本日のテーマ
本日は、関東大学対抗戦Aグループ 第3節 明治大学 vs 慶應義塾大学の試合を解説していきます。
対抗戦の中でも伝統校同士の1戦でした。
明治大学は前後半合わせて50点以上得点しており、攻撃力の高さを感じられます。
開始10分で2トライ取れたので、試合の入りも良かったですね。
対して慶應義塾大学は、厳しい試合状況が続いています。
次の帝京大学戦まで約1ヶ月空くため、大学選手権出場に向けて良い準備をして欲しいです。
それでは、試合結果・1st Scrum・Best Scrumを見ていきましょう。
試合結果
明治大学 52-7 慶應義塾大学
明治大学 320kg / 824kg
慶應義塾大学 315kg / 827kg
1st Scrum 15:22~
気になる1st Scrumは15:22~です。
慶應義塾大学陣10m-22m、慶應義塾大学ボールのScrumです。
組み合った後、明治大学が1番檜山選手主導で前に出て圧力を掛けるも、押し切る前に慶應義塾大学がボールを出しました。
明治大学は、1st Scrumから果敢に仕掛けて来ましたね。
セットアップから見ていきましょう。
明治大学は、HO 西野選手がセットしてから、1番檜山選手→3番倉島選手の順番でバインドしています。
夏合宿の試合を見ていても、3番が内側に入り込むイン組をベースにScrumを組んでいたため、1番とHOの密着度を意識しているのかなと考えています。
セットしてから両PRが左右に身体を開く形で、HOの脇から肩を出しています。
ただ、あまり上手く肩が抜けていない印象を受けました。
ロックの入り方は一級品ですね。
今回の映像だと最初から最後まで頭の動かし方を確認する事が出来ます。
ロックとの相性が合わなくて悩んでいるフロントロー必見ですよ。
フランカーは1番側のみ少し角度を付けてセットしていました。
Scrumの構造上、1番側が外側に割れやすいのでそこを防いでいました。
また、全体がセットしてから左側へ半歩スロットをズラしています。
最初セットした位置でも1歩以上左右にスロットがズレており、そこから更に左へズラした形となりました。
対して慶應義塾大学は、HO 中山選手がセットした高さに合わせて両PRがくっつく形でセットしています。
バインドのやり方は明治大学と同様に1番→3番でした。
違ったのは肩の出し方で、身体を前に出す事で肩を抜いています。
欲を言えば、3番 吉村選手側の肩が握り拳一個分前に出して、HO 中山選手の身体をもう1段階低くしたいです。
重さで優位性がありますが、筑波大学戦では上手く噛み合わなかったため、意識したいですね。
バック5は真っ直ぐセットしています。
また、クラウチのコールに合わせてフロントローだけでなく、バック5も低くなっています。
ヒットは慶應義塾大学が優勢でした。
非常に鋭く、中心点を大きく超える位置でヒット出来ています。
クラウチの段階でも低くなっていた慶應義塾大学FWでしたが、バインドの後も一段と低くなっています。
1週間でここまで変われるのかと驚くほど、素晴らしいヒットでした。
ただ、組み合った後に1番 成田選手の足がついていかず、膝が地面に付いて姿勢が崩れています。
その影響で、ロックとフランカーの姿勢も浮き上がっています。
また、明治大学3番 倉島選手が右足を2歩内側へ畳んでいるため、左半身が外側に出ています。
物凄く良いヒットで前に出られたのですが、セットアップでズラされていた影響で、左肩を軸に組まされています。
対して明治大学は、ヒットで受けたものの、左側にズラしながら体勢を立て直しています。
フロントローの身体が真っ直ぐ保てた事、そして後ろに下がりつつも、バック5の姿勢を崩さずに左側へ移動できた事で立て直しが出来ました。
ボール投入時には、明治大学が立て直して姿勢を保てたのに対して、慶應義塾大学はフロントローの身体が傾いてしまい、密着度が薄れていました。
その結果、明治大学が勢いよく圧力を掛けて前に出る形となりました。
タラレバはあまり言いたくないですが、ヒットの後慶應義塾大学が崩れずに前でキープ出来たら、試合結果に大きく影響したのかなと感じました。
苦しい試合が続きますが、頑張って欲しいですね。
Best Scrum 82:34~
気になるBest Scrumは82:34~です。
慶應義塾大学陣22m上、慶應義塾大学ボールのScrumです。
組み合った後、明治大学が真っ直ぐ前に出てScrumを粉砕し、コラプシングの反則を獲得しました。
両チーム共にフロントローが変わっていますが、セットアップは変更有りませんでした。
明治大学HO 金選手の背中の開き具合が非常に良く、1st Scrumと比べてフロントローの密着度が高くなっています。
その上で、クラウチの段階で少し前に圧力を掛けていました。
バインドも明治大学が先手を取れていました。
1番 伊藤選手が懐に入りながら腕を真っ直ぐ伸ばせており、良い形で圧力を掛けられています。
対して慶應義塾大学3番 中谷選手も腕を伸ばし切って圧力を掛けられています。
ただ、バインドをする際に右脇が開いた事に加えて、身体の向きが内側へ傾いています。
バインドのやり方からイン組をしたい事が伺えますが、それならば身体は真っ直ぐのまま、バインドで↗️に張りたいです。
組み合った後、内側へ行くからといって最初から内側を向いてしまうと、相手1番に外側から刺されて押し切られます。
相手の圧力が大きく、身体が傾いてしまった場合でも、頭だけは真っ直ぐしておきたいです。
1番 井吹選手側もバインドで圧力を受けた結果、左足が外側へ流れています。
ヒットは明治大学が優勢でした。
ヒットした位置が中心よりも慶應義塾大学であり、明治大学の伸びが良かった事がわかります。
また、組み合った時点で慶應義塾大学のフロントローの姿勢が崩れており、耐え切れる余裕はありませんでした。
ボール投入後は、明治大学が纏まりながら真っ直ぐ前に出た事で、慶應義塾大学のScrumが内側から崩壊して、コラプシングの反則を取られました。
ボール投入時に圧力を掛けるタイミングも揃っており、慶應義塾大学にとっては相当厳しい Scrumでしたね。
明治大学がやりたいScrumって、このScrumだと考えてます。
相手を圧倒してペナルティを獲得する、そこを起点にらいんあうとモールで攻めるも良し、自慢のBKでATしても良いです。
だからこそ、試合終盤ではなく1st Scrumからスロット全開のScrumを見たいですね。
Scrumで圧倒してこそ、明治大学のラグビーです。
終わりに
本日は、関東大学対抗戦Aグループ 第3節 明治大学 vs 慶應義塾大学の試合を解説しました。
引き続きScrum Love Clubでは、読者の皆さんがScrumをもっと理解して、ラグビー観戦がもっと楽しくなるように発信していきます。
また良かったら拡散をお願いします。
本日もご覧頂きありがとうございました。
また次の記事でお会いしましょう。
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