本日のテーマ
本日は、THE CROSS-BORDER RUGBY 2024 第1戦 東京SG vs BLUES の試合を解説していきます。
今季から新しい試みとして始まったクロスボーダーマッチです。
LeagueOneのチームとSuper Rugbyのチームが対戦するという、少し前まで考えられなかった試合が実現しました。
2016年〜2019年にサンウルブズとしてスーパーラグビーに参戦していましたが、クラブチーム単位で試合をするのはここ数年の話かと思います。
また、コロナ禍が明けた影響で、提携しているクラブチーム同士の試合も見られるようになりました。
開催時期やメンバー構成など色々と考えていく部分はありますが、今後も続いて欲しいですね。
批判が多くなると来季から無くなりそうです。
それでは、試合結果・1st Scrum・Best Scrumを見ていきましょう。
試合結果
BLUES 43 vs 7 東京サントリーサンゴリアス
東京SG 331kg / 902kg
BLUES 345kg / 889kg
1st Scrum 11:50~
気になる1st Scrumは11:50~です。
東京SG陣22m上、BLUESボールのScrumです。
フロントロー体重では劣るものの、バック5の重さで東京SGが上回っていました。
1本目は間合いが合わず組み直しとなりました。
テストマッチを見てても感じるのですが、日本と海外のセットアップって全く違うんですよね。
東京SGがバック5全員組める体勢を整えているのに対して、BLUES側はロックが膝を上げて前に体重を掛けています。
そのロック陣が前に行くのを防ぐため、No.8が自立して支えています。
クラウチの前段階からロックが膝を上げる事でフロントローに対して前への圧力が掛かります。
バインドの際にその重さを相手に上手く伝える事がが出来たなら、良いScrumが組めると考えています。
海外の選手がクラウチの段階で低くしないのは、後ろからの圧力を抑えるためなのかなと考えています。
勿論、骨格的な要因もありますが、敢えて低くする必要がありません。
2本目は、東京SGがヒットでプレッシャーを掛けて、組み合った後に前に出る事が出来ました。
3番ブラッドリー選手良かったですね。
練習生のため、LeagueOneデビューはまだですが22歳と将来性抜群な選手です。
組む前の姿勢、組んだ後の姿勢がとても綺麗で多くの3番の参考になるのかなと考えています。
ただ、まだ1人で組み合っている印象を受けています。
8人の中の一員としてScrumを構築出来ると今よりも更に良いScrumが組めると考えています。
また、外側に膨れながら前に出てしまっているため、良い姿勢が活かせてません。
組み合った後も低い姿勢が取れるため、重たいバック5の押しを受けるだけで前に出られます。
もっとシンプルに考えて良いのかなと感じました。
対するBLUES側はバインドの段階で前に圧力を掛けたのですが、1番側が足を外側に動かして位置調整をしています。
組み合った後も窮屈な体勢になっており、東京SG側からプレッシャーを受ける結果となりました。
最初セットしていた位置で組めていたら、内側に割られることは無かったのかなと考えています。
海外の強豪チームに対してScrumで押しているシーンは良いですね。
Best Scrum 42:07~
気になるBest Scrumは42:07〜です。
BLUES陣10-22m、BLUESボールのScrumです。
組み合った後、東京SGがプレッシャーを掛けるもカウンターを喰らい、イリーガルホイールの反則を取られました。
BLUESの纏まりあるScrum非常に良かったです。
セットアップは1st Scrumと同様、バインドの際に東京SG1番側が少し外側に流れてしまいました。
クラウチの段階では真っ直ぐだったのですが、バインドの際にBLUES 3番側が少し外側に圧力を掛けてきました。
そのため、外側に弾かれてしまったのだと推測しています。
ヒットは互角でした。
組み合ったあと、東京SG1・2番でBLUES 3番を挟めていたのですが、外側に対する圧力が薄れましたね。
1st Scrumでは優勢だったため、3番側よりも1番側に意識が寄ってしまったのかなと考えます。
ヒットは東京SGが少し優勢でした。
ヒットスピードやヒット後のバック5の膝の伸び具合で勝っており、日本のScrumの良さが出ていました。
JAPANでも8人がまとまって低くScrumを特徴としています。
次のScrumコーチが誰になるか分かりませんが、ベースは変わらないでしょう。
今回はヒットの後の動きで勝敗が決まりました。
東京SG側が前に出る際に、3番側が浮いてしまいました。
BLUES側もHOが浮いたのですが、両プロップが低いままだったため、建て直しする事が出来ました。
浮いて姿勢が高くなったところを狙われた結果、東京SGが押し切られる結果となりました。
ヒットで優位に立てていたため、勿体無かったScrumです。
もしかしたら、LeagueOneだとそのまま押し切れた場面かもしれません。
海外のレベルの高さを改めて感じたScrumでした。
まとめ
本日は、
THE CROSS-BORDER RUGBY 2024 第1戦 東京SG vs BLUES
の試合を解説しました。
賛否両論あると思いますが、来年以降も継続して大会が開催される事を願います。
Scrumをもっと理解して、ラグビー観戦がもっと楽しくなるように発信していきます。
本日もご覧頂きありがとうございました。
また次の記事でお会いしましょう。
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