の3番オーバーのセットアップです。
HOより3番が1歩前に出る事で、スクラム全体を前に押しやすくなります。
段差が出来るため、挟み込まれる可能性もありますが、相手1番にとっては凄くキツいセットアップです。
1番側は、HOに寄りながらセットしています。
右肩が埋まっていた事、立ち位置がHOと比べて左後ろだった事が気になりました。
オーバーハンドで3番が前に出るなら、HOと1番は、その押しに付いていく必要があります。
単純にこの時点で、3番と2歩分ズレているため、より段差が出来ています。
対して、立命館大学のセットアップは、HOと3番で京都産業大学HOを挟み込んでいるように見えました。
スロットが被るような位置、つまり、京都産業大学が頭をズラさらないとセット出来ない位置に予め頭を置いておく事で、京都産業大学フロントローの身体の向きをズラしています。
その上で、バインドまでは外側に張り続けて、ヒットのタイミングで圧力の方向を変えています。
理論上可能ですが、実際にやってみて、ここまでハマるスクラムは久しぶりに見ました。
例年より京産も密着感があり、良い形で組めたと思いますが、立命館大学の間合いを詰めるスクラムにやり辛さを感じたと思います。
欲を言えば、立命館大学1番が1歩前で組めていたら、もっと優位になるはずです。
京都産業大学1番は、バインドまで外側に張られていても、組む瞬間にL字に頭を回して中には入り込むのが良さそうです。
崩れる可能性はありますが、外側に弾かれっぱなしよりマシです。
また、左足を折り畳めた所は良かったですが、自分自身の姿勢が崩れてヒットができていません。
相手のスクラムに対してどこまで対応するか、自分のセットアップと天秤に掛けながら組みたいですね。
オーバーハンドの組み方に対して対策して、綺麗にハマったスクラムでした。
京都産業大学以外にも、オーバーハンドを取り入れるチームを見かける機会があり、参考になる映像でした。
Best Scrum 35:20〜
ハーフライン上、京都産業大学ボールのスクラムです。
組み合った後、京都産業大学が3番主導で外側に押し切りました。
オーバーハンドのメリットを存分に活かしたスクラムでした。
1st Scrumと比べて、京都産業大学 1番の立ち位置が1歩前でした。
その上、右肩もHOの脇から出ており、身体がスクエアに出来ています。
対して立命館大学は、1st Scrumと比べて3番が1歩後ろにセットしていました。
立命館大学も同様に、3番主導で前に出たかったと思われますが、この時点で五分五分の状態です。
ヒットは立命館大学優勢でした。
ただ、組み合った後、京都産業大学が密着しながら少しずつ圧力を掛けて前に出ました。
立命館大学はフロントロー同士で、スロットの出口を狭くする事を意識しています。
ただ、そこを意識し過ぎたのか、2ndスクラムから入り口のお尻側が開いた印象を受けました。
そのため、組み合った後フロントローが孤立しているように感じました。
今回の場合も、ヒットで優勢だったものの、フロントロー同士の密着感が弱くなり、それに続いてバック5も分裂してしまったと考えられます。
セットアップも重要ですが、組み合った後どう圧力を掛けるかも重要です。
春も同じような形で押される場面があり、対策したものの、結果としては押される事になりました。
1st Scrumは事前対策がハマるかどうか、2nd Scrum以降は組み合った後どれだけ修正出来るかが肝になります。
だからこそ、管理人としては自律思考型のフロントローを育てたいなと思います。
『スクラムをシンプルに分かりやすく』
日頃からScrumLoveClubをご覧頂きありがとうございます。
今後も精力的に活動しますので、引き続き宜しくお願い致します。
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