東芝ブレイブルーパス東京 vs クボタスピアーズ船橋・東京ベイ

BL東京
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試合結果

東芝ブレイブルーパス東京 18-13 クボタスピアーズ船橋・東京ベイ

BL東京 326kg / 877kg

S東京ベイ 349kg / 903kg

1st Scrum 3:57〜

S東京ベイ陣ハーフライン付近、S東京ベイボールのスクラムです。

組み合った後、殆どスクラムが動かずボールアウトとなりました。

LeagueOneの決勝に相応しい1st Scrumでした。

セットアップから見て行きましょう。

BL東京は、HO 原田選手が低くセットした位置に両PRがバインドしにくる形でした。

そうする事で、セットしてから動く動作が減り、フロントローの密着感が薄れにくいです。

今回は、S東京ベイ 3番が重たいので、1番木村選手と協力しながら攻略しようとしています。

バインドのやり方は同じですが、いつもより締めていました。

フロントローは胸の位置を揃えているため、身長差の分だけお尻の位置がズレています。

バック5は真っ直ぐ、30kg近く重たい相手に対して、小細工無しの勝負に出ました。

対してS東京ベイは、直立したHOマルコム・マークス選手に両PRがバインドしています。

そうする事で、フロントロー全員が気持ちよく胸を張れる状態を整える事が出来ます。

その状態を維持して、足を下げて低くなります。

大学カテゴリーだとあまり見られないセットアップですね。

バック5の押しを活かすため、フロントローのお尻の位置を揃えています。

レギュラーシーズンを見て、S東京ベイのヒットスピードはリーグ1番でした。

『重さ×スピード』

物理の話は分かりませんが、単純に考えて重たい塊が物凄い勢いで突っ込んできたら破壊力が凄くなりますよね。

それをS東京ベイは実践している形です。

お尻の位置を合わせた影響で、1番紙森選手と3番オペティ・ヘル選手は18㎝差があるため、その分だけ3番側が前に出ています。

個人的にですが、身体の大きい(または体感が強い)3番がいる場合、HOより半歩前に立たせるセットアップが強いと考えています。

擬似的に、オーバーハンドスクラムを作る事が出来るため、より前に出やすくなります。

ここは理論と現場の擦り合わせをする必要があるので、また試行錯誤したい点です。

話が逸れました。

バック5は、1番側のフランカーのみ角度を付けてセットしています。

また、クラウチの段階から両フランカーが膝を浮かせていました。

バインド時に相手へ重さを乗せる際、フランカーの重さも含めて相手に伝える事が出来ます。

S東京ベイの主導が3番だとすれば、1番はHOに寄りながら前に出るのが理想です。

その最中、左足が外側に流れてしまうと、左肩が先行してお尻が割れてしまいます。

フランカーが角度をつける場合は、フロントローのお尻が割れないようにする事を意識したいです。

S東京ベイのスクラムが良いからそのセットアップを真似する。

それだけでは、オーソドックスなスクラムに完敗するでしょう。

セットアップの意味を考えて、メリット・デメリットを把握した上で取り入れたいですね。

ヒットはS東京ベイが優勢、ヒットのタイミングがピタリとあえば、ヒットだけで勝負が決まる勢いでした。

ただ、BL東京も膝を伸ばして対応しており、上手く組み合えたスクラムでした。

組み合った後の纏まりは、BL東京が良かったです。

S東京ベイはヒットスピードで勝負を仕掛ける反面、組み合った後は比較的自由に組んでいる傾向が強いです。

今回は、

  • S東京ベイ 3番がBL東京 1番から右上向きに圧力を受けている
  • BL東京 HOの左肩が障壁となり、内側に入り込めない
  • S東京ベイ HOは、BL東京 HO及び3番に挟み込まれて身動きが取り辛い

この3点が動かなかった要因です。

BL東京バック5も殆ど動いていないので、拮抗していたスクラムでした。

Best Scrum 57:07〜

BL東京 3番→18番

S東京ベイ 1番、3番→17番、18番

S東京ベイ陣ゴール前5m、S東京ベイボールのスクラムです。

組み合った後、S東京ベイが前に出てスクラムを押し、圧力に耐え切れなかったBL東京がヘッドアップの反則を取られました。

S東京ベイは両PRが変わった事により、両フランカーが角度を付けてセットする扇の形に変わりました。

前への推進力が落ちる代わりに、密着感が高まるため、良い切り替えだと思います。

ヒットまでは互角でした。

組み合った後、S東京ベイが差し込まれるものの、再度低くなって潜り込み、3番側に圧力を集めて押し切りました。

  • 組み合った後に低くなれる身体の強さ
  • 3番側が圧力を受けていることが分かる嗅覚
  • 圧力をかけるタイミング

世界最高のHO マルコム・マークス選手のスキルを堪能しました。

フッキングしてから体勢を整えて、押し切れる選手が国内にどれ程居るのか。

これぞスクラム、言葉で表せないのが悔しいぐらい素晴らしいスクラムでした。

気になった2点

  1. S東京ベイ HOの頭が先に抜けている
  2. S東京ベイ HOがバインドを変えている

1について

先に頭が抜けたのはS東京ベイですが、圧力が高まった状態で押されながら浮き上がったため、BL東京が反則を取られたのかなと考えています。

2について

競技規則では、HOは両腕でPRをバインドする事(腕の上下は問わず)となっています。

バインドをしていないではなく、バインドを変えただけなので、特段反則を取られませんでした。

PRがバインドを変えた事によりスクラムが崩れた場合は、コラプシングを取られる可能性があります。

理由は崩す原因を作っているからです。

注意してください。

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