東海大学 vs 流通経済大学

大学ラグビー
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スコアフロントローFW8人
東海大学24321kg802kg
流通経済大学21330kg853kg

東海大学陣10-22m、東海大学ボールのScrumです。

組み合った後、東海大学が少し前に出ながら時計回りにScrumが回転しました。

その直後に東海大学側がボールを展開したため、反則はありません。

セットアップから見ていきましょう。

東海大学は左右の角度が違う扇でした。

外側に割れやすい1番側は角度を鋭角に、3番側は寄せすぎない様に鈍角にしてセットしています。

そのため、フロントロー全体の密着度を高めつつ、前への推進力を保っています。

セットする際も、HOは身体を捻らずに真っ直ぐ前を向いており、そこに両PRが合わせる形を取っています。

また、セットアップの段階でHOが1/4歩左側へズラしており、スロットをズラした上で密度の濃いScrumを構築したい事が伺えます。

対して流通経済大学は、1番側をバインドしてから3番側をバインドしてきます。

このセットアップ自体は問題無いかなと考えてます。

ただ、1番がHOに対して半歩後ろ・3番側は半歩前にセットしており、縦ズレが生じています。

その上で、HOの上半身が1番側に引っ張られすぎたのかなと感じました。

バック5は真っ直ぐでした。

重さの優位性を活かすため、バインドの前にロックが地面につけていた片膝を浮かして重さを乗せる準備をしています。

バインドは東海大学優勢でした。

セットした位置からフロントローが足を下げるだけで、お尻の位置を動かしていません。

対して流通経済大学は、圧力を受けてフロントローが後ろに下がっており、その影響をバック5もモロに食らっています。

Scrum全体が流通経済大学側に流れており、ヒットする余力が小さくなっています。

そんな状況下でも、ヒットはほぼ互角でした。

多少下がっていても重さがあるため、ヒット時のインパクトは互角だったのかなと考えています。

組み合った後は東海大学が優位に進めています。

最初にズラしたスロットと流通経済大学の縦ズレが上手く噛み合い、オープンサイド(ポイントがある地点から広いエリア側)にScrumを回転させる事が出来ました。

Scrumを回転させる事で、東海大学BKに対して、流通経済大学フランカーのDFが遅れます。

一次攻撃で真ん中付近にポイントを作れると、数的優位を作れる可能性があります。

流通経済大学陣ゴール前5m、東海大学ボールのScrumです。

2回間合いが合わず組み直し、3回目は組み合った後に東海大学がフッキングをせずにScrumが崩れたため、反則を取られました。

1st Scrumから劣勢だったScrumで、反則を取れたのは流通経済大学です。

それまでは、東海大学が密度の濃いScrumを組んでおり、面で圧力を掛けられています。

その上で、1番オトゥホウマ選手が真っ直ぐ前に出る力があり、スロットをズラさずに自分達が押したい方向に押せています。

また、セットアップの段階でスロットを半歩ズラしており、重さの不利差異を被らない様にしています。

形は違いますが、SpringboksのようなScrumだと思ってください。

対して流通経済大学は、重さはありつつもセットアップの密着度が東海大学に比べて弱く、線で組み合っている印象でした。

そのため、スロットをズラして面で組んでくる東海大学に対して、あまり対抗できていません。

その印象が変わったのが、このScrumです。

フロントローの隙間が小さくなり、線同士が束となって、棒を作れています。

元々重さでは勝っているため、東海大学の面に対して真っ直ぐ圧力を掛けられたら勝負出来ます。

その上で、3番側が半歩内側に寄っており、東海大学HOに対してより圧力が掛かっています。

流通経済大学HOと3番で東海大学HOを挟む事で、フッキングする迄に首を挙げられず、足が出なかったと推測しています。

ちなみに、珍しい反則なので少し触れます。

正確な年月は忘れましたが、少し前はフッキングせずに押し切るScrumは許容されていました。

確か静岡BRがその様なScrumを組んでた記憶があります。

ただ、ルール改正により必ずフッキングする事になっています。

引き続きScrum Love Clubでは、読者の皆さんがScrumをもっと理解して、ラグビー観戦がもっと楽しくなるように発信していきます。

また良かったら拡散をお願いします。

本日もご覧頂きありがとうございました。

また次の記事でお会いしましょう。

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