京都産業大学 vs 関西学院大学

大学ラグビー
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京都産業大学陣10m付近、関西学院大学ボールのScrumです。

組み合った後、画面奥側(関西学院大学1番・京都産業大学3番側)にScrumが流れました。

崩れたタイミングと同じくしてボールアウトとなったため、反則はありません。

セットアップから見ていきましょう。

京都産業大学は伝統のオーバーハンドでした。

春は圧倒したScrumですが、秋シーズンに入り少し苦戦している印象を受けています。

全部の試合を見れてませんが、1st Scrumだけ見た時に感じたのは、3番川口選手のセットする位置が1/4歩後ろだという事です。

3番オーバーの場合、HO李選手よりも肩分だけ前に身体があるはずですが、15センチある身長差が影響しているのか段差が出来ています。

逆に、1番曽根選手側はセットの位置がほぼ揃っています。

3番が前にズレる事が多い京都産業大学としては、珍しいセットアップの不具合でした。

バック5はオーソドックスな真っ直ぐの形、大学屈指の重さを存分に活かすために、このセットにしています。

対して、関西学院大学のフロントローは立ち位置が綺麗に揃っていました。

京都産業大学の様に特殊な組み方をしないなら、基本的にフロントローの位置を合わせる必要があります。

また、フロントローの身体の向きが真っ直ぐでは無かった事も注目したいです。

1番大塚選手はお尻が外側に割れ過ぎない様にしつつ、少し↗️に角度をつけています。

HO 平生選手は京都産業大学3番の身体の位置に気を遣いつつ、正面の相手と真っ直ぐ低く組み合う事を意識しています。

3番 市川選手は↖️に角度をつけていました。

腕の位置から分かる通り、京都産業大学3番側に圧力を集めて、押したい事が伺えます。

また、セットアップの段階でも、仕切りにセットする位置を左側へズラしていたため、スロットをズラして優位に進められていました。

バック5の姿勢も綺麗でした。

フランカーの角度が付いているのは、京都産業大学に対して、フロントローが対策した位置に合わせるためだと考えています。

ヒットは京都産業大学が優勢でした。

セットアップから真っ直ぐ出るだけの京都産業大学と、スロットをズラして角度を付けている関西学院大学のヒットスピードに差がありました。

フロントローも角度を付けているため、純粋な真っ直ぐの圧力が小さくなっています。

その不安を解消するために、関西学院大学は間合いを詰めていたのですが、圧倒的な強さにやられましたね。

また、合計で見ればそこまで大差ありませんが、京都産業大学3番側(3番129kg、5番110kg、7番100kg)と関西学院大学1番側(1番108kg、4番103kg、6番105kg)で20kg以上差があります。

『Scrumは体重では無い』

これは僕を含めて多くのScrumコーチが言う言葉ですが、本当にそうなのかは検討する必要があります。

今回のように、体重差が大きいと、ヒットで崩される可能性は高まります。

関西学院大学が良かったのは、組み負けた後にバック5の姿勢が大きく崩れなかった上、Scrum全体を左側へずらす事が出来ています。

あまり褒められた動きでは無いですが、ヒットの勢いのまま押し切られる可能性もあったため、良い修整だと感じました。

そのまま関西学院大学3番が内側に入り込んで、Scrumが崩れたためボールアウトとなりました。

お互いScrumの内側に入り込んでしまい、真っ直ぐ押せる状況では無いので、崩れても仕方ないですね。

ここを耐え切れたのが、今回の試合のScrumに大きく影響しました。

関西学院大学陣ハーフライン付近、京都産業大学ボールのScrumです。

1本目はバインド時に間合いが合わず組み直しとなりました。

レフリーのコールの前に関西学院大学側がバインドしてしまい、お互いのタイミングが合わなかった影響でした。

1st Scrumと比べて、関西学院大学1番大塚選手が前にセットしており、意識的に間合いを詰めている事が分かります。

大きな3番に対して小柄な1番が組む時は、この様に間合いを詰めると良い具合に組めそうです。

2本目は、組み合った後、直ぐに京都産業大学がScrumを崩したため、コラプシングの反則を取られました。

ヒットは、どう見ても京都産業大学が優勢であり、『まともに組み合えば』反則を取れたScrumでした。

ただ、結果は京都産業大学がコラプシングの反則を取られています。

理由は、ヒットする際に頭が下がっており、下向きに圧力が掛かっているからです。

凄く良いヒットを出来ていたのですが、孤を描く様に下半身が上向きになってヒットしています。

また、ヒットする際に膝が伸び切ってしまい、組み合った後に耐え切る事が出来ていません。

そのため、必然的に頭が下にいき、Scrumが崩れました。

関西学院大学は真っ直ぐ組んでいます。

そこに対して、下向きに組んでしまったため、コラプシングを取られました。

拮抗した試合展開で、この位置でペナルティを取れたら京都産業大学としては突き放すチャンスでした。

多少焦りもあり、セットアップ→ヒット→チェイスの部分でどこか不具合があったのかなと感じています。

全勝優勝は逃しましたが、来節天理大学に勝って関西王者として大学選手権に臨んで欲しいです。

関西学院大学は、数年前は入替戦に出ていたチームとは思えないぐらい良い体格をしています。

近畿大学との直接対決に勝って、大学選手権へ駒を進めて欲しいですね。

母校も同じように、暗いトンネルを抜けて復活を遂げて欲しいなと感じました。

引き続きScrum Love Clubでは、読者の皆さんがScrumをもっと理解して、ラグビー観戦がもっと楽しくなるように発信していきます。

また良かったら拡散をお願いします。

本日もご覧頂きありがとうございました。

また次の記事でお会いしましょう。

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