立教大学 vs 帝京大学

大学ラグビー
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試合結果

立教大学 21-48 帝京大学

立教大学 320kg / 803kg

帝京大学 317kg / 832kg

1st Scrum 5:35〜

立教大学陣10m付近、帝京大学ボールのスクラムです。

組み合った後、安定したスクラムを形成してボールアウトとなりました。

セットアップから見ていきます。

立教大学は、HOがセットした位置に両PRがバインドする形でした。

気になった事は2点です。

1.間合いが3歩以上ある

2.HOの足幅が異常に狭い

1は、帝京大学が前のめりになり、セットアップが崩れるようにしていると感じてます。

ヒットスピードで勝つなら、バインド時でもっと優位に立つ必要があります。

2は、立教大学のスクラムの肝であるフロントローの密着感を出すためです。

背中で寄せる・腕で寄せるなど、寄せ方は様々ありますが、結局身体が密着していないと意味がありません。

そのため、HOが足幅を広く取ると、その分だけスクラム全体が横に広がります。

逆に、立教大学のように両足を前後に揃えると、足幅が狭くなり、フロントローが寄りやすくなります。

その分だけ、HOがバランスを取りにくいのですが、両PRを支えにする事で、自立出来ます。

クラウチの段階で、PRが内側の方を下に傾けており、HOを中心とした

バック5は扇の形、かつフランカーがロックよりも前にセットして、フロントローを外から包み込む形でした。

フロントローの立ち位置及びバック5の圧力により、密着したスクラムが生まれています。

対して帝京大学です。

帝京大学もHOがセットした位置に、両PRがバインドしていました。

バインドは1番→3番の順番、身体の向きは↗️↖️⬆️でした。

横からの映像なので推測になりますが、立教大学3番を挟み込みつつ、帝京大学3番森山選手が内部からスクラムを崩して前に出たいのかなと考えています。

肩を出す際も、密着感を意識しているのか丁寧に出している印象を受けました。

HOの脇からPRが肩を出す際、勢いよく開くチームがありますが、密着が弱くなりスクラム全体に隙間が出来ます。

帝京大学のように、密着感を意識しながら出せるとGoodですね。

フランカーは、例年通り頭を使ってフロントローを寄せる形でした。

帝京大学の場合、バインドしてからフランカーがロックによるため、扇の形とは少し異なります。

バインドで上手く噛み合わず、拮抗したスクラムとなりました。

ジャージの機能性が向上しており、ひと昔前よりバインドがしにくいです。

持ちたい所が持てなかった時にどうするか、そこまで考えられると、より良いスクラムが組めそうです。

Pickup Scrum 41:44〜

帝京大学陣ゴール前5m、帝京大学ボールのスクラムです。

前半終了間際、またしても立教大学が安定したスクラムを構築しました。

自陣ゴール前で帝京大学が押してこなかった事もありますが、立教大学がしっかり組み合えたため、押せなかったとも見えます。

このスクラムの肝は、HO越後選手ですね。

セットアップの段階で、右足を半歩右側へ動かしました。

その前のスクラムで、立教大学1番がスクラムから外側にはみ出しており、そこを修正しています。

組み合った後は、誰よりも低く沈んでいました。

1番側と密着しながら、帝京大学3番が動くスペースを無くしつつ、沈んでHOに圧力を掛けています。

立教大学3番側は、左腕を真後ろに回してバインドし、帝京大学1番とHOの間にアプローチしています。

このバインドのやり方の場合、肩が背中側に回るため、よりHOに寄る事が出来ます。

また、帝京大学HOの右肩よりも下に肩を入れる事が出来るため、圧力を掛けられます。

身体が傾く事で、帝京大学1番が前に出やすくなりますが、右腕を絞る事で対応しています。

このセットアップから組み方は、取り入れてみたい事が多いので、引き続き研究を続けます。

帝京大学側からみると、スクラムの舵取りをするHOが抑えられており、アクセルである3番側は身動きが取りづらい状況です。

結果的に、安定したスクラムとなり、ボールアウトしました。

Best Scrum 76:19〜

立教大学陣10m-22m、立教大学ボールのスクラムです。

お互いメンバーが交代したスクラム、今度は間合いを極端に詰めてきました。

メンバーによって組み方が変わると、相手チームは2種類のスクラムに対応する必要があり、攻略が難しくなります。

ただ、間合いは変わったものの、セットアップはスタートメンバーと似ていました。

ヒットは帝京大学優勢でした。

ただ、組み合った後は立教大学も密着しながら前に出ており、拮抗したスクラムとなりました。

ヒットの段階では崩されそうでしたが、HO進藤選手を中心に密着して対応しました。

圧力を受けた時にバインドが外れてしまうと、数的不利で押し切られます。

劣勢になっても、HOを中心にFW全員が密着していたため、個人で出てきた帝京大学が盛り返される結果となりました。

帝京大学としては、3番側が前に出ている状況でしたが、1番・HOと身体が離れて孤立しています。

HOは、3番についていこうとしますが、前に出る時に浮き上がってしまい、そこを立教大学に狙われました。

映像をみていて、息が詰まるぐらい密着しており、スクラムに拘ってきた事が分かります。

点数こそ開きましたが、大学選手権4連覇の王者に対して真っ向勝負で渡り合えたスクラムでした。

今年の対抗戦は、今回の立教大学を筆頭に、青山学院大学、筑波大学とスクラムに拘っているチームが沢山出てきています。

正直、物凄くワクワクしています。

スクラムで互角に戦えたら、チャンスが出来ます。

勝てたら更に勝利に近づくでしょう。

スクラムってそれぐらい重要です。

『スクラムをシンプルに分かりやすく』

日頃からScrumLoveClubをご覧頂きありがとうございます。

今後も精力的に活動しますので、引き続き宜しくお願い致します。

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