B&Iライオンズ vs Australia

テストマッチ
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試合結果

B&Iライオンズ 29-26 Australia

1st Scrum 12:32〜

Australia陣22m付近、B&Iライオンズボールのスクラムです。

組み合った後、B&Iライオンズ 1番側が前に出る形でスクラムが崩れたため、Australiaがコラプシングの反則を取られました。

セットアップから見ていきましょう。

B&Iライオンズは、HOがセットした位置に両PRがバインドしています。

バインドする位置は、1番側はHOの右脇付近、3番側は背中の真ん中を持っています。

1番側は上半身を寄せて、Australia 3番に対してアプローチしたい/3番側は自身の身体がスクエアにしたい事が伺えます。

それぞれ管理人が見てきたスクラムとセットアップが合っており、バインドする位置をみて頷きました。

また、3番はHOの半歩前に立っており、Australia 1番側からすると、間合いが狭くなりやりにくくなります。

管理人は、これを擬似的オーバーハンドスクラムと読んでいます。

フランカーは1番側のみ角度をつけてセット、3番側は真っ直ぐセットしています。

個人的には、Sakura15のようなオーソドックスな真っ直ぐか、B&Iライオンズのように1番側のみ角度を付けるのが良いと考えてます。

また、分かりにくいですが、3番がロックの位置を気にしている様子がありました。

一流の中の一流選手だけが集まるB&Iライオンズだからこそ、個々のこだわりが強く、セットアップを合わせるのも大変ですね。

対してAustraliaは、スロットを半歩左側にズラしている印象を受けました。

B&Iライオンズが動かした形跡は無いので、Australia側が動かしたと考えてます。

バック5はほぼ真っ直ぐ、1番側のみ少し角度をつけていました。

ただ、1番の肩がHOに隠れており、この点は気になりました。

バインドは、B&Iライオンズが優勢でした。

上からの映像を確認すると、セットした状態からまとまりを保っていたB&Iライオンズに対して、Australiaはフロントローが割れて隙間が出来ています。

上半身は密着しているものの、お尻がそれぞれ割れており、ロックが押しにくい状況です。

その影響で、セットした位置から動いていないHOだけが後ろに残っています。

ヒットはほぼ互角でした。

ただ、Australia側はヒットの段階でまとまりが無く、フロントローの身体が斜めに傾いています。

B&Iライオンズ 1番とHOは真っ直ぐ、セットした方向から変わらず組めています。

3番がヒット時に内側へ傾きましたが、身体を捻って真っ直ぐに戻しています。

上からの映像なので、推測になりますが身体が傾いた後、首を沈めてL字のように移動させたと考えています。

そうする事で、圧力の方向が11時から1時に変わります。

内側に入る事が多いセットアップですが、内→外にアングルチェンジ出来ると、引き出しが多くなります。

Australia HOが11時の方向に傾いた事に加えて、3番がB&Iライオンズ 1番からくる圧力に耐え切れなかった事で、時計回りにスクラムが回転して崩れました。

ここまで綺麗にハマるスクラムも珍しいです。

ちなみに、67:58〜も上からスクラムを見ることが出来ます。

Best Scrum 54:47〜

B&Iライオンズ陣22m上、B&Iライオンズボールのスクラムです。

組み合った後、B&Iライオンズが押し切り、圧力に耐え切れなかったAustraliaがスクラムを崩したため、コラプシングの反則を取られました。

お互いメンバーが交代している状況でした。

B&Iライオンズは前半と変わって、意図的に間合いを広く取りました。

HOがセットしてから、半歩後ろに下がっており、両PRの組みたい位置に調整しています。

上からの映像を見る限りは、PRのバインド位置は変わりないと考えています。

1番の立ち位置がHOより少し後ろですが、ツアー通してこの位置で組んでいます。

角度を付けて組むならこの位置で良いのですが、外側に張られた時や真っ直ぐ前に出てこられた時は苦しくなります。

といっても、コラプシングを取られたのが1回だったと記憶しているので、流石です。

バック5は、1番側のフランカーのみ離れていましたが、他はHO・3番に対して真っ直ぐアプローチしていました。

特に、4・5・7番の密着が素晴らしく、隙間が殆どありません。

スクラムの構造上、3番が前に出ると相手1番とHOが後ろに下がるため、全体的に前に出やすくなります。

そのため、今回の密着感は素晴らしいと感じました。

対してAustraliaですが、1st Scrumとセットアップは同じだったように見えました。

ただ、1st Scrum以上に、フロントロー同士の隙間があり、その隙間に対してB&Iライオンズがアプローチしています。

ヒット自体は互角ですが、バック5の推進力をダイレクトに伝えられたB&Iライオンズに対して、対抗出来る力がありません。

時間が経つにつれて分裂していき、結果的に圧力に耐え切れずコラプシングの反則を取られました。

密度の濃さは、良いスクラムを組んで前に出るために凄く重要になります。

スクラムを押しても得点は取れませんが、攻撃を継続したり、得点チャンスに繋げる事ができます。

また、ボールの争奪に勝てば、相手の攻撃権を奪う事が出来ます。

今回で言うと、22mの外側のスクラムなので、キックでタッチラインに直接蹴り出す事が出来ません。

ただ、展開してミスをすると、相手に攻撃権が渡り、点差を広げられるかもしれません。

今回は、スクラムで反則を取ったから、その後のATも自由にしやすくなります。

また、ミスしてもアドバンテージがあるため、自陣から脱出する事が出来ます。

ラグビーは、相手チームより得点を多く稼ぐ事で勝利できます。

そのために、スクラムの刃を研ぐ事は、選択肢の1つでしかありません。

もし、刃を研ぎたい・スクラムという刀を持ちたいチームが居ればサポートしたいですね。

ScrumLoveClubでは、引き続きスポットコーチング受付中です。

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