立命館大学 vs 京都産業大学

大学ラグビー
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試合結果

立命館大学 29-12 京都産業大学

立命館大学 300kg / 782kg

京都産業大学 312kg / 810kg

1st Scrum 4:39〜

京都産業大学陣10-22m、京都産業大学ボールのスクラムです。

1本目は間合いが合わず組み直し、2本目は京都産業大学が3番主導に前に出て、立命館大学がコラプシングの反則を取られました。

3番がお神輿状態になっていたので、危険な状態です。

低く耐えようとしていたが、京都産業大学1番が懐に潜っていた/立命館大学5番は動かず押していた事が影響して、拮抗した力が上向きに動いてしまいました。

セットアップから見ていきましょう。

京都産業大学は伝統のオーバーハンドスクラム、エースナンバー3番を軸にスクラムを構築しています。

3番が前に出る事で、スクラム自体を動かし易くなります。

その反面、HOと3番の間に隙間が出来やすいのと、3番が前に出れなかった時にカウンターを喰らいやすい特徴があります。

オーバーハンドを取り入れる際は、メリットとデメリットを考えた上で、採用していきたい所です。

対して立命館大学は、HOが立っている所に両PRがセットしています。

1番はHOの真横、3番は半歩前にセットしていました。

お尻の位置を合わせるため、立ち位置をズラしていると考えられます。

HOのバインドは、両PRの脇腹付近を持って手首を返していました。

そうする事で、両肩が前に出やすくなり、京都産業大学の3番が内側に入る事を防いでいます。

背中の可動域も広く、密着感あるセットアップが出来ています。

両フランカー角度を付けていましたが、1番側のみクラウチの段階で膝を浮かせていました。

京都産業大学が3番主導で前に出てくるため、立命館大学は、1番が如何に前で勝負を出来るかが焦点となります。

その1番を注目して見ていたら、衝撃的な映像に遭遇しました。

立命館大学1番が早くバインドし過ぎて離したのですが、その前に左足を下げています。

多くの選手が前のめりになり耐え切れないであろうシーンですが、身体が前に行く事なく止まっています。

しかも、フランカーが膝を上げているため、前への圧力が掛かりやすいです。

フロントローが密着する事で、自立出来ます。

そこに、ロック・フランカーが膝を浮かせられると、バインドの段階で最初からフルスロットルの圧力を掛けられます。

あくまで理想、現実には難しいです。

だからこそ、立命館大学のセットアップに驚きました。

管理人もフロントローだけのセットアップなら出来ますが、8人の時に出来た記憶がありません。

凄く参考になるセットアップでした。

ヒットはほぼ互角、お互いの3番が少し前に出る形でした。

ただ、真っ直ぐ前に出た京都産業大学3番に対して、立命館大学3番は少し上に浮いています。

その上、身体の向きが傾いており、内側に入る以外の選択肢がありません。

その状況のため、有利な3番側に圧力を集めた京都産業大学が前に出て、スクラムを押し切りました。

組み合った時点は互角、ただその後押し切りたいのか/耐え切りたいのかの違いが顕著に現れました。

また、京都産業大学は、組み合った後の足の動きが揃っており、非常に面白かったです。

1st Scrumの優勢から一転、後半はスクラムで複数ペナルティを取られる場面が見られました。

ここの修正は頑張って欲しいですね。

Pickup Scrum 85:45〜

立命館大学陣22m上、立命館大学ボールのスクラムです。

組み合った後、京都産業大学が前に出ましたが、アングルの反則を取られました。

凄く判断難しいスクラムです。

セットアップの段階で、京都産業大学1番が身体よりも2歩程外側に左足がありました。

その上、立命館大学3番が外側に張っており、より外側身体が流れています。

ヒットは立命館大学優勢、面で出れています。

その後、京都産業大学が前に出ましたがアングルの反則を取られました。

このシーン、京都産業大学としては押せたから自分達が反則を獲得出来た感覚でしょう。

映像を見返すと、やはり京都産業大学1番の身体がスクラムの外側にあり、HOに寄りながら前に出たものの、見え方としてはアングルでした。

これがヒット京都産業大学優勢、その後も押し切れたなら京都産業大学が反則を獲得出来たと考えています。

Best Scrum 43:15〜

京都産業大学陣ゴール前5m付近、京都産業大学ボールのスクラムです。

組み合った後、京都産業大学が無理やり押し切り、立命館大学がスクラムを崩したためコラプシングの反則を取られました。

セットアップからヒットまでの組み立て方は、立命館大学が優勢でした。

フロントローは勿論の事、ロックも含めたタイト5全員が密着してセットしています。

バインド時も殆ど足を動かさず、膝を地面から数センチ上げた位置でキープしています。

密着と低さ、コンパクトという所を徹底的に拘って、京都産業大学に対抗しています。

小柄なチームの参考になるセットアップでした。

ただ、そこからの圧力で京都産業大学が上回っています。

立命館大学が凄くコンパクトに組んでいるため、京都産業大学は自分達の組みたい間合いやスロットで組めていないはずです。

それなのに、ヒットで圧力を掛けて立命館大学のフロントローを崩し、低くなって前に出ました。

スクラムは組む前に勝負が決まっている。

そういう意見を聞くと、管理人も思わず頷いてしまいます。

ただ、スクラムは組み合った後が勝負です。

組む前にどうするか/組み合った後にどうするかは、両輪で考える必要があります。

京都産業大学は、綺麗に押し切れたシーンが1st Scrum以降少なく、京都産業大学としては不完全燃焼ですね。

プレーにどこか迷いがあり、自慢のスクラムでペナルティを獲得しても、喜ぶ選手が少なかった印象です。

相手を馬鹿にするリアクションは良くありませんが、もっと喜んでも良いのかなと感じてます。

立命館大学は、しっかりとスクラムを組み込んできた事がよく分かります。

幾つかペナルティ取られているため、そこが修正出来れば、秋全勝優勝の可能性があると考えてます。

ハードワークがシーズン通して続くのか、凄く期待しています。

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