試合結果
America 21-47 Japan
America 354kg / kg
Japan 334kg / 914kg
1st Scrum 01:49〜
Japan陣10m付近、Japanボールのスクラムです。
組み合った後、Japanが下から突き上げる形で押し切り、Americaがヘッドアップの反則を取られました。
1st Scrumからスクラムで圧倒出来ており、非常に良い形でした。
セットアップから見ていきます。
Japanは、HO江良選手がセットしてから、両PRがバインドする形でした。
セットした位置は、America HOとほぼ同じ位置で、被さるようにセットしています。
その間、3番竹内選手はお馴染みのルーティンをしており、良い形でスクラムに臨めています。
1番小林選手は、HOと同じ位置に立ちたいため、気持ち半歩前にセットしています。
肩を意識しながら出している事から、身体を真っ直ぐにして、相手3番と組みたい事が伺えます。
3番竹内選手は、HO江良選手より半歩前に立ち、3番主導で前に出るセットアップでした。
1番とHOの間が極端に狭く、HOと3番の間はスペースがあるものの、密着感が高いため圧力が高いです。
バック5は真っ直ぐ、3番側のセットしている位置が半歩前のため、必然的にフランカーも半歩前にセットしています。
対してAmericaのセットアップは、あまり見えませんでしたが、3番が低さを意識してセットしている事が分かります。
HOのバインドは、PERFECT HUMANのような形でした。
この場合、HOの肩が後ろに行くため、その分だけ密着しやすくなります。
また、背中が寄りやすくなります。
その反面、手に力が入りにくくなるのと、前のめりになりやすい事が特徴です。
フロントローのセットアップは、スプリットですが足幅は小さめでした。
バック5は、ロックを支えるため、No.8のみ直立・その他は真っ直ぐセットしています。
バインドは、Japanが先手を取れています。
ただ、フロントローの重さがある上、クラウチの段階から前のめりのため、後ろに下げるまでは難しいですね。
ヒットもJapanが優勢でした。
バック5の膝の伸び具合を見ても、その差は歴然です。
この後が凄く良くて、1発目のプッシュだと押し切れなかったのですが、その際にフロントローが低い姿勢を保てていました。
最初に浮いてしまうと、その後も浮いてしまって圧力が上に逃げるため、押し切れません。
今回は、1回目にAmericaの余力を無くして、2回目に押し切る形でスクラムを崩せています。
全体の密着感、フロントローの姿勢、バック5の圧力とても素晴らしかったです。
Best Scrum 20:44〜
America陣ゴール前5m、Japanボールのスクラムです。
組み合った後、Japanが3番主導で前に出て押し切り、STしました。
久しぶりに綺麗なSTを見れて、スクラム好きには堪らないシーンでしたね。
セットアップは1st Scrumと変わらず、間合いは1st Scrumよりも近め、スロットが若干ズレているように見えました。
今回注目したい点は、
・バインド時の圧力
・前に出る際の足の運び
この2つです。
1つ目のバインド時の圧力は、間合いが狭い分、先手を取る事で相手を窮屈にする事が出来ています。
1番小林選手の下げ幅は小さく、コンパクトにセット出来ています。
Americaが前のめりのため、バインド後は少し圧力を受けていますが、強い姿勢を保てていました。
2つ目は、前に出る際の足の運び方です。
Best Scrumの場合は、組み合った後、3番竹内選手の足が真っ直ぐ前に出ています。
右足から動いているので、身体が傾く可能性がありましたが、バック5の押しを貰いつつ前に出られています。
1番小林選手もHOによるために、左足を寄せてから、右足から動かして前に出ています。
セットアップの段階からこの位置にあればベストですが、なかなか難しいのが現状です。
それでも、組み合った後に修正して前に出れており、精度の高さが感じられます。
両PRの動きを感じながら、HO江良選手がコントロールして前に出れており、結果としてSTに繋がりました。
是非、Pickup Scrumと比べてみてください。
凄く分かりやすいです。
Pickup Scrum 67:07〜
America陣ゴール前5m、Japanボールのスクラムです。
Best Scrumと同じような状況、今度はJapanが反則を取られました。
理想的な1st ScrumやBest Scrumと違い、無理やり押しています。
反則は、横にスライドした事によるステップアウト、正式名称は分かりません。
映像を確認した所、スロットは1歩ズラしている状態でBest Scrumと変わりません。
違いは、組み合った後の動き方です。
Pickup Scrumでは、真っ直ぐではなく、スクラム全体が左側に傾きながら動いています。
足の動きを見てみると、右足が前ではなく左に動いている事が分かります。
これは、1番側も3番側も変わりません。
本来であれば、密着した状態で前に出たい状況、Americaの圧力の無い所を狙う事が先行して、左側にズレたと考えています。
想定よりもAmerica 1番がアングル気味に組んでおり、割りに行った際に外側から圧力を受けた事も要因の一つでしょう。
ただ、3番為房選手が右肘を寄せて、相手1番とHOの間を割れているのに、内側へ流れてしまうのは勿体無いですね。
LeagueOneでも同じシチュエーションがあり、押し切れてない場面がありました。
多分、長年の癖が積み重なっているので、どこかで改善してほしいです。
スクラムは対人勝負です。
勿論、避けられる圧力は避けたいですが、正当にコンテストせず前に出ようとすると、反則を取られます。
流れて前に出るのは、物凄く楽です。
でも、楽してスクラムは勝てません。
Japanが組みたいスクラムと、それが出来なかった時がハッキリした試合でした。
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