関西大学 vs 近畿大学

大学ラグビー
この記事は約5分で読めます。

試合結果

関西大学 19-64 近畿大学

関西大学 300kg / 782kg

近畿大学 312kg / 810kg

1st Scrum 15:33〜

関西大学陣22m内、関西大学ボールのスクラムです。

組み合った後、安定して動かずボールアウトとなりました。

セットアップから見ていきましょう。

近畿大学は、HOが立った状態でセットして、そこに両PRが寄ってきています。

肩を抜く際は、横では無く、前に出すイメージで肩を出していました。

そうする事で、フロントローの隙間が小さくなり、胸のラインを揃える事が出来ます。

1番側のバインドが緩かった事、3番が少し内側を向いている事から、相手3番に圧力を集めたいと予想できます。

両フランカーが角度をつけてセットし、膝を浮かせています。

フロントローは胸のラインを揃える/密着しながら前に圧力を掛ける事が目的だと考えます。

対して関西大学は、HOが両足を開いて少し低くなった所に、両PRが寄ってセットしています。

肩を出す際も勢いを付けるのではなく、出来る限り力を抜いてセットしていました。

肩が抜けない可能性は高まりますが、脱力している事もあり、フロントローの密着感が保てます。

ロックが入るタイミングで、フロントローも低くなりました。

FW合計体重が800kgを切っており、大学ラグビーだと軽い部類に入ります。

だからこそ、低さとコンパクトに拘っているのだと考えてます。

クラウチの前に低くなるのは、ルール上問題無いです。

先手を取る意味でも、小柄なチームはセットアップの段階から低くなれると良いですね。

ただ、注意される可能性はあるので、レフリーとコミュニケーションをとりましょう。

ロックは、グラウンドに頭を擦るぐらい低い位置から頭を入れています。

フロントローが低くセットしても、ロックが真っ直ぐ頭を突っ込めば、頭の分だけフロントローが外側に弾かれます。

今回のように、ロックがフロントローの膝から頭を入れる事で、それを防ぐ事が出来ます。

また、ロックが頭を入れる際、両PRが隙間を作っていました。

そうする事で、ロックも頭を入れ易くなります。

今回は内側の足を動かす事で隙間を作っていましたが、足を動かさず膝を内側に動かすだけで隙間を作れます。

膝の動きだけで開閉出来ると、ロックも含めて密着感を保てます。

細かいスキルですが、LeagueOneでもやっているチームはあるので、試す価値はあります。

フランカーは緩やかに角度をつけてセット、首でフロントローを寄せていました。

膝は地面に付けていましたが、90°よりも前のめりにセットしています。

体重差がある分、低さ/密着/バインドで先手を取る事を意識しているのかなと感じます。

個人的には、半歩間合いを詰めてイヤートゥーイヤーに近い状態の方が機能するのかなと考えてます。

バインドは関西大学が先手を取りました。

3番の外への張り方が凄く綺麗でしたが、右半身が開いていた事/スプリットの幅が広くて下げる際に浮いてしまったため、近畿大学1番が懐に潜る余裕が生まれています。

身体の方向を見ても、バインドの段階から内側に入りたい事が伺えるため、近畿大学1番から見ると組みやすい相手です。

ヒットはほぼ互角でした。

組み合った後も殆ど動かず、拮抗して浮き上がったところでボールアウトとなりました。

Best Scrum 53:57〜

関西大学陣10m-22m、近畿大学ボールのスクラムです。

組み合った後、スクラムが崩れて関西大学がコラプシングの反則を取られました。

セットアップは1st Scrumと変わらず、近畿大学が敢えて間合いを遠くしています。

両チーム、No.8からフロントローにかけて背中のラインが揃っており、非常に綺麗なセットアップでした。

1st Scrumと比べて間合いが遠かった影響により、お互いバインド時に前へ掛ける必要が出てきます。

重さで勝るのは近畿大学です。

関西大学は、間合いが遠い分だけ、バインドで先手を取れても圧力が掛け辛いです。

理由は、腕を伸ばせる距離が短くなるためです。

今回、関西大学1番はバインドで先手を取ったものの、握り拳1個分程しか腕を伸ばしていません。

1st Scrumと映像が違うため、直接的な比較は出来ませんが、この影響は大きかったと考えられます。

ヒットはほぼ互角ですが、ヒットする姿勢に差がありました。

近畿大学が真っ直ぐ、少し膝を沈めるような形でヒットしたのに対して、関西大学は孤を描くようにフロントローが動いています。

そのため、組み合った段階で強い姿勢を取れる近畿大学に対して、関西大学は頭が下がり背中が丸くなっています。

バック5の伸びは関西大学の方が良いのですが、その先のフロントローが曲がっているため、押しを100%貰えていません。

近畿大学は、理想的な姿勢を取れており、バック5もズレていないため、後ろの押しを100%伝えられます。

組み合った後は、近畿大学が面で前に出てスクラムが崩れたため、関西大学がコラプシングの反則を取られました。

結果的に近畿大学優勢のスクラムが多かったですが、関西大学もスクラムに拘っている事がよく分かります。

大学ラグビーは、スクラムの重要度が高まるため、引き続き注視していきます。

ScrumLoveClubでは、引き続きスポットコーチング受付中です。

もし、安全なスクラムを鍛えたい・基礎を教えて欲しい方が居れば連絡ください。

『スクラムをシンプルに分かりやすく』

日頃からScrumLoveClubをご覧頂きありがとうございます。

今後も精力的に活動しますので、引き続き宜しくお願い致します。

ScrumLoveClubの活動をサポートして頂ける方を募集中です。

OFUSEで応援を送る

コメント

タイトルとURLをコピーしました